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2016年11月24日 更新

考え方・見え方が広がる子育てブログ【多動児にとってハーネスは命綱】

みなさんはハーネスをご存知でしょうか。wikiペディアでは「盲導犬やペットの犬の胴体に装着する胴輪」とされていますが、最近では小さな子ども用の「迷子防止ひも」として販売され、街中で使用している方も見かける機会が増えてきました。

このハーネスを巡って、発達障害を持つお子様との子育てブログを掲載しているなないおさんの考え方が多くの方の心に響いています。
※以下、ブログより転載

多動児にとってハーネスは命綱です。世間の皆様のご理解をお願いします。

このようにひもで繋がれたお子さんを見かけたことはありませんか?

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出典:http://nanaio.hatenablog.com

これはハーネス、迷子ひもなどと呼ばれているものです。

私も子供が産まれて間もない頃は他のお子さんがつけているのを見て

(なんだか犬みたいだなぁ・・)と思っていました。

しかし、いざ自分の子供が歩き出してみると、突然道に飛び出す、

制止しても全く聞かない、手をつないでいても全力で振り払い、

レジでお金を払う時など両手がふさがれた一瞬で姿を消してしまう。

多くのお子さんでも何度かはあることでしょう。

しかし我が娘はいつもこの調子で、

一瞬の気のゆるみが命取りになりかねないことばかりでした。

娘は、のちにAD/HD、注意欠陥多動性障害と診断されました。

(他に広汎性発達障害、アスペルガー症候群も診断されています。)

現在は小学生となりそこまで無謀なことは少なくなりましたが

幼少時の育児目標はとにかく「死なせないこと」でした。

診断がついたのは4歳。

一番大変だった1、2、3歳の段階では

自分の娘に障害がある事も、他のお子さんと自分の子供がそんなに違うことにも

全く気付いていませんでした。

なのでハーネスをすごく使いたいと思いながらも

自分も(犬みたい)と思っていただけに周りから必ずそう思われるだろう、

ほとんどの人が使わずに子育てしているのだから

私のしつけの方法がまずいのだろうと思っていました。

結局ハーネスに手を出せずに過ごしてしまいました。

たまたま運よく大きな事故にも会わずに育ってくれましたが

子供の命を守る為に使うべきだったと今でも思っています。

同じくADHDを持つお子さんの保護者である、まうどんさんの

ブログを読ませていただきました。

1、2歳のあこ(2) | 迷走する母まうどんのブログ(仮)

1、2歳のあこ(2)の補足 | 迷走する母まうどんのブログ(仮)

画像出ませんでした。スミマセン。

かわいらしい漫画でハーネスを使っていた時に

周りから言われたことを書いていらっしゃいます。

「まあ、かわいそうねぇ。今はそんなのを使うの?犬の散歩みたいじゃない」
この類のことを、道で会った人によく言われました。
外で逃走されると生死に関わる。
そんな理解されにくいことを説明するのも面倒でした。

お気持ちはよくわかります。。

発達障害児の育てにくさを話してもたいてい返ってくるのは

「子供はみんなそんなもんよ~」

確かに多くのお子さんにあることかもしれません。

明らかに頻度も程度も違うことはなかなか理解されません。

熱を出したといっても、たまに37度の微熱を出すのと

毎日39度の高熱を出しているのと同じと言われているような感覚です。

ADHDは生まれ持っての脳の機能障害です。

注意力のコントロールが難しい、衝動性が高い、多動という特徴があります。

特に小さいうちは親のしつけでなんとかなるものなどではありません。

ある程度大きくなっても頭ではわかっているのに衝動的に動いてしまたり

しなければならないことに取り掛かる事が難しかったりします。

ADHDについてはこちらにわかりやすい動画があります。ご覧ください。

ADHD児の苦悩

もし、外でハーネスをつけているお子さんを見かけても

(犬のようだと思ってしまうのは仕方がないかもですが・・)

その保護者の方を責めるような言葉をかけないであげてください。

親が手を離さずに見ていればいいと思うかもしれません。

しかし、現実問題として両手を一切使わずしてでは

買い物一つこなすことはできません。

レジでお金も払えません。

子供が一人ならまだ頑張れる場所もあるでしょうが

二人以上いる場合もあります。

私も下の子が生まれ赤ちゃんと多動の娘を連れての買い物は

もう二度と家から出たくないと思うほどの疲労でした。

中には感覚過敏を伴い、手をつなぐどころか触られること自体を極端に嫌がり

無理をすればパニックを起こすお子さんもいます。

多動児にとってハーネスは虐待ではありません。

お子さんを守る為の大切な命綱なのです。

もちろん多動児と診断されていないお子さんでも

活発なお子さん、きょうだいが多くて目が配れない場合などでも

ハーネスはお子さんの安全のためにとても有効なものです。

ハーネスをつけている=多動児というわけではありません。

大人も一人一人違うように

子供も同じようにしつければ同じように育つわけではありません。

ADHD、自閉症スペクトラムをはじめとする発達障害は

生まれつきの障害だと言われています。

多くの場合、見た目で障害があるとはわかりません。

ぱっとみは躾の出来ていない行動をとるかもしれません。

ご迷惑をかける行動をしてしまうことがあるかもしれません。

もちろん障害児だからといえ、なにをしてもいいわけではないのは

重々わかっています。

なにかあるたびに申し訳ないと身の縮こまる思いでいます。

迷惑をおかけしては頭を下げ続け、

どうすれば子供に分かるように伝えられるか日々試行錯誤をしています。

障害特性によって全ては無理な場合もありますが

最低限の公共マナーを身に付けさせるべく努力を重ねています。

多くの保護者の方は必死で我が子と向き合い子育てをしています。

精神的にギリギリのところまで追い詰められながら

育てている場合も少なくはありません。

発達障害児を育てる母親のうつ病率は一般の母親の3倍だという資料を

支援者の方に見せて頂いたこともあります。

多くの方にこういう見た目でわからない障害を抱える子供達も

いると知ってもらうことで

おだやかに見守っていただける方が増えて欲しいと願っています。

せめて、子供の命綱であるハーネスを批判するような言葉をかけ

保護者の方をより一層追い詰めるようなことが

少しでも減ることを願ってこの記事を書きました。

何卒、多くの方々のご理解をお願いいたします。

そして今まさに多動の小さいお子さんを育てていらっしゃる保護者の方へ

世間の目に負けることなくハーネスを使うことを検討してみてください。

うちはたまたま無事事故に合うことなく今まで来ましたが

本当にいつ死んでも不思議はないような状態でした。

ほんの数年の間です。

たった一本のひもでお子さんの命を守ることができるのです。

大切な小さな命を奪う悲しい事故が少しでも減りますよう祈っています。
※全文はコチラから

このブログを掲載後、ハーネスを知っていた人も、知らなかった人からも多くの方からの反響が。

■ブログコメントより

我が家には双子がいます。
多胎家庭でもハーネスは重要です。
例え2人の手をつないで歩いていても、1人が手を振り払って走り出したら…
人混みの中で見失ったら…批判する方は責任がありません。
毎日、一緒に買い物に行ってくれますか?
毎日、公園で道路に飛び出さないよう、子供を追いかけまわしてくれますか?
子供が事故にあったら、事故に遭う前の状態に戻してくれますか?
世間の目を気にしてハーネスを使わないで万が一のことがあったら、後悔するのはその判断をした親です。

初めまして。アスペルガー症候群持ちの大学3年生です。
私はこの記事で、そもそも子ども用のハーネスの存在を知り、興味深く読ませていただきました。
ハーネスの有無よりも、それを装着する意図を見極めることが大事なんですよね。社会にもっと賢さと優しさが広まることを願ってやみません。

人には様々な事情や感情があります。すべての人が同じ価値観を持って社会生活を送ることは難しいことですし、「正解」もないのかもしれません。しかし、より多くの価値観を「知る」ことはできるはず。「こういう事情があるのかも」「こんな考え方もあるのか」そんな風に思うことで、日常生活の見え方は変わってくるのではないでしょうか。

シンプルなデザインの多いハーネスですが、最近ではこんなに可愛らしいものも販売されているようです。

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出典:http://www.amazon.co.jp

少し長くなってしまいましたが、この考え方がより多くの方に知ってもらえることを、願ってやみません。

■出典:うちの子流~発達障害と生きる
ブログ掲載者のなないおさんは、こちらのブログで発達障害を持つ子供たちとの日々を掲載しています。

※こちらの記事は、なないおさんから了承を経てブログを掲載しています。ご協力ありがとうございました。

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