コカ・コーラがある目的で、暗闇の中での実験を行いました。
見ず知らずの男性たちを6人集め、互いの外見が見えない中で自己紹介をしあいます。
その様子を暗視カメラで撮影した動画が今月初めに公開され、再生回数は15.400.000回を優に超えています。
外見が見えなかったら、その人の中身が見えてくる
出典:youtube.com
最初に自己紹介をするこのメガネの男性。
「僕、ヘビメタやってるんだ。」
それを聞いた周りの人たちは「長髪だと思う。」「ポニーテールにしてたりとか。」「おそらくピアスもしてるね!」などと推測します。
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次にこちらのタトゥーをいれた男性。
「読書が大好きで、特に認知心理学や行動心理学なんかをよく読みます。」
その自己紹介を受けた他の男性が、「君はオタクっぽい人じゃないかな。自分ではイケてると思ってるけど、実はオタクっていうタイプだと思うよ!」とコメント。
みんなその感想に笑いあいます。
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この男性はこう語ります。
「僕はアラブの昔からの文化だとかアラブの言語だとかに一番興味があるんだ。」
それを聞いていた人たちは「ああ、彼はアラブ人だ。」「下着もつけないっていう昔ながらのアラブの格好をしてると思う!」「そうだね!そんな気がする!」と口々に判断します。
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「僕は料理するのが大好きで、時間があればずっとキッチンにいるよ。」と落ち着いたトーンで話す民族衣装のこの男性。
タトゥーの男性が「彼はきっとチェダーチーズのように成熟した大人なんだろうな。」と言うと、「え?何ソレ!ほぼ腐ってるとか言いたいの?」と笑って返します。
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「危険を伴うスポーツをやってるんだ。ハイリスクなやつね。」と説明する男性には、みんな「あぁ、言葉でしゃべるより身体で表現しちゃうタイプだね!」という印象をもった様子。
ひととおり自己紹介を終えたころ、部屋の明かりがつけられました。
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今まで見えなかったお互いの外見が目の前に現れると・・・!
「ウソだろ!」「びっくり!!!」
皆、驚きの言葉を口にします。
暗闇の中で予測していた、自分の描いた印象とあまりにも違い過ぎる人たちがテーブルを囲んでいたからです。
実際に互いを見た後の感想
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今まで話していた相手の外見がわかったあとの男性たちのコメントは、すべて驚きに満ちたものでした。
「電気がついた瞬間、素晴らしいサプライズが待っていたよ。」
「いきなり目に飛び込んできたのが、顔にタトゥーをしてる男性だったんだからたまげたよ!」
「予想と実際に見るのとではギャップがあるけど、暗闇の中の自分が本当なんだ。」
「もしタトゥーの人を外で見かけたら、話しかけようとは絶対しないね!!」
などなど。
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メガネの男性がふざけて、タトゥーの男性に言います。
「タトゥーをすべきなのは僕の方だよね!」
その他にも、アラブの伝統が好きだと言っていた男性が、民族衣装を着ているわけでもない普通の青年だったり。
アクティブなイメージを抱いていた青年が、実はエクストリームという車いすのスポーツをやっている歩けない男性だったり・・・。
視覚を排除した時の印象は、まったく違ったものであることが証明されました。
この実験の目的は?
この段階で、イスの下から箱を取り出してもらうようにお願いしました。
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そこから出てきたのは、このようにロゴマークも「コカ・コーラ」の文字さえない缶・・・。
どういう意味でしょう?
実はこれはコカ・コーラの「偏見撲滅キャンペーン」のための実験動画だったのです。
中東地域には多数の民族が暮らしており、歴史上の問題やそれぞれの見解の相違による争いがあります。
時には、身につけるものや言葉などが偏見をうみ、レッテルを貼ってしまう場合もあるようです。
この動画が公開された期間は、ラマダンというイスラム教においては聖なる断食月。
神の恵みに特別に感謝するこの時期に、何か平和につながるキャンペーンを打ちたいとコカ・コーラの中東支社が考えたそうです。
最後に出てくるメッセージが胸に響きます。
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ラベルは缶に貼るべきもの。人に貼るものではない。
そう記されたコカ・コーラのボトルにハッとします。
暗闇の中で、お互いの中身だけを受け入れながら親しくなっていく人たちの様子を動画でご覧ください。
瞬時に見ためで判断してしまう私たち。
外見にとらわれずに、ジャッジせずに、相手のパーソナリティをあるがままに受け止めることができますように。
お互いを尊重し合いながら、平和に歩んでいくことができますように。
そんなあつい願いがこもっている動画だと思いました。