メタボとは何か?その危険性

メタボというと、中高年男性でお腹がでっぷりとしている人のことを指すのではないかと勘違いしている人も多いようです。しかし、メタボは見た目やお腹周りだけの問題ではなく、隠れメタボとして診断される女性も少なくありません。メタボが健康に与える深刻な影響や危険性をよく理解して、日頃から対策をすることが大切です。そこで、メタボとはどんなリスクがあるのか、普段から心がけるべき対策について解説しましょう。

メタボとは

「死の四重奏」という言葉を知っているでしょうか。健康にさまざまなリスクを与える「肥満・糖尿病・高脂血症・高血圧」の4つをバイオリン、ビオラ、チェロの弦楽カルテットになぞらえて表現したものです。世界的に過剰な栄養摂取、運動不足などを背景として、心血管病、糖尿病予防のために提唱されました。ただ、それぞれ独自に診断基準が設けられていたため統一性が図られていませんでした。2005年にメタボリックシンドロームの国際会議で内臓脂肪に重点を置いた定義や診断基準が発表されて現在に至っています。

内臓脂肪が溜まっている状態

メタボリックシンドローム、通称メタボは、内臓脂肪症候群と呼ばれることもあり、腸のまわりや腹腔内に内臓脂肪が蓄積された状態を指します。一般的に肥満は皮下脂肪型と内臓脂肪型の2種類に分けられます。皮下脂肪型肥満は、腰回りやお尻、太ももなど下半身を中心に脂肪が蓄積されるもので女性の肥満に多いタイプです。一方、内臓脂肪型肥満は、内臓の周りに集中して脂肪がたまる状態で、体全体が太っているわけではなくお腹だけ出ていることが特徴となります。

様々な生活習慣病の引き金となる

メタボは内臓に脂肪が溜まるため、それによって高血圧や糖尿病、高脂血症などのさまざまな生活習慣病の引き金となります。また、血液がドロドロの状態で流れも悪く、老廃物や毒素がスムーズに排出できない状態になります。さらに、血液中に血栓ができることもあるため、心筋梗塞や脳梗塞といった命に関わる病気の原因となる動脈硬化を急速に進行させることにもなります。現在では、動脈硬化の進行を予防することに重点をおいてメタボの診断が実施されているといってもいいでしょう。

代謝異常が起きている

 

メタボリックが代謝、シンドロームが症候群を意味するため、メタボリックシンドロームを直訳すると代謝異常症候群となります。メタボは、血液中の糖や脂肪を分解する体の代謝が正常に行われていないため、エネルギーに代謝されずに脂肪として内臓周りに溜まる状態です。肥満や血圧、血糖など、1つ1つの項目の検査データに大きな問題がなくても要注意となる項目が複数あるとメタボの状態として診断されることになります。

内臓周りに脂肪がたまってお腹がぽっこりしている

メタボは内臓脂肪型肥満が特徴となるので、リンゴ型肥満といわれるお腹だけがぽっこりと出たような状態になります。内臓周りの脂肪は付きやすいだけでなく、食事や運動によって比較的落ちやすいものであるため、メタボ予備軍と診断された状態で対策を始めれば解消することも可能です。ただ、そのまま放置すると生活習慣病や重篤な疾病などに罹る可能性が高くなります。

メタボは放置すると危険なリスク

人間ドックなどでメタボと診断されても1つ1つの検査項目の数値が異常に高くなければ、要観察や要注意とされることもあります。要精密や入院加療と言われない限り、それほど深刻に考えないというのが一般的でしょう。しかし、メタボは複数の代謝の異常が同時に起こっている状態であり、いつ進行して重篤な病気に罹っても不思議はありません。また、痛みなどの自覚症状がほとんどないのもメタボの厄介なポイントです。

手遅れになるまで症状がほとんど出ない

ダイエット
メタボは、複数の代謝異常が重なっている状態なので、ほとんどの人がさまざまな自覚症状があると思っているのではないでしょうか。しかし、実際にはほとんど自覚症状はなく検診を受けても血圧や血糖値、中性脂肪値やコレステロール値も基準を少し上回る程度でそれほど驚くような数値でもありません。そのため、単なる食べ過ぎ、飲み過ぎ、運動不足が原因と軽視することによって放置しがちです。しかし、そのまま放置すると動脈硬化は確実に進行し、心筋梗塞や脳梗塞で手遅れになってしまうということも珍しくありません。

ある日突然病気になる危険がある

心筋梗塞や脳梗塞はその前兆を自覚症状でとらえることが難しい病気です。メタボの状態で何もしなければ症状は確実に進行するため、ある日突然倒れて救急搬送されるという可能性もあります。それまでの健康状態に特に問題を感じていないため、周囲も驚くことでしょう。メタボ予備軍と言われた日から動脈硬化などの生活習慣病は確実に進行し、音もなく忍び寄ってきます。突然病気で倒れて命の危機が訪れてからでは間に合いません。

気づかないうちに深刻化する可能性もある

血糖値やコレステロール値などの数値がそれほど高くなければ、特に何もしないという人がほとんどではないでしょうか。しかし、内蔵脂肪型肥満で高血糖、高血圧、脂質異常をともなえば、動脈硬化は確実に進行します。血管壁が硬くなって血流が悪くなるだけでなく、血管の一部が塞がれることによって血流が途絶え酸素や栄養が届かずに細胞が死滅してしまいます。この状態が心臓で起こるものが心筋梗塞です。特に自覚症状もないため、目に見えないところで深刻化する可能性があります。

メタボ対策にできること

メタボが深刻化すると食事や運動などで改善することが難しくなるため、薬物治療が必要となります。しかし薬物治療で降圧剤や血糖降下剤を使って血圧や血糖値を抑えることができても、高血圧や糖尿病などの病気そのものを治療することはできません。根本的にメタボを解消しない限り半永久的に投薬治療を続ける必要があります。そうならないためには、メタボがまだ深刻化していないときに対策をするしかありません。

規則正しい生活

体や心の健康は規則正しい生活がベースとなります。加齢によって代謝が低下するのはある程度仕方がないことですが、乱れた生活リズムによってさらにさまざまな体調の崩れが生じます。1日3回栄養バランスがとれた食事や十分な睡眠時間の確保、禁煙やアルコールの節制、適度な運動など、一般的に体にいいとされている規則正しい生活を送れば、メタボ対策だけでなくダイエットにもつなげることができるでしょう。

運動不足解消

メタボが中高年に多い原因の1つには、基礎代謝が低下してエネルギーに変換されないカロリーが増加することがあげられます。摂取カロリーが消費カロリーを常に上回る状態が続くため、内臓脂肪として徐々に蓄積されるようになります。その解消のためには運動が必須です。1日30分程度の軽い有酸素運動を取り入れれば運動不足の解消になるだけでなく中性脂肪を減少する効果が得られます。ウォーキングならいつでもできて体に負担もかかりません。

禁煙

 

タバコを吸うとたまに頭がクラクラすることがあります。これは、タバコに含まれるニコチンに強力な血管収縮作用があるため血流が阻害されていることによるものです。血管を狭窄する効果があるため、血圧が上昇して血流が悪くなります。また、ニコチンは血管壁を傷つけて硬化させるため動脈硬化を促進する原因となるのです。内蔵脂肪型肥満でアルコールとタバコ、さらに暴飲暴食をすれば心筋梗塞や脳梗塞にまっしぐらということになるでしょう。

アルコールの摂取量に気を付ける

アルコールは米や麦、ホップや芋、ブドウなどさまざまな食品を原料にしており、それ自体のカロリーも気になります。しかし、それ以上にアルコールを摂取すると食欲が亢進され、脂っこいつまみなどを多く摂取しがちなることでも脂肪が蓄積される原因となります。また、アルコールによって中性脂肪が増加して高脂血症にも大きく影響します。適量を心がけるとともに、週に2日程度の休肝日を設けると肝臓の負担の軽減にもつながります。

脂っこい食事を控える

 

メタボは糖と脂質の代謝異常が大きな特徴となります。ブドウ糖はエネルギーに変換されずに残った物が脂肪に変わって蓄積されますが、脂っこい食事で脂肪を摂取するとそのまま蓄積される可能性が高くなります。3大栄養素の1つでもある資質は、体に吸収されると中性脂肪として使われます。しかし、過剰に摂取した中性脂肪はそのまま内臓脂肪として蓄積されるため、メタボの進行を高める作用があります。日頃から脂っこい食事は控えるようにしましょう。

まとめ

メタボは単に太ってお腹がせり出しているだけでなく、高血糖や高血圧、高脂血症など、体の中で代謝が正常に行われていない状態のことを指します。検診でそれぞれの検査数値がそれほど高くなくても複数の代謝異常が進行する可能性があり、自覚症状がほとんどないため心筋梗塞や脳梗塞で倒れて初めてことの重大さに気づくということもあります。食事や運動に配慮し