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2015年07月26日 更新

「自分の感受性くらい、自分で守れ。ばかものよ」今こそ読み返したい!茨木のり子の詩の世界

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出典:blog.kurayo.com

戦後の日本を代表する女性詩人にして童話作家、エッセイスト、脚本家である茨木のり子さん(1926〜2006)

惜しまれながら、2006年に他界されてしまいましたが、今読み返してもこころに響く素晴らしい詩をいくつも残しています。

今回は代表作から、特に人気の高い名作をご紹介します。

是非、ご覧下さい。

自分の感受性くらい

ぱさぱさに乾いてゆく心を
ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて

気難しくなってきたのを
友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか

苛立つのを
近親のせいにはするな
なにもかも下手だったのはわたくし

初心消えかかるのを
暮らしのせいにはするな
そもそもが ひよわな志しにすぎなかった

駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄

自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ

この詩は、かつてドラマ「3年B組金八先生」でも金八先生が生徒たちに紹介していました。

忙しい毎日を送り、ふとした瞬間自分を見失いそうになったとき。

誰かを責めてしまいそうになったとき。

改めて読み返したいことばでした。

おまけ

「自分の感受性くらい」以外にも、人気の高いものを2つご紹介します。

まず一つ目は一人は賑やか。「一人でいるとき淋しいやつが二人寄ったら なお淋しい」が個人的に特に印象的でした。

一人は賑やか

一人でいるのは 賑やかだ
賑やかな賑やかな森だよ
夢がぱちぱち はぜてくる
よからぬ思いも 湧いてくる
エーデルワイスも 毒の茸も

一人でいるのは 賑やかだ
賑やかな賑やかな海だよ
水平線もかたむいて
荒れに荒れっちまう夜もある
なぎの日生まれる馬鹿貝もある

一人でいるのは賑やかだ
誓って負け惜しみなんかじゃない
一人でいるとき淋しいやつが
二人寄ったら なお淋しい

おおぜい寄ったなら
だ だ だ だ だっと 堕落だな

恋人よ
まだどこにいるのかもわからない 君
一人でいるとき 一番賑やかなヤツで
あってくれ

最後にご紹介するのは「わたしが一番きれいだったとき」。

この詩は多数の国語教科書に掲載され、彼女の最も有名な詩のうちの1つです。(茨木さんは15歳で日米開戦を、19歳で終戦を経験。その時の経験を元にこの詩は生まれました。)

わたしが一番きれいだったとき

わたしが一番きれいだったとき
街々はがらがらと崩れていって
とんでもないところから
青空なんかが見えたりした

わたしが一番きれいだったとき
まわりの人達が沢山死んだ
工場で 海で 名もない島で
わたしはおしゃれのきっかけを落としてしまった

わたしが一番きれいだったとき
誰もやさしい贈り物を捧げてはくれなかった
男たちは挙手の礼しか知らなくて
きれいな眼差だけを残し皆(みな)発っていった

わたしが一番きれいだったとき
わたしの頭はからっぽで
わたしの心はかたくなで
手足ばかりが栗色に光った

わたしが一番きれいだったとき
わたしの国は戦争で負けた
そんな馬鹿なことってあるものか
ブラウスの腕をまくり卑屈な町をのし歩いた

わたしが一番きれいだったとき
ラジオからはジャズが溢れた
禁煙を破ったときのようにくらくらしながら
わたしは異国の甘い音楽をむさぼった

わたしが一番きれいだったとき
わたしはとてもふしあわせ
わたしはとてもとんちんかん
わたしはめっぽうさびしかった

だから決めた できれば長生きすることに
年とってから凄く美しい絵を描いた
フランスのルオー爺さんのように ね

出典:kajipon.sakura.ne.jp

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