「いいな」を届けるWebメディア

ニュース

2016年01月01日 更新

【祝!アジア初の快挙】113番の元素の命名権がとうとう理研に決定しました!

2016年が始まりました。さっそく嬉しいニュースのご紹介からスタートしたいと思います。

日本の理研が原子番号113番の命名権を獲得することに決まったそうです!

2

出典:http://www.sankei.com

原子番号113番は現在まで「Uut:ウンウントリウム」と仮の名前がついていた未発見の元素で、その合成の精度が一番高かったのが日本の理化学研究所(以下、理研)のもの。アメリカとロシアを凌ぎ、昨年2015年12月31日、理研が発見した元素と国際学会に認定されたと発表されました。これはアジア初の快挙でもあります。

悲願の命名権

img_1_m

出典:http://www.sankei.com

新元素を発見し命名権を得ることのなにがすごいかというと、やはり「今後、覆されることのない歴史的な発見」というところ。今後は私達が学ぶ元素周期表に、その名前が永遠に載り続けるのです。

現在の名前の有力候補は「ジャポニウム(Jp)」。

「ニッポニウム」との候補もあったようですが、その元素記号がアメリカが発見した93番の「ネプツニウム(Np)」と被るとのことで「ジャポニウム」が有力となっています。

しかし実はこの「ニッポニウム」、100年以上の歴史を受け継いでいるんです。

330px-Masataka_Ogawa

出典:https://ja.wikipedia.org

1908年、東北大学金属材料研究所に勤めていた小川正孝博士が鉱石から43番を発見して「ニッポニウム (Nipponium: Np) 」と命名したと発表しましたが、別の元素と判明し幻に終わりました。

338px-Yoshio_Nishina2

出典:https://ja.wikipedia.org

次に1940年、理研の仁科芳雄博士が93番が存在する可能性を加速器実験で示しましたが検出できず、直後にアメリカが発見。ここで「ネプツニウム(Np)」と命名されてしまいます。
ちなみに今回の113番元素の名前には、この仁科博士の名前にちなんだ「ニシニウム」も候補に挙がっているそうです。

そして今回新元素113番の発見に成功した理研は仁科博士の研究を受け継ぐチームで、ようやく誕生する新元素は、日本の科学界にとって百年越しの悲願達成となるそうです。(参考:産経ニュース)

長年アメリカ・ロシア・ドイツが独占してきた元素の命名権をアジアで初めて日本が獲得したというのは、その技術力を示す大きな功績であるともいえます。

ところで元素の合成ってどういうこと?

あらゆる物質の源でもある元素。それなのに、その「合成」と聞くと少し違和感があるかもしれません。
しかしながら、実際に自然界に存在する元素は92番の「ウラン(U)」まで。それ以降は未確定も含め118番まで見つかってはいるものの、全て人工的に合成して発見されるのです。

どのように合成するのかを今回の113番の元素で説明すると、

3

出典:http://www.sankei.com

このように、自然界に存在する安定した元素同士(重水素のような同位体も含む)を加速器という超大型の実験装置で衝突させ合成します。
しかしもちろんぶつかって113番の状態を保っているのはたった一瞬で、すぐに安定した元素へと崩壊していきます。その崩壊の様子を細かく記録するのが、新元素発見の真髄でもあります。

理研は113番の合成実験を長きにわたって行っており、2004年と2005年にも合成に成功しています。今回で3回目となる合成ですが、その道のりは中々困難なもの。
2004年の初観測の時は、「加速器で光速の10%程度まで加速した亜鉛(Zn:原子番号30)を一秒間2.5兆個のペースで80日間ビスマス(Bi:原子番号83)に照射し続け」やっと一個合成されました。

このようにして合成された元素を直接観測することは不可能なので、「その崩壊の様子を辿る」ことで元素がどのようなものだったかかを特定するのです。まるで推理で犯人を当てていくようなプロセスなんです。
今回の113番だとこのような崩壊が確認されたそうです。

動画

2ca289fe

このαはα崩壊のことで、原子核からアルファ粒子(陽子2つ中性子2つの、ヘリウム4の原子核)を放出していることを示しています。陽子が1つ減ると原子番号が1つ下がります。よって、α崩壊では原子番号は2つ下がることになります。
このように放出されるアルファ粒子を半導体検出器で検出し、崩壊の順を追っていくことで元素の確認が取れます。だからこそ「崩壊過程の観測こそが新元素発見の真髄」となってくるのです。

過去に理研が合成した1回目、2回目の113番元素はそのデータ不足を理由に認められませんでした。
しかし今回、理研がこの崩壊過程の新たなパターンが確認できたことで113番元素の発見を確実に証明でき、113番元素の合成研究を行っていたアメリカとロシアの共同研究チームを凌ぎ、その命名権が与えられることとなりました。

こちらが埼玉和光市にある、実際に113番元素の合成を行った理研の研究施設です。
img_0_m

出典:http://www.sankei.com

こちらは理化学研究所の森田浩介准主任研究員。
120927-7

出典:http://www.worldtimes.co.jp

ウンウントリウムはラテン語で1(ウン)、1(ウン)、3(トリ)の組み合わせ。113番は現在全ての周期表でウンウントリウムとなっていますが、ここに新たな名前が載るのももうすぐですね。新しい元素周期表を見るのが楽しみです。

森田研究員を筆頭に113番元素の発見に携わった全ての方々へ、本当におめでとうございます!

理研の113番元素特設サイトはこちらから。そのHPアドレスにも思いが込められています。
<113●JAPAN>

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

FEELYの最新情報をお届けします

この記事に関連するキーワード

こちらもおすすめです