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2016年05月20日 更新

『誰か気づいて!』 意識があるのに植物人間と10年以上カン違いされたゴーストボーイ・マーティン

意識があるのに、話せない。

意識があるのに、動けない。

サインを送ることもできないから、誰にも気付いてもらえない。
その場にいるのに、いないように扱われる。

植物状態とカン違いされた少年マーティンは、自分自身のことを「ゴーストボーイ」(Ghost Boy)と呼びました。

これは、謎の病に侵され、長い間ずっと意識を失っていた少年が自分の人生を取り戻した奇跡のストーリーです。
※2016年5月19日に放送された「奇跡体験!アンビリバボー」でも紹介されました。


動かない体の中に閉じこめられた少年「ゴーストボーイ」

ゴースト・ボーイ マーティン

出典:dailymail.co.uk

マーティン・ピストリアスさんは南アフリカで育った、ごく普通の健康的な男の子でした。
しかし当時12歳だった1988年1月、喉の痛みを覚えながら帰宅したある日からその人生は一変します。

マーティン 意識があるのに

出典:theblaze.com

医師でさえ、原因が全くわからなかったその病気は、結核やクリプトコッカス髄膜炎などに対する処置が施されるものの、一向に回復の兆しが見えませんでした。
※今でも、はっきりとした原因が解明されていないそう。

またたく間に病状は悪化し、8カ月が経過する頃には、話すことや立つことができなくなってしまいました。

ついに、こん睡状態に陥ってしまったマーティンさん。

家族は献身的に介護を行いますが、一生このまま息子は植物状態のまま過ごすのだと絶望の淵に立たされます。


意識だけが戻ってきた

しかし、16歳になる頃、マーティンさんは少しずつ意識を取り戻し始めたのです。

最初は、自分でもどういう状態で何をしているのかが認識できなかったようですが、徐々に覚醒し、なんと19歳になる頃には、はっきりとした意識を持っていたそうです。

意識があるのに 植物状態

出典:aol.com

しかし、筋肉を動かすことも、声を発することもできないマーティンさん。

家族やお世話をしてくれるケアワーカーの人たちに、「僕には意識があるんだ!」と伝達する術がありませんでした。
視界から通じた世界を認識できても、視線を合わせることはできません。

父・ロドニーさんに対して、わずかな動きで必死にサインを送るも伝わらず。
せいぜい、呼吸の乱れに気がついて、「大丈夫かい?」と優しく声をかけてくれるくらい。
意識がないことに慣れてしまった父は「息子が覚醒している」と気づくには至りません。

ゴーストボーイ

出典:dailymail.co.uk



家族は「マーティンの精神面の能力は生まれて3か月の赤ちゃんのようなもの」と誤った説明を受けていました。

そして、家族はマーティンさんのために、ずっと子供向け番組の「バーニー&フレンズ」を流していたようです。(本当は成熟した意識があるのに・・)

マーティンさんにとって、その番組は耐えがたく、今でもその番組を見ると辛い記憶がよみがえって苦しくなると語っています。

植物状態

出典:aol.com

マーティンさんが最もショックだったのは、母・ジョアンさんが発した一言でした。

何から何まで世話が必要な息子。
これが一生続くという絶望感と、助けてあげられない罪悪感から、ある日「死んでくれたらいいのに。」とつぶやいてしまったお母さん。

精神的な疲労が限界に達してしまった為に出てしまった言葉でした。
まさかマーティンさんに聞こえているとは思わずに。

その言葉を聞かなければいけなかったマーティンさん。
発せずにはいられなかったお母さん。

後に、お母さんはその言葉を悔やんでも悔やみきれないとコメントしており、一方のマーティンさんはそれを聞いた時に感じたことは「ママは本当に僕の世話をよくしてくれているからね、と伝えたかった」そうです。

自分の意思を伝えられない状態を、マーティンさんはこう説明しています。
「よく映画なんかで、亡くなった人が幽霊でよみがえってきて、みんなに話しかけたり気づいてもらおうとするんだけど、誰もがその幽霊が見えないからオールスルーってシーンがあるでしょ?まさにああいう感じだったんだよ」

当時の辛い体験を元に本人が書いた「ゴースト・ボーイ」という本は、ニューヨークタイムズのベストセラーリストに載るほどの人気になっています。

少しずつ人生を取り戻す!

そんな厳しい月日が過ぎていく中、25歳の時に転機が訪れます。

ある心優しい看護士さんが、マーティンさんの小さな目線の動きをサインとして読み取ってくれたのです!
そして、両親に検査をすすめました。

車椅子

出典:aol.com

やっと意識があることに気づいてもらえたマーティンさん。

話すことができない彼は、感情を音声に変換する人工音声を通じて、周囲とコミュニケーションを図れるようになりました。

そして、運命の出会いも果たします。
2009年には心の底から信頼できる女性であるジョアンナさんと結婚。

wedding

出典:dailymail.co.uk

二人は今、お互いに深い愛情を感じられる日々をイギリスで送っていらっしゃるようです。
病床時の体験に応えるインタビューでは、しっかりと手を握り合って座る様子から2人の絆を感じ取ることができます。

(動画の中では終始、穏やかに微笑むマーティンさん。)

「最も苦しかった瞬間は、死にたいと思っても、それさえできないという現実に打ちのめされた時かな。今も、僕について死んだ方がいいのにって噂してた人たちのことを思い出すけど、腹は立たないんだよ。僕も同じ考えだったからね」と当時を振り返っています。

そして、その壮絶な闇を経験したからなのか、感謝の言葉も残しています。

「今、ここにこうしていられることを本当にありがたく思っています。そしてどんな時でも、どんなに小さくても、希望は必ずあるんだって伝えたいです」

様々なメディアで紹介されるたびに「なぜ自分だけこんな目に?!」という表情をみせず、
静かな眼差しで、コンピューターの音声を借りて愛情や気配り、思いやりについて語るマーティンさんの姿に、視聴者からは感動の声が多数寄せられています。

なんとか、失われた時間を取り戻すくらいの、幸せな人生を歩んでいただきたいです。

ゴーストボーイ

※2015年11月には、マーティンさんの著書である「ゴースト・ボーイ」の翻訳版が日本でも出版されています。

出典:Aol.

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