メタボ健診の検査内容と改善方法

40歳を過ぎると生活習慣病の発症リスクが高くなるメタボリックシンドロームが疑われる可能性が高くなるため、特定健診としてメタボ検診を受けることになります。初めてメタボ検診を受けるという方はさまざまな不安があるのではないでしょうか。メタボは、代謝異常症候群、内臓脂肪症候群などとも呼ばれており、心疾患や血管疾患、糖尿病などの生活習慣病を引き起こす可能性が高い状態であるとされています。メタボ検診を受ける前に検査内容や改善方法を知っておくと予防することもでき、安心して検診を受けることができるのではないでしょうか。

メタボ健診の対象と基準

食の欧米化、運動不足、ストレス、生活習慣の乱れ、など現代人が抱える問題は多く、近年では大人だけでなく子供にも生活習慣病のリスクが高まってきています。ただ、血管の壁が傷ついたり硬化したりして重篤な疾患の発症リスクが高まるのは40歳頃からとされているため、メタボ検診の対象年齢にそれに合わせて設定されています。では改めてメタボ検診の対象や基準について説明しましょう。

対象は男女とも40歳から

 

さまざまな生活習慣病の発症リスクが高まる状態であるメタボは、予備群も合わせると40歳以上で男性は2人に1に、女性は5人に1人の割合に達していることが明らかになっています。40歳を境にして急激に増えることもあって、メタボに着目した検診となる特定健診は40歳から74歳までを対象として実施されています。40歳は、加齢とともに基礎代謝が低下するだけでなく社会的にも重要な立場となってなかなか健康に配慮できなくなる年齢とも言えるでしょう。

対象に関係なく判定基準は使える

メタボ検診は、現代人の生活が心疾患や血管性疾患、糖尿病などの生活習慣病が死亡原因の約6割を占めているという危機的な状況があって実施されているともいえるものです。対象は生活習慣病を発症しやすい年齢となる40歳からとなっていますが、最近では小児糖尿病のように生活習慣病の低年齢化もみられることから年齢に関係なく判定基準を活用して予防に備えることが大切です。

胸囲の基準は男性85㎝、女性90㎝

メタボの条件を満たす第1関門となるのが腹囲測定です。メタボは代謝になんらかの異常があり、多くの内臓脂肪が蓄積されることがベースとなることがわかっています。そのため、腸の周りを中心とした内臓脂肪の量を腹囲から推定するために測定を行っています。男性85cm以上、女性90cm以上となるとメタボの条件を満たすことになりますが、皮下脂肪がつきやすい女性よりも男性の方がメタボになる確率が高いとされています。

胸囲が該当したらほかの項目も確認を

メタボ検診の第1関門である腹囲がメタボに該当したからといってメタボ確定とはなりません。腹囲測定で内臓脂肪の量が一定以上があることが推測されたのちに、血糖値や血圧、血清脂質の3項目の検査数値に2項目以上の異常があるかどうかによってメタボが確定されます。生活習慣病の代表格ともいえる糖尿病や高血圧症、脂質異常症を引き起こしている可能性が高く、そのまま放置すると重篤化や合併症への進行などがみられるようになるため注意が必要です。

メタボ健診の内容

メタボ検診ではまず第1段階として腹囲と体重を測定します。従来は腹囲だけで判断していましたが、最近ではBMIの数値も合わせて診断されることがあります。第1段階でメタボ基準値に当てはまると、第2段階として血圧計や血液検査によって、血糖、血圧、血清脂質の状態を数値化し、2項目以上に該当するとメタボと診断されます。最近では正確を期するためにCTスキャンなどを希望する方もいますが、ごく一般的なメタボ検診の内容について紹介します。

腹囲を測る

メタボ検診のなかでも自宅で自分でも確認できる項目として腹囲測定値があげられます。男性が85cm以上、女性が90cm以上あると内臓脂肪の量が多いと判断されます。測定は、リラックスした態でまっすぐ立ち、へその少し上を目安として床面に水平になるようにメジャーを当てて行います。食後少なくとも2時間程度経過した後に、洋服の上からではなく直接素肌にメジャーを当てて測らなければなりません。

血糖値を測る

 

肥満の最大の原因は血糖値が急激に上昇することであると言われています。血糖値が急激に上がることによって糖がエネルギーに変換されずに脂肪として蓄積されるようになって内臓脂肪の蓄積が促進されてしまいます。メタボ検診では、食事を何も食べていない状態の空腹時血糖値が110mg/dL以上あると高血糖状態と診断されメタボの条件を満たしてしまうことになります。また、血糖値がすでにかなり高い方は糖尿病を発症している可能性もあるといえるでしょう。

高血圧かどうか測る

血圧が高くなると血流が悪くなり酸素や栄養を体の隅々に届けることができなくなり、代謝も低下します。また、それだけでなく血管や血液にもダメージを与えてさまざまな疾患を発症するリスクが高くなります。メタボ検診での高血圧の基準は、最高血圧ともいわれる収縮期血圧が130mmHg以上、または、最低血圧ともいわれる拡張期血圧が85mmHg以上であることとなります。日頃から血圧が高めという人は塩分を控えるなど食生活を徹底して見直す必要があります。

高脂血症かどうか測る

高脂血症などの脂質異常症は体に深刻な影響を与えることが多く、さまざまな疾患を併発することもあり注意が必要となります。メタボ検診でも血清脂質の検査をすることで高脂血症などの状態であるかどうかを診断します。中性脂肪であるトリグリセライドが150mg/dLを超える、または、善玉コレステロールであるHDLコレステロール値が40 mg/dL未満であるのいずれか一方でもあてはまるとメタボの条件を満たすことになります。

メタボだと健診で結果が出たらどうする?

40歳を過ぎると特定健診を受けることで自分がメタボかどうかを知ることができます。メタボの大きな特徴はぽっこりお腹と言われているので、ほかに自覚症状がなくてもお腹が気になっている人であれば健診を受けるのもドキドキでしょう。メタボは生活習慣病の発症リスクが高まっている状態なので、何もせずに放置すれば動脈硬化や生活習慣病を発症する可能性が高くなります。万が一、健診でメタボと診断されたらどうすればいいのでしょうか。

動機づけ支援と積極的支援かが決まる

メタボ検診は正式には特定健診のなかで実施されるものであり、検査の結果、生活習慣病の発症リスクが高く、医療的ケアではなく生活習慣の改善によって生活習慣病の予防効果が期待できると判断された場合に、専門スタッフが特定保健指導を行うことになっています。比較的軽度な状態の場合は、個別面接やグループ支援などを原則として1回行う動機づけ支援を行います。また、個人の特性や生活習慣病発症リスクが深刻な場合は、3ヵ月以上の定期的・継続的な支援を行う積極的支援が選択されます。

保健師や管理栄養士からの指導を受ける

メタボ検診によって生活習慣病発症リスクが高く、生活習慣を改善することで防ぐことができると判断された場合には、医師だけでなく保健師や管理栄養士が特定保健指導を行います。指導といってもメタボと診断を受けた人が主体的に自らの生活習慣を振り返って具体的な行動目標を立て、実行に移すことをサポートするのが目的となります。生活習慣全般の見直しだけでなく継続して改善を行わないとメタボの状態が悪化することにもなります。

食生活と生活習慣の見直しを始める

メタボ検診でメタボであり生活改善が必要と指導された場合、具体的に毎日の生活を変えなくては変化がないだけでなく重篤化して生活習慣病を発症する可能性が高くなります。食事療法と運動療法を併用するのが一般的で、栄養バランスの取れた規則正しい食事、摂取カロリーの抑制、適度な有酸素運動の導入、などを具体的に実践していきます。一朝一夕で改善できるものではないため、地道にコツコツと続けなければなりません。

規則正しい生活を心掛ける

メタボの改善には、食生活だけでなく生活習慣全般の見直しが必要となります。食事の量を減らしても就寝前に1食、朝と夜の2食だけとすれば逆に糖や脂肪が蓄積されることになります。大切なのは1日3食決まった時間に食事を摂ることです。また、睡眠不足や過度なストレス、過度な飲酒や喫煙なども動脈硬化を促進する原因となるため、1日を通して規則正しい生活を心掛ける必要があります。

栄養バランスが整った食事をとる

普段から栄養バランスが整った食事を規則正しく摂っていれば、メタボになることはほとんど考えられません。甘いものや脂っこいもの、アルコールを過剰に摂取するだけでなく、ジャンクフードやスナック菓子などで添加物を多く摂取していても内臓脂肪がつきやすくなります。基礎代謝が低下してエネルギーに変えられずに脂肪として蓄積されるということをよく理解したうえで、バランスの取れた食事を適量摂取することが大切です。

運動をしてお腹の脂肪を落とす

メタボは内臓脂肪が大きな問題となりますが、女性につきやすい皮下脂肪と違って運動をすれば比較的簡単に落とすことができます。筋トレなどの無酸素運動では効果がないため、エアロビクスやなわとびなどの有酸素運動がおすすめです。とはいえ、肥満傾向があると負担の大きい運動には無理があります。1日30分程度のウォーキングであれば足腰にも負担がかからないため、毎日続けることができるのではないでしょうか。

まとめ

メタボは、代謝異常症候群、内臓脂肪症候群ともいわれるものであり、さまざまな生活習慣病を発症するリスクが高くなっている状態を指します。40歳以上の男女を対象とした特定健診で、腹囲、血圧、血糖値、血清脂質を測定することでメタボかどうかを判断することが可能です。メタボは糖尿病などの生活習慣病を引き起こす状態であることから、その改善には食習慣を含む生活全般の見直しが必要になります。具体的な改善法がわからない場合は、保健師や管理栄養士などの専門スタッフのサポートを効果的に活用しましょう。