歯が汚れる大きな4つの原因
まずは歯の汚れの原因として最も一般的な4つの原因を解説します。自分の汚れがどの原因に該当しているのか、よく考えてみましょう。
歯垢による黄ばみ
歯の汚れといえば、やはり「歯垢」です。歯垢が溜まれば、それが黄色く見えてしまいます。
歯垢とは食べかす、と認識している人も多いかもしれませんが、じつは歯垢は食べかすのみで形成されている物体ではありません。そのおよそ70パーセント以上は口腔内常在菌とその代謝物なのです。
口腔内常在菌とは、平たく言うと虫歯菌です。人間の口腔内には虫歯菌が存在していることが当たり前なのですが、それが繁殖しすぎてしまうと虫歯になります。
つまり、歯垢で歯が黄ばんでいると言うことは、虫歯菌が繁殖して虫歯のリスクが非常に高くなっているサインでもあるのです。
歯垢を放置してできる歯石による黄ばみ・黒ずみ
歯垢が溜まったままさらに放置すると、歯垢はやがて石灰化してしまいます。その石灰化したものが「歯石」で、黄ばみや黒ずみを引き起こしてしまいます。歯石になってしまうともはやハブラシやデンタルフロスで除去することは困難になります。
当然、歯垢の段階よりも虫歯のリスクも高くなってしまうのです。
食べ物や飲み物による着色
単純に食べ物や飲み物の着色汚れで歯が汚れていることもあります。コーヒーやカレーなど、色の濃い飲食物から歯の表面を覆っているエナメル質に色素が移ってしまうのです。
エナメル質は常在菌や飲食物の酸によってダメージを受け、少しずつ破壊されます。これを「脱灰」と呼びます。しかし脱灰の後、唾液に含まれる成分によってそれが修復されるのです。これを「再石灰化」と呼びます。
脱灰に対して再石灰化が追い付いていないと、歯の表面はいつになってもダメージを受けたままになってしまいます。その状態だと、虫歯のリスクが高くなるだけでなく歯の表面に色素が沈着しやすくなってしまうのです。
タバコのヤニ汚れ
タバコを吸っている人は、ヤニ汚れであることも多いです。ヤニとはタバコの煙に含まれている「タール」です。
タールは非常に粘着性が強い物質で、しかも黒ずんだ色をしています。タバコを吸うたびにそれが歯にも触れるのですから、黒く汚れてしまいます。
その他、汚れではないけれど着色する要因
歯が汚れていると感じても、じっさいは「汚れ」ではない可能性もあります。以下、汚れ以外で歯の変色を招く原因について解説します。
加齢でエナメル質が薄くなり黄ばむ
人間の歯は象牙質をエナメル質が覆っている形で形成されています。このエナメル質の色こそが、歯の美しい白なのです。
しかし、エナメル質は有限です。脱灰の後に再石灰化されるとはいえ、長年使いこめば歯は徐々にエナメル質が薄くなっていき、その下にある象牙質が透けて見えるようになります。エナメル質は半透明であり、象牙質は黄色身を帯びた色をしているのです。
故に高齢者は歯の色が黄色い人が多いのです。これは自然現象とも言えるでしょう。
抗生物質による着色
薬品の副作用によって歯が変色することも珍しくありません。代表的なのは「テトラサイクリン」でしょう。
テトラサイクリンというのは抗生物質で、感染症に効果を発揮します。しかし副作用が強いため、現在は使用されることが少なくなった薬品です。その副作用の一つが「エナメル質形成不全」や「歯牙黄染」など歯のトラブルになります。とくに子供が使用した場合、その副作用が強く出てしまう傾向があるのです。
かつては普通に多用されていた薬品なので、昭和40年代に子供だった方はこのテトラサイクリンの副作用によって歯が黄ばんでいる人も多いのです。
ちなみにテトラサイクリンの副作用で黄ばんでいる歯を、一般的に「テトラサイクリン歯」と呼んでいます。
生まれつき黄ばみ・褐色がかっている
生まれつき背の高い人もいれば、低い人もいますよね。人間の体は一人として全く同じ構造をしていることはありません。それぞれが全く異なる個体なのです。
当然、エナメル質の厚さも体質で異なります。遺伝的要素でエナメル質が薄い人は、象牙質が透けやすいので歯が黄ばんで見えることがあります。
汚れを落として本来の輝きを取り戻す方法は?
加齢や遺伝などの自然的要因、薬の副作用などで歯が変色している場合は対策も難しくなります。しかし、汚れで黄ばんでいたり黒ずんでいたりするならば、対策は容易です。正しいケアをすれば、汚れから歯を守ることができます。
丁寧で正しいブラッシング
歯を汚れから守る最高の手段は、やはり「歯磨き」です。基本にして最高の手段であると言えるでしょう。
ただし、歯磨きは正しいブラッシングで行わなければ効果が激減してしまいます。歯を磨くタイミング一つとっても、非常に重要なのです。
食後すぐに歯を磨きたくなる人も多いですが、これはなるべく避けましょう。食後すぐは口をゆすぎ大きな食べかすを除去することが重要なのです。ゆすぎで落ちない食べかすがある場合は軽くブラシを当てましょう。
そうすることで食後の脱灰の進行を食い止め、再石灰化を促すことができます。そしてある程度再石灰化が進んだ数十分後から、本格的にブラッシングするのが理想なのです。
そしていざ本格的なブラッシングをするにしても、やはり注意が必要です。以下、部位ごとの正しいブラッシング方法を解説します。
歯と歯茎の間に当てて少ない力で磨く
歯と歯茎の間は歯垢が溜まりやすい部分です。ここもしっかりと磨く必要がありますが、あまり力を入れ過ぎてしまうと歯茎やエナメル質を痛めてしまいます。
歯と歯茎の間は45℃くらいの角度でゆっくりと力を抜いてブラッシングしましょう。
奥歯や噛み合わせ部分は角度を合わせて磨く
人間の奥歯は食べ物をすりつぶすように作られているので、でこぼこしていますよね。奥歯をブラッシングする際はこのでこぼこの角度にブラシの角度を合わせて磨くことが重要になります。
舌の先などで奥歯のでこぼこを確認しながら、それを意識してブラッシングすると良いでしょう。
前歯は垂直に磨く
前歯は奥歯に比較すると磨きやすい部位ではありますが、やはり正しく磨かなくてはなりません。前歯の正しい磨き方とは、簡単に言うと「ブラシを垂直にして磨く」という方法です。
ハブラシを縦にして、ブラシが歯に垂直にあたるように磨きましょう。もちろん歯並び次第では磨き方を工夫する必要がありますが、多くの場合は垂直を意識すればしっかりと汚れが除去できます。
歯専用の消しゴムを使用する
飲食物の着色汚れなどであれば、「歯の消しゴム」も効果的です。
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商品の特徴
使いやすさに定評がある商品です。着色汚れやヤニ汚れをしっかりと除去してくれます。
この商品の口コミまとめ
- コーヒーの汚れが怖いくらいによく落ちる。
- タバコの量が多いので歯の黒ずみに悩んでいたが、これを使うようになって綺麗になった。
- 歯医者に通ってホワイトニングをしていたが、これを購入してからその頻度も激減した。
歯石除去・PMTCを行う
どんなにケアをしていても、歯石が溜まってしまうことはあります。そんなときは歯医者さんで歯石除去やPMTCを行いましょう。歯石除去とはクリーニングとも呼ばれ、その名の通り歯石を除去する行為です。PMTCとはその最先端とも言える施術になります。高度先進医療のようなものです。
歯石除去のみは保険適用、PMTCは自費診療
歯石除去は基本的に保険適用で受けることが可能です。つまり、国が定期的に受けることを推奨している施術であると言えます。PMTCはそれの発展形のようなものなので、保険適用外になります。
汚れをつきにくくするフッ素コーティングまであるものがオススメ
もしもPMTCを受けるのであれば、フッ素コーティングまでしてくれる歯医者さんを選ぶと良いでしょう。フッ素コーティングすることで格段に汚れに強くなります。
ホワイトニングを行う
ホワイトニングとは歯に沈着した色素や汚れを落とす施術です。基本的には歯医者さんで受けることになりますが、忙しい場合にはホームホワイトニング、つまり自宅で行うホワイトニングという手段もあるのです。
ホームホワイトニングを行うにしてもまずは歯医者さんに相談が必要なので、ホワイトニングを検討するならばまずは歯医者さんに行きましょう。
部分的に気になるならサロン、全体なら病院での施術がオススメ
簡単なホワイトニングだけならサロンでも受けることができます。その方が安い場合も多いので、部分的に少し気になると言う程度ならサロンも検討してみましょう。
前歯だけでなく、歯の全体の黄ばみや黒ずみが気になるという人は、一般病院で施術する方がサロンより安上がりになることがあり、また歯医者というプロの目線から施術をしてもらうことができておすすめです。
まとめ
歯の汚れで一般的に多い4種類の原因は、歯垢、歯石、着色、ヤニ汚れ、です。しかし、このような汚れが原因ではなく、加齢や薬の副作用、遺伝的要因によってエナメル質が薄くなり歯が黄ばんで見えてしまうこともあります。歯の変色の全てが汚れではないのです。
ただしどんな人でも汚れに対して正しく予防策、対応策を練ることは重要になります。正しい歯磨きや正しいケア商品の使用、歯医者さんへの相談などがそれに該当すると言えるでしょう。