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コラム

2015年11月18日 更新

【顔を焼かれた女性の叫び】メイク指南の動画が本当に伝えたいこととは?

ご紹介するのは、やけどを負ったインド女性が、口紅の上手な塗り方を教えてくれる1分ほどの短い内容です。

単なる美容のアドバイスのように作られたこの動画・・・。
実は全くちがった悲痛な叫びが最後に隠されているのです。

※重度のやけどのお顔の画像が記事内やリンク先に含まれます。

アシッド・アタック(酸攻撃)による被害者をなくそう

「口紅を上手にぬる秘訣」というこの動画ですが、出てくる女性はやけどを負った女性。

軽快な音楽と明るい雰囲気と共に、この女性が美容法をアドバイスしてくれるのですが・・・。

lipstick

出典:youtube.com

流れはこんな感じです。

①ブラシで古い唇の角質を取り除き、赤みを出します。

②リップバームで潤いを与えます。

③口紅と同じ色のリップライナーで輪郭をとりましょう。

④中を口紅で塗りつぶします。

そして口紅を塗り終わり、「ね、カンペキでしょ?」とカメラに語りかける彼女。

しかし、彼女が本当に伝えたかったことはこの後の言葉なのです。

signature署名

出典:youtube.com

曲調も一転し、切々と女性が語りかけます。

「口紅はスーパーなどのお店に行くとすぐ手に入りますよね。(インドでは)強酸もそうなのです。それが私たち女の子がアシッド・アタック(酸攻撃)に毎日のように遭っている理由なんです。」

彼女が訴えていることはいったいどういうことなのでしょう?

アシッド・アタックとは?

中近東やアジアの国の中では、昔から「気に入らない女性の顔を酸で焼いて復讐する」という残酷な暴力が存在します。

求愛を拒まれた・結婚の際の持参金が少ない・嫉妬やねたみなどの理由から、主に女性が被害に逢うそうです。

女性蔑視がいまだに根強く残っていることもうかがえます。

▼動画の女性 レシュマ・クレシさん(当時18歳)
昔

出典:dailymail.co.uk

美しいと評判だったレシュマさんは、2014年5月にアシッド・アタックに遭います。

犯人はなんと義理の兄とその友人たち。

妻であるグルシャンさんが別れを切り出したことに憤慨し、義理の妹であるレシュマさんを狙ったのだそうです。

女性の一生を台無しにしてしまうには、あまりにも短絡的な理由です。

しかし、こういった被害は、報告されているだけでパキスタンでは年間約150件、厳しく取り締まる法律が確立されていないインドでは推定で約500件~1500件起きているのではないかと言われています。(警察の取り締まりもゆるく、表沙汰にならない事件も多いので、あくまで推定の域です。)

インドの最高裁は、こういった被害者には事件から15日以内に10万ルピー(約18万円)を支援することを定めてはいるものの、実際に受け取ったケースは非常に少なく、レシュマさんも治療費に困った被害者のうちの一人でした。

ご両親が借金をして手術代にあてる努力をしたものの、何度も繰り返し手術をしなければいけない皮膚状態だった為に、結局はインターネットの寄付ページを開設したり、民間の非営利団体の助けを借りなければなりませんでした。

そして「Make love Not scars(誰かを傷つけるのではなく、愛を示そう)」という被害者のサポート団体と共にこの動画を作ったのです。

アシッド・アタックという行為を知らない人たちにまず注目してもらうために、あえてこのような美容指南の構成をとり、興味をひこうと試みたそうです。

この動画のレシュマさんの最後のメッセージは、「凶器になり得る酸を簡単に売ることを禁止しよう。」

口紅を買うのと同じくらい簡単に、誰もが低価格で強い酸を買えることが、この悪しきアシッド・アタックをはびこらせている原因の1つでもあるのです。

くりっく

出典:youtube.com

動画の中で、レシュマさんはインドの首相や内務省あてに「一般人への酸の販売禁止」を訴えかける署名のページを紹介しています。

女性にとっては命を奪われるよりも辛いのではないかと思われる、この酸攻撃。

美を奪われるだけではなく、視力・聴力を失う人も多いそうです。

満足な治療を受けることもできず、肉体的にも精神的にも一生苦しみを味わうこの凄惨な暴力が一日も早くこの世界から無くなることを願ってやみません。

撮影

出典:youtube.com

被害に遭ってからずっと「どうして私がこんな目に?」「犯人たちはたいした罪にもならないのに・・・。」「外に出るのがいや・・・。」と悶々と苦しみ続けてきたレシュマさん。

しかし、今こころからわき上がってくるのは「被害に遭ってしまった他の女の子の助けになりたい。」という強い思いなのだそう。

計り知れない苦しみを抱えているであろうに、「起きてしまったことは起きてしまったこと。

今は少し前を向けるようになったし、これからはもっと良くなっていくはず。」と、凛とした表情でメイクの撮影に挑むレシュマさんの顔は「本当に美しい顔だ。」とネット上でたくさんの人が称賛しています。

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