メタボは腹囲いくつから?その基準と正しい計測方法

若い頃はどれだけ食べても全く太らなかったという人も、年齢を重ねるにつれてぽっこりお腹が気になってくることがあります。周りからメタボとからかわれることがあるかもしれません。代謝異常を意味するメタボリックシンドローム、略称メタボという言葉は広く知られていますが、メタボと診断されるための基準について理解していない人は意外に多いようです。内臓脂肪の量がメタボ診断の大きな目安となるため、腹囲測定を行いますが、メタボ基準値や正しい計測方法についても知らない人が多いのではないでしょうか。

メタボの腹囲はどれくらい?

お腹が少しでも出ていたり、体全体が肥満気味であったりするだけでメタボと揶揄されることがあります。しかし、肥満やお腹のでっぱりには皮下脂肪と内臓脂肪の2種類の脂肪がついていることが考えられるため、見た目だけでメタボと決めつけることはできません。体にさまざまな悪影響を与えるメタボの原因となるのは、腸まわりや腹腔内に蓄積される内臓脂肪です。メタボの腹囲は内臓脂肪の量を推測するために行うものであるとも言えるでしょう。それでは、メタボの腹囲の基準値やほかの数値基準はどうなっているのでしょうか。

男性で85㎝以上、女性で90㎝以上


メタボ検診では、腹囲が男性85cm以上、女性90cm以上であれば腹囲においてはメタボとされます。男性と女性に5cmの差があるのは、体質の違いによって男性は内臓脂肪が、女性は内臓脂肪よりも皮下脂肪がつきやすい傾向があるからです。女性は皮下脂肪がつきやすいのでメタボでひっかかることはあまりありませんが、その分脂肪がつくと落としにくくなります。男性は内臓脂肪がつきやすいものの食事療法や運動療法で比較的簡単に落とすことができます。

腹囲が基準値に当てはまったらほかの数値も確認する

メタボは、腹囲が基準値を超えた場合、血糖値、血圧、血清脂質の3項目のなかで2項目以上異常が認められて診断されます。それぞれの検査数値でいうと、空腹時血糖値が110mg/dL以上、収縮期血圧が130mmHg以上、または、拡張期血圧が85mmHg以上、中性脂肪値が150mg/dL以上、またはHDLコレステロール値が40 mg/dL未満となります。腹囲が基準値に当てはまり、かつ検査数値の2項目以上が異常とみなされるとメタボ確定です。

新しい基準として腹囲と身長を使うものもある

メタボの腹囲測定では男女それぞれ基準となるサイズが数値として規定されています。しかし、人には慎重さがあり身長が高くなれば基本的に腹囲も大きくなるため、身長を全く考慮せずに腹囲だけを測定するメタボ基準値に異論を唱える人もいます。そこで、最近では、腹囲の長さを身長で割った腹囲と身長の比をメタボの測定に活用することもあります。また、BMIを加味して診断する方法を取り入れることもあるようです。

正しい腹囲の測定方法

日頃からメタボ予防をするうえで大きな目安となるのが腹囲です。腹囲というとウエストサイズと誤解している人が多いように、腰骨を中心にして測定するものではありません。メタボ検診では医療機関においてスタッフが正確に測定します。ただ、検診は多くても年に1回程度となるので、自宅で定期的に測定して腹囲の変化でメタボ予防を行うことが大切です。それでは、メタボの1つの基準となる腹囲の正しい測定方法について説明しましょう。

おへその少し上を測る


洋服を購入するときにウエストサイズを見たり測ったりすることがありますが、このときのウエストサイズと腹囲は同じではありません。おへその位置がその少し上を基準として図るのが一般的です。洋服を選ぶ場合のウエストサイズは腰骨を基準に選ぶことが多いため、正確な腹囲とは大きなギャップがあり、ウエストサイズよりも腹囲の方が測定値が大きくなるのが普通です。ウエストサイズで大丈夫と思っていてもへその少し上で測った腹囲がメタボ基準値を満たしていて驚くという人も少なくありません。

ウエストよりも広めの場所を測定する

腹囲はへその少し上くらいが測定位置となるため、ウエストよりも広めの場所となります。正確には肋骨下縁と前上腸骨棘の高さの中心と規定されています。肋骨下縁は肋骨の最も下にある骨の下側、前上腸骨棘は腰骨の両側にあるグリグリとしたでっぱりの部分を指します。これは、内臓脂肪が多く通常の位置よりもへそが下にずれている場合に、へその高さで測定すると正確な数値が出ないことによるものです。

まっすぐ立って息を軽く吐いてから測定

腹囲を測定する際には、リラックスした状態でまっすぐに立ち、軽く息を吐いた状態で行うのが正しい方法となります。息を吸ってお腹をへこませないようにして測ることがポイントとなります。また、洋服の上からではなく素肌に直接メジャーを当てて測定します。医療機関などでは正確を期すために、男性であればズボンや下着を少し降ろして測定することになっており、カーテンで仕切られたスペースなどプライバシーへの配慮もなされています。

メジャーは床と水平になるようにして巻く

まっすぐに立ち軽く息を吸って吐き出した状態で測りますが、そのときへその高さで床面とは水平を保つようにします。メジャーはお腹と背中を回すときに特に背中側がたるんで全体が床面と水平にならないことがあるので注意が必要です。体の心中線に対して直角になるように意識すると誤差が少なくなります。腹囲を測定する時間帯に決まりはありませんが、できるだけ飲食直後の時間帯を避け少なくとも食後2時間程度経過してから測定するようにしましょう。

腹囲がメタボの基準値になったらどうする?

メタボは、腹囲の基準値にあてはまるからといってそれだけで診断されるものではありません。腹囲の基準値は内臓脂肪が蓄積されている目安であり、それ以外の高血圧や糖尿病、脂質異常症などを発症しないように予防すればメタボを避けることも可能です。食事のバランスやカロリーに配慮したダイエット、適度な運動、ストレス解消、生活習慣全般の見直しなど、メタボ予防のアプローチにはさまざまなものがあります。

食生活を見直す

腹囲がメタボの基準値になるということは、摂取カロリーが消費カロリーをはるかに上回っているという証拠になります。年齢を重ねると若い頃のように燃費がよくありません。まずは、摂取カロリーを控えることから食生活の見直しを始めましょう。体に必要となる栄養素のバランスに注意しながらも、内臓脂肪の原因となる糖質や脂質の摂取は意識して減らすことが大切です。

運動をする

ぽっこりお腹は内臓脂肪型肥満の大きな特徴です。メタボの腹囲測定は、内臓脂肪型肥満であることを判断するためのものであるとも言えます。内臓脂肪型肥満はお尻や太ももなどにぜい肉がつく皮下脂肪型肥満とは違って、つきやすい一方で運動や食事によって落としやすいという特徴があります。1日30分程度の楽な有酸素運動を取り入れるだけで、効果的に腹囲のサイズダウンをすることが可能です。ジョギングやウォーキングなど、継続できる自分に合った運動を選びましょう。

減量を心掛ける


メタボになると、糖質や脂質を体内で効果的に代謝する機能が低下している状態となります。摂取した栄養のほとんどがエネルギーに変換されずに脂肪として蓄積されるだけでなく、血管や心臓、脳などにさまざまな影響を与えます。メタボの診断後に運動指導が行われるのは、ダイエットによって内臓脂肪を落とすことがメタボの解消につながるからです。体重ではなく体脂肪、それも内臓脂肪を落とすことを目的として減量を心掛ける必要があります。

アルコールの量を調整する


アルコールはストレス解消やリラックスに効果があるだけでなく血管を拡張させる働きもあるため、適量を摂取することについては問題はありません。しかし、アルコールは麦や芋、ブドウなどさまざまな原料に含まれる糖質の量が多くカロリーが高いものです。また、アルコールと一緒に揚げ物などのつまみが進むことによってもカロリーオーバーとなります。さらに、肝臓に負担をかけて活性酸素や毒素が発生し、血管や血液にも影響を及ぼします。過剰摂取は避けるようにするとともに週に2日程度は休肝日を設けるようにしましょう。

喫煙をしている人も禁煙を心掛ける

タバコには発がん性の高い成分が含まれており、そのなかでもニコチンは血管を狭窄させることで知られています。しばらく禁煙していた人が久しぶりにタバコを吸うと頭がクラクラすることがありますが、これは血管が収縮して血流が悪くなるからです。脳や心臓で血管が詰まれば脳梗塞や心筋梗塞を起こしますが、タバコはその引き金となる動脈硬化を促進します。血管壁が傷き硬くなったり、血液中に血栓を形成したりして酸素や栄養も届かなくなります。簡単なことではないですが、健康を維持するためにはやはり禁煙するほかないでしょう。

生活習慣を見直す


腹囲がメタボの基準値を満たす人の中には、体が重く、運動不足になりがちになるだけでなく欲求に任せて食事を制限しないということもあります。高血圧や糖尿病、脂質異常症はメタボ判定の基準となるものですが、同時に生活習慣病と呼ばれているものでもあります。過度な飲酒、喫煙、ストレス、偏った食事、運動不足など、生活習慣が原因となって引き起こされているものであるため、改善には生活習慣を見直すしかありません。

まとめ

代謝異常を意味するメタボは、糖や脂質を正常に代謝する機能が低下した状態で血液や血管に大きな影響を及ぼし、生活習慣病や心筋梗塞、脳梗塞などの重篤な疾患の原因となる動脈硬化を促進します。皮下脂肪ではなく内臓脂肪の蓄積量が問題となるため、腹囲測定した値が重要な目安となるため、日頃から自分で正しく測定できるようにしておかなければなりません。生活習慣の乱れがメタボを引き起こす大きな原因となるので、日頃から食生活や運動、規則正しい生活などに留意することが大切です。