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2016年10月06日 更新

吉田沙保里を破ったマルーリス、決勝の裏にあった2つの巡り合わせ

吉田沙保里とヘレン・マルーリスの過去を物語る2つのエピソード。そこには意外な伏線が用意されていました。

「これからは追われる立場になるから難しい」

 これは、栄光を手にしたスポーツ選手の多くが口にする台詞です。個人競技に限らずチームスポーツでもそれは同じ、チャンピオンチームは、その瞬間から追われることを意識しなければなりません。背中に称号という標的をつけ、全てのチームに狙われ始めます。

 そして2016年8月19日、個人連勝記録206勝はついに途切れました。

 2004年アテネ・2008年北京・2012年ロンドンとオリンピック3連覇中の吉田沙保里選手を破り、リオ五輪「レスリング女子53kg級」の金メダルを手にしたのはヘレン・マルーリス(Helen Maroulis)選手。1991年9月19日アメリカ合衆国メリーランド州ロックビルで生まれた24歳でした。

 直径9mのサークルで死闘を演じた2人は、試合が終わった瞬間、ともにマットに泣き崩れます。

 今、ネット上では吉田沙保里選手とヘレン・マルーリス選手の過去を物語る2つのエピソードが話題となっています。

1:ヘレン・マルーリス「サオリと戦うことが夢だった」

 ヘレン・マルーリス選手は吉田選手について、アメリカのテレビ放送会社NBCに次のように語っています。

“I’ve been dreaming about wrestling Saori for so long, She’s a hero. She’s the most decorated wrestler in the sport. It’s such an honor to wrestle her.”

出典:Helen Maroulis wins Team USA’s first-ever gold medal in women’s wrestling | NBC Olympics<

 吉田選手への憧れが彼女を強くしたのです。

 2012年の世界選手権は55kg級で吉田選手に敗れて銀メダル。2015年に行われた世界選手権「55kg級」を制した彼女。(吉田選手は53kg級で優勝)

 しかし、オリンピックでは55kg級が廃止されたため、ヘレン・マルーリス選手は「吉田沙保里の53kg級」か「伊調馨の58kg級」の選択を迫られます。

 そして下した決断は「吉田沙保里」。試合後のNHKのインタビューにて「2年間、吉田対策をしてきた」と語った彼女は過酷な減量にも取り組んでいたのです。

2:「個人連勝記録206は山本聖子さんに始まり、山本聖子さんの教え子ヘレン・マルーリスによって途切れた」

 この結果には、意外な伏線も用意されていたといいます。米大リーグ「テキサス・レンジャーズ」に所属するダルビッシュ有選手はこの結果を受けて次のようなツイートを投稿しました。

 山本聖子さんは3階級で4度の世界王者に輝いた女子レスリング選手。アメリカ代表女子レスリングチームのコーチを務めていた際、このヘレン・マルーリス選手を指導していたとダルビッシュ選手は明かしています。

※コーチに就任した経緯については「女子レスリング、米国コーチしている山本聖子の今 | THE PAGE(ザ・ページ)」にて詳しく記されています。ぜひご覧ください。

※コチラはヘレン・マルーリス選手がインスタグラムに投稿した山本聖子さんの写真です。

 そして山本聖子さんは、このリオ五輪決勝以前の個人戦で吉田選手が敗北した相手。(2001年にまで遡ります)

 試合後のインタビューにて、ひたすら謝り続けた吉田選手。勝ち続ければ勝ち続けるほど、勝利が当たり前になるというプレッシャーは計り知れないものだったのではないでしょうか。「吉田選手もやっぱり人間だった」と、何故かホッとした声もネット上では見受けられました。これほどまでに国民をワクワクさせてくれたことに改めて感謝の気持ちを伝えたいですね。

 そして、見事金メダルに輝いたヘレン・マルーリス選手は24歳。これからは王者としての長いキャリアが始まるのかもしれません。勿論、吉田選手が雪辱を果たすかもしれません。本当にスポーツの世界は奥深いですね。

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