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2015年09月13日 更新

この絵は何で描かれている?手の不自由なアーティストが使った道具とは?

りす

出典:youtube.com

この絵を見た時、たいていの方はペンや鉛筆などで描かれた普通の作品だと思う方が多いのではないでしょうか?
しかし実は、これは予想外の道具を使って描かれたものだったのです。

タイプライターアート

working on typewriter

出典:youtube.com

作者はアメリカのフィラディルフィア出身のポール・スミスさん。
彼は生まれながらに重度の脳性まひを抱えていました。
医者からは「長くは生きられないだろう」と宣告されてしまうほどの状態であり、ペンをにぎることはおろか、食事をしたり着替えたりなどの身のまわりのことも困難でした。
自分の意思を周りの人に伝えることも一苦労だったそうです。

話ができるようになるまでに16年間、歩けるようになるまでにはなんと32年間も努力を重ねました。

何事もあきらめなかったポールさん。
誰にも伝えられなかった目に映る美しいものへの情熱を、自分の内側に長い間秘めていたのでしょうか。
タイプライターというツールを得てから、想像力を外に解き放ち始めます。

きっかけは近所の人が捨てたタイプライターで遊び始めたことでした。
彼がまだ11歳のころです。

tower

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最後の晩餐

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mountain

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色を使った作品もあります。

color

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他の芸術家たちのようにペンや絵筆などをにぎることができないポールさんは、10個の記号キーを使用した果てしない回数のキー操作により、絵を描き始めます。

アップで見ると・・・

こちらはモナ・リザを描いたポールさんの作品です。

モナリザ

出典:youtube.com

拡大してみると、#をいくつも使って陰影をつけているのがわかります。

#

出典:youtube.com

思うように身体を動かせないポールさんにとっては、気の遠くなるような作業でしょう。
しかし下の動画では、とても楽しそうに作品を生み出しているのが伺えます。

2007年に85歳で他界

数えきれない素晴らしい絵を生み出してきたポールさんは、その才能と人柄を惜しまれつつ、2007年にこの世を去りました。
しかし、医者の予想を裏切る生命力と努力で、障がいをもろともせずにクリエイティブな人生を謳歌されました。

晩年を過ごしていたオレゴン州の介護施設の廊下には、ポールさんの絵がたくさん飾られています。
その中には、家族と旅行した風景を描いたものなど思い出深い場面の絵も多いようです。
多くを語れない彼にとっての、独自のコミュニケーションの方法なのかもしれません。

hall

出典:youtube.com

自分が持っていない能力にフォーカスするのではなく、あるものを駆使して何かを創造するその姿勢。
アーティストにも、またそうでない人たちにも多大な影響を与えたポールさんの生涯でした。

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