むくみとはどんなもの?日常生活に潜んでいる原因と予防法

私たちは普段むくみという言葉を何気なく使いますが、むくみの正しい定義を知っている人は少ないかもしれません。日々むくみが気になるなら、むくんでいるとはどういう状況なのか基礎知識から取り入れてみましょう。むくみといっても放置してもいい場合もあれば、病的な原因も隠れているのです。普段と少し違うむくみがあるなら、いつものことだと判断しないで、なぜむくみが発生しているのか詳しく調べてみましょう。

むくみはどんな状態?

水分やリンパ液が溜まって腫れている状態

むくみとは、血液中の水分が細胞間に漏れ出している状態です。厳密には水ではなく、血液成分のひとつ、血漿が染み出て細胞間液となっています。私たちの全身に血液を届けるのは動脈で、体の隅々には毛細血管という細かい血管がはりめぐらされています。毛細血管は細いといってもすべての細胞と接しているわけではありません。隅々まで栄養や酸素をいきわたらせるため、血管から血漿が染み出て細胞に届ける仕組みがあります。細胞に栄養や酸素を届けた後の細胞間液は、今度は余分な水分や老廃物を回収して静脈やリンパから取り込まれます。

つまりむくみとは、血液から染み出る細胞間液と、回収する細胞間液のバランスが悪くなった状態です。何らかの原因により静脈やリンパの流れが滞り、余分な水分が細胞間に溜まっています。細胞間液は普段から血液から染み出ているのですが、回収が追い付かなくなった状態がむくみとして現れるのです。

むくみと腫れの違い

むくみ

もしかしたらむくみと腫れは同じものだと勘違いしているかもしれません。ときどき脚が腫れているからと受診していたらむくみだったり、むくみだと放置していたら腫れだったりします。どちらも症状が似ているため、一般の人には区別がつきにくいことがあるでしょう。気になる方は病院を受診することをおすすめします。

むくみは細胞間液が多くなり、余分な水分が細胞間に溜まっています。一方で腫れとは、感染や炎症の影響により、血液成分が血管外に溜まった状態です。むくみも腫れも、細胞間に水分が余った状態なのは一緒です。むくみは静脈やリンパの流れが悪くなり水分が滞っている状態で、腫れとは炎症が原因で起きています。結果的に現れる症状は似ていても、原因が異なっているため注意しましょう。むくみがなかなか改善できないときは、炎症性のむくみも考える必要があります。

むくみの原因は?

塩分の摂り過ぎ

塩分 塩

塩分の摂り過ぎはむくみの原因となります。血液の塩分濃度は一定に保たれているのですが、塩分が過剰になれば水分を取り込んで薄めようとする働きが起こるからです。塩辛い食べ物で水をたくさん飲むのも、血液中の塩分濃度を薄めようとしているからです。体には過剰な水分が溜まっていき、むくみを感じるでしょう。

水分の摂り過ぎ又は水分不足

水分は摂り過ぎも少なすぎても、むくみの原因となります。毎日たくさんの水分を摂取してしまうと、血液の水分量が増えてしまい、細胞間液の量も多くなってしまうでしょう。美容や健康のために毎日大量の水を飲む方がいますが、その方が処理できないくらい飲めば、むくみの原因となってしまうのです。

逆に水分摂取量が少なければ、静脈の血行が悪くなりむくみます。静脈は余分な細胞間液を回収しているため、巡りが悪ければ余計な水分が細胞間に溜まっていくでしょう。血液には水分が含まれていて、血流を左右しているのは水分であることも忘れてはいけません。水分が不足した状態では血液成分が凝縮され、ドロドロ血液になって巡りが滞るのです。

冷えや血行不良・ホルモンバランス


女性特有のむくみの原因だといえるのが、冷えによる血行不良や、ホルモンバランスの乱れでしょう。女性はもともと筋肉量が少なく熱が発生しにくいため、体が冷えやすい傾向にあります。さらに夏の冷房で体を冷やし過ぎてしまえば、血行が悪くなってしまうでしょう。血流が悪ければ静脈から余分な水分が回収できずむくみます。

また、女性は生理前になるとホルモンの影響を受けてむくむ傾向があります。妊娠中の女性や、更年期の女性もホルモンの影響を受けやすい状態です。女性ホルモンの影響で血管が拡張されたり収縮したりしており、生理前は血管が拡張しづらくなっています。更年期の女性もホルモンの影響で体温調節が上手くできず、血行が悪くなってむくみが起きるでしょう。

長時間同じ姿勢でいる

女性 パソコン

血液は心臓の鼓動によって全身に送られています。静脈も心臓の動きに合わせて血流が促されています。ところが脚にある静脈は、心臓から遠い位置にあるためポンプ機能が働きにくくなっています。体は重力の影響を受け、末端部分の血液が高い位置にある心臓に戻りづらいからです。そこで役立っているのが、ふくらはぎにある筋肉によるポンプ機能です。

しかし、長時間同じ姿勢でいると、ふくらはぎのポンプ機能が働きにくくなってしまいます。長時間のフライトや、長時間のデスクワークは注意が必要です。立ち仕事でいつも重力の影響を受けている場合も、下半身に水分が溜まりやすくなるでしょう。普段運動不足で歩くことが少ない方も、ふくらはぎのポンプ機能が使えていない可能性があります。

腎臓・心臓・肝臓の病気


病的なむくみが気になるときは、腎臓、心臓、肝臓の異常を調べる必要があります。腎臓や肝臓に問題があると、アルブミンというたんぱく質濃度が低くなってしまいます。アルブミンは血液中に含まれる成分で、血管から染み出る水分の量を調節しています。アルブミンは肝臓で合成され腎臓でろ過されるため、肝臓や腎臓に問題を抱えているとむくみが出るでしょう。

心臓に何らかの異常がある場合も、ポンプ機能が働きにくくなりむくみが発生します。注意したいのが心不全で、動脈硬化が原因で発症しやすいでしょう。動脈硬化が発生すると、狭心症や心筋梗塞などの心臓病が起きることもあります。発見が遅れれば命を落とすこともありますから、異常なむくみを発見したら早めに病院を受診するようにしましょう。

下肢静脈瘤

下肢静脈瘤とは、静脈の逆流を防ぐ弁に異常が見られる病気です。脚には静脈が逆流しないよう弁が付いているのですが、この部分に異常があると下半身に血液が溜まります。血管の一部がコブのように膨れ上がり発見できるでしょう。見た目が悪くても初期なら放置しても問題はありませんが、症状が酷くなるようなら処置が必要でしょう。早い段階なら弾性ストッキングをはいて、血液が脚に溜まりにくくする対策があります。

エコノミークラス症候群

長時間のフライトで起こりやすいため、このような名前が付けられています。トイレに行くのが面倒だと水分補給を我慢し、血液がドロドロになってしまいます。飛行機内で利尿作用があるアルコールを摂取するのも、エコノミークラス症候群の原因となります。最初は呼吸困難が見られ、次第に胸痛を訴え出します。重症化すれば肺血栓症となるため注意が必要です。

むくみの予防法

カリウム・サポニンを摂取する

塩分の摂り過ぎや血流が悪い状態がむくみの原因となっているなら、カリウムやサポニンが含まれている食べ物を摂取しましょう。カリウムは体内の塩分濃度を調節し、余分な塩分を尿と一緒に排出してくれます。サポニンも利尿作用がある成分ですから、むくみ対策におすすめです。

体を冷やさず、血液循環をよくする

冷房で体が冷えすぎてしまう方は、1日の終わりに入浴をして血行を改善させましょう。入浴中に脚をマッサージするのも、脚のむくみ対策となります。体が冷えすぎると感じたら、カーディガンを持参して1枚上に羽織るようにしましょう。

適度な運動をする:階段の使用や散歩など

階段 運動

冷えや血行不良がある方は、適度な運動をすることでむくみ対策となります。とくにふくらはぎの筋肉を使うと、むくみ改善にいいでしょう。できるだけ電車や車を使わないようにして、歩くようにする対策がおすすめです。エレベーターを使うより、階段を上り下りするようにしてください。運動の時間が取れない方でも、できるだけ脚を使うようにするだけで改善しやすくなります。

脚の先を動かす:座った状態又は立った状態で踵の上げ下げなど

長時間座りっぱなしの仕事の方は、ときどき脚を回して血流を改善させましょう。座ったまま踵を上げ下げしても、ふくらはぎのポンプ機能を使うことができます。

こまめにトイレに行く


デスクワークの方はこまめにトイレに行くことでも、血流を改善できます。長時間のフライトでも、トイレを我慢しないでください。水分補給は適度に行いながら、早めにトイレに行く対策が重要です。

脚のむくみのマッサージ動画解説


いろいろな対策をしてもむくみが気になるようなら、動画で紹介されている脚のマッサージ方法を活用してみましょう。くるぶしの部分を丁寧にもみほぐしてから、足首の内側にあるツボを刺激します。足首からひざに向かってマッサージしてから、太ももの内側にあるツボも押しましょう。毎日続けていれば、むくみ予防につながります。

むくんだ皮膚は傷つきやすい!皮膚への注意点

入浴などを行い皮膚を清潔に保つ

むくみが起きている部分は皮膚の抵抗力が落ちていますから、入浴を行って肌を清潔に保ちましょう。汚れたままだと感染症を起こすリスクもあるため、毎日の入浴がおすすめです。体を洗う際もゴシゴシ洗わず、優しく洗うようにしてください。皮膚に傷が付いてしまうと、治りにくくなるため注意しましょう。

保湿剤の使用や繊維の柔らかい衣類の着用で皮膚への刺激を避ける

入浴後にスキンケアをする場合は、刺激が少ない成分のもので優しく行います。むくみがあるときは肌が弱くなりやすく、乾燥しやすいです。保湿剤は保湿力が高い尿素入りクリームや、コラーゲン配合スキンケアなどを使いましょう。もし肌に合わないようなら皮膚科の医師に相談してください。むくみがあるときは、肌に触れる繊維にも注意しましょう。柔らかい繊維で肌触りのよいものを使用すれば、肌への摩擦が少なくて済みます。

まとめ

むくみといっても、対策で改善できるものもあれば、病気が原因のものもあります。毎日少しずつむくみ対策をしてみて改善できなければ、早めに病院を受診することをおすすめします。むくみは病気が隠れていることを知っておけば、異常があれば対処しやすいのではないでしょうか。むくみがあるからといって病気ではないかと怖がる必要はなく、日々対策をしていくことで正しい判断ができるようになります。毎日体の変化をチェックすることで、病気の早期発見にもつながるでしょう。