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かかあ天下とはどのようなことを指す?
はじめに、かかあ天下の意味について押さえておきましょう。どのような状態を指すのか何かしらのイメージを持っている人は、それに合っているか確認してみてくださいね。
夫婦関係を示す言葉
今は、夫と妻のどちらが家庭において主導権を握っているのかを表す言葉として、かかあ天下は使用されることが多いです。“かかあ”という配偶者の女性を意味するワードや、“天下”という実権を握り好きなように振る舞うことを意味するワードが入っているとおり、主導権を握っているのは妻のほうです。妻に頭が上がらない夫や、夫を尻に敷く妻と似たような意味の言葉としてもよく使われています。
対義語は亭主関白
“亭主”は夫のことを指し、“関白”はむかし天皇の補佐役として政治にたずさわっていた一番上級の職を指します。そのためこれは、夫が関白のような権力を持っていることを意味する表現であり、かかあ天下の反対語として使用されることがあるのです。そして、かかあ天下と亭主関白ではどちらの家庭がうまくいくかが、話題に出ることはよくあります。
近年、かかあ天下な夫婦は増加している?その理由とは?
かかあ天下が増えていると言われているのですが、その裏づけとなるような2つのデータをご紹介します。さらになぜ増えているのかも解説するので、参考にしてみてください。
かかあ天下が多くなっていることを示すデータ
2018年に実施された、明治安田生命 「いい夫婦の日」に関するアンケート調査によると、妻と夫のどちらが主導権を握っているかについて、次のような結果が出ています。
主導権は「妻」:51.6%
主導権は「夫」:12.8%
また、博報堂生活総合研究所のアンケート調査では、妻が家庭における総合的な決定権を持つ家庭が大幅に増加したことがわかる、以下のデータが出ています。
1988年:10.1%
2018年:30.3%
かかあ天下が多くなっているワケ
かかあ天下が増加しているのは、夫と妻の両方が仕事をする家庭が多くなったために、妻の収入が高くなった点が考えられる理由のひとつです。また、仕事をしている妻の事情も考慮に入れなければ決められない事柄が増加している点も、妻が決定権を持つ家庭の増加につながっている理由として考えられます。
かかあ天下で結婚生活がうまくいくと言われるのはなぜ
かかあ天下になれば、必ず結婚生活がうまくいくとは限りませんが、可能性は高くなると言えるでしょう。その理由を以下に3つピックアップしました。順番に見ていきましょう。
女性の社会進出と男性の低収入が増えているため
昔は、男性に家族を養うだけの給料を稼いでもらい、女性は家事育児を担う考え方が理想的であり、安全策と言えました。しかし、今は女性の社会進出が進み、非正規労働者が増加したために男性の低収入も増えています。そのような家庭では、共働きをして収入源を増やすことが家庭にとって理想的で安全な策となっています。
そのため、女性は仕事・家事・育児とできることが増えた分、亭主関白の昔ながらの考え方をしている男性は仕事しかできることがなくなりました。その分、家庭の実権を女性に握られることが増えているのです。
子どもが生まれると女性は強いため
明治安田生命「いい夫婦の日」に関するアンケート調査によると、結婚3年目では約20%の夫が主導権を握っていることが示されています。しかし、それより結婚年数が長い夫婦ほど夫が主導権を握る割合が低く、妻が主導権を握る割合が高くなっているという結果が出ているのです。
その理由のひとつとして挙げられるのが出産。子どもを産むという大きなイベントが女性を強くします。出産後は、待ったなしで育児がはじまります。
核家族が増加している現在、夫は仕事で不在、まわりには頼れる両親もいない環境での育児はかなりハードです。そんな不安の中、妻は試行錯誤をしながら、気合いと根性で育児をしているケースが多くあります。
ハードな環境下の中、鍛えられた妻は結果としてかかあ天下になるというわけです。
夫が優柔不断で頼れないため
夫側の性格によるものですが、頼りがいのない夫を持つと自然と妻が主導権を握ります。
妻としては夫にしっかりしてほしいという思いもあるでしょう。夫は社会経験も豊富で頭もいいけれど、家庭内では決断力に欠けるなどと悩みを抱えている女性もいます。
しかし、そんな家庭内で頼りない夫の場合は、妻が引っ張っていくしかありません。自分がしっかりしなくてはならないという意識があれば、家族の危機にも対応できます。
女性がしっかりするタイプだと、家の中のことに関して夫は頼りがちにはなりますが、かかあ天下として妻が家庭を支えていけるのです。
男性が優位に立つ亭主関白な結婚生活はうまくいかない?
かかあ天下が増えている中で、亭主関白がうまくいかないかというと、必ずしもそうではありません。夫婦の性格、相性、ライフプランによるでしょう。ここでは、亭主関白な夫でうまくいく場合の夫婦関係についてご紹介します。
うまくいくケース①:夫が引っ張っていくのが得意で妻に不満がない
夫が強引に引っ張っていくと関係はうまくいきません。しかし、妻が不満に思わないようによく話し合い、意見を汲み取ることができるタイプの男性であれば、良好な関係を築けます。
この場合、家計をどちらが握っていようと、実権が夫にあり、女性が同意しているので、結婚生活がうまくいく可能性が高いです。
うまくいくケース②:妻の意見がない
優柔不安な性格で、普段からとくに意見を持たないタイプなど、いろいろなパターンの妻が考えられます。こういったタイプの女性は、夫に頼りたい思いを強く持っているもの。
夫に家族の方向性を決めてもらい、引っ張っていってほしいという妻。この場合、何でも結果的に夫が決めることになるために実質、亭主関白であると言えます。
かかあ天下になるためにすべきこととは?
かかあ天下の夫婦関係が理想と思った場合、それを実現するためには、ここで挙げる3つのポイントを意識するのが良いでしょう。
家計をしきる
夫婦共働きでも、専業主婦または専業主夫でも、家計を握る側が主導権を持つケースが多いです。何に対してお金をかけるのか、反対に何に対してお金をかけないのかは、家計だけでなく家事、育児・教育まで含めた家庭全体の実権を握ることに直結します。
夫婦対等の意識を持つ
女性は男性の後ろを歩く、男性を立てるという考え方も素敵ですが、それでは亭主関白の意識から抜け出せていません。もちろん、外ではそのような姿を周囲に見せることも大切な場面はあります。
しかし、かかあ天下になりたいのであれば、家庭内では実権を握るのは妻でも、人としては対等という意識を持つことがまずは大切です。上下の意識があると、妻が夫に対して人を踏みつけにする態度をとるような関係性になりかねません。
自分の意見を出す
自分の意見を持たないと、どうしても夫の側が何でも決める形になってしまい、亭主関白の夫婦関係になってしまいがちです。自分の意見があるなら、相手に伝えることが大事です。また、夫の不満が出ないよう、意見を求めて良いものは取り入れることも忘れずに。
まとめ
妻が家庭の実権を握る夫婦関係の意味で使われることが多いかかあ天下。女性の社会進出などにより、その割合は高まりを見せています。
夫より妻が高収入のケースや、夫がいわゆる草食系男子でイマイチ決断力がなく、頼りがいがないと感じるなどするのであれば、夫婦関係を見つめ直すのも良いでしょう。
案外、かかあ天下になったほうが、家庭がうまくいくかもしれませんよ。