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2016年11月24日 更新

「開放感と崖っぷち感」森山未來さん『怒り』への苦悩を振り返る。

 第29回東京国際映画祭「Japan Now」部門にて上映された『怒り』のトークショーに李相日監督と俳優の森山未來さんが出席。TOHOシネマズ六本木ヒルズに集まった観覧者や映画関係者の質問に応じました。映画『怒り』は、同名小説(吉田修一原作)を実写映画化、『悪人』『横道世之介』『フラガール』を手がけた李相日監督がメガホンをとりました。東京・千葉・沖縄の3つを舞台にし、渡辺謙さんや森山未來さん、広瀬すずさん、松山ケンイチさん、宮﨑あおいさん、綾野剛さん、妻夫木聡さんなど日本を代表する豪華キャストが出演したことでも話題に。森山未來さんは、沖縄編にて素性の知れない男・田中信吾を演じています。

登壇した森山未來さん

森山未來さん

(c)2016 TIFF

李相日監督「『怒り』は3本の映画をとるつもりで臨んだ」

 既に110万人が鑑賞している映画『怒り』。李相日監督は「当初、編集を入れずにつないだら4時間あった。3本の映画をとるぐらいのつもりで、すべての感情の流れを丹念に追っていくことを心掛けました」と、振り返ります。

 信頼や不安、疑惑、愛せば愛すほど疑ってしまう人間心理を描いた同作、“犯人探しの映画だったのか?”の問いかけに対しては「原作者の吉田さんも、途中まで犯人を誰にするか決めずに書いたと仰っていた。犯人が誰かではない観点から話が出発している。ただ同時に、犯人が潜む場所にも必然があると思っていた。ブラックホールみたいな、(犯人の)動機を描くためには、東京・千葉・沖縄すべての腹の奥底に怒りを抱えている人の存在が欠かせない」

李相日監督

李相日監督(リ・サンイル監督)

(c)2016 TIFF

不気味な男を演じた森山未來さんは、孤独との対峙

 撮影中、李監督と何度も対話を重ねたという森山未來さんは、「1年以上、逃亡を続けている設定。(どんな犯人であっても)ひたすら穴の中に潜んでいることは絶対にできない。(なので)自分の中で自分をどうやって救ってあげるべきなのか、そういう感情が生まれてこないと1年間以上の逃亡はできないと思った」と、役作りの苦悩を明かします。田中の住処である無人島については、「開放感と崖っぷち感が同居している空間」と、そこに至るまでの背景や経緯が特殊であったと説明。

森山未來さん

写真:FEELY

「田中(役)は未來君しかいなかった」

 また、李監督は「僕は、田中(役)は本当に未來君しかいないと話していた。(森山さんが)イスラエルから戻って最初に会った舞台で確信めいた。(その理由は)田中を演じる上で、自由度を与えるべきだと思ったから」「こう演じて欲しいという要望も一切しなかった。象徴的だったのが、編集でカットしてしまったが、すず(小宮山泉)がレイプされるシーンをみてる(田中の)顔も撮影していた。その時も、なにも(指示を)伝えなかった」と、起用の経緯や裏話を披露しました。

映画「怒り」森山未來さんと李相日監督

(c)2016 TIFF

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