
美しい魅力を放つガラス細工は、カリフォルニアのアーティストMerry Coorさんが制作したもの。メモリアルアッシュビーズと呼ばれるこの作品には、ある想いや思い出が汲まれています。
ガラス内部に見える星のような粉は、大切な人の遺灰。愛する人が亡くなり、火葬して灰となった一部を作品に使用し、いつでも身につけられるアクセサリーへと生まれ変わらせています。
元々ガラスビーズ職人として活躍しているMerry Coorさんですが、メモリアルアッシュビーズの制作を始めたきっかけは、愛する彼氏を亡くした女性の悲しみでした。
亡くなった大切な人と、常にそばに感じられるように。
そんな想いをこめて作った作品は依頼主の励みや元気に変わり、最初は戸惑っていた彼女もその様子を見て「これは私の使命なんだ」と感じ、オーダー制作を開始。たちまち注文が増え、国境を越えたオーダーも多いそうです。
彼女の素晴らしいところは、ひとつひとつが手作りなことはもちろん、完成までの過程。依頼主に遺灰の一部と「その人の写真や、好きな音楽、生前どんな人だったのか、自由に想いをつづった手紙」を送ってくださいとお願いしているのです。
その人の顔を思い浮かべながら好きだった音楽をかけ、生前の思い出や性格に思いをはべらせながら制作する…その真摯な姿勢が、この美しき作品を生み出しています。
遺灰を作品として使用する。もしかすると賛否両論ある取り組みかもしれません。しかしこの作品をオーダーできるサイトでの口コミでは、
私の心にもっとも近いところに、父の遺灰を身につけることができます。常にお父さんと一緒にいるみたい。
ネックレスを制作している間、彼女はずっとお父さんの好きな曲をかけてくれていたんだって。もう、いくらお金を払っても足りないわ!本当にありがとう。
私は飼っていた猫の遺灰を送りました。ネックレスとしても素晴らしいので、周囲の人間にも自信を持って伝えることができるわ。
僕はまだ彼女と別れる決心がつかなかった。どうしてももう少し、一緒にいたかった。その想いを叶えることができた。本当に感謝しています。
など、感謝の気持ちがたくさん届いています。生きている間にお互いに「このネックレスを作ろう」と話し合っている人もいるようで、今後もきっと、多くの人の悲しみを和らげ、勇気を与え続けてくれそうです。