パワハラとは?職場のパワハラの8つの特徴と対応策

つい先日まで自由な学生生活を謳歌していた世間知らずの若者が突然社会人になれば、わからないことばかりで仕事を覚えるまでに多少の時間がかかるのは当然のことです。先輩や上司の指導によって少しずつ仕事ができるようになるものですが、職場によっては新社会人だけでなく先輩や上司という職務上の優位性を盾に、部下に対して理不尽なパワハラをする人もいます。パワハラは許されない行為であり、できることなら泣き寝入りはしたくないですよね。そこで、職場のパワハラの特徴や対応策について解説します。

パワハラとは?

パワハラとはパワーハラスメントの略語であり、現代では特に職場のパワハラが問題となっています。職場におけるパワハラとは、同じ職場で働く者に対して、職場上の地位や役職、人間関係など優位性を武器に、業務の適正は範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与えたり、職場の就業環境を悪化させたりする行為を指します。上司から部下に対して行われるケースが最も多く、上司に従わざるを得ない弱者の立場を利用した卑劣な行為といえるでしょう。

職場のパワハラの8つの特徴

厚生労働省では、「明るい職場、働きやすい環境」を目指すために、職場のパワハラ対策を重視しています。ホームページでは、パワハラを6つの類型に分類して注意喚起を促しています。その6つとは、叩く、殴るなどの「身体的な攻撃」、同僚の目の前で叱責されるなどの「精神的な攻撃」、1人だけ別室に移されるなどの「人間関係からの切り離し」、仕事の仕方を教えずほかの仕事まで押し付ける「過大な要求」、担当とは全く違う生産性のない仕事を命じる「過小な要求」、家族や交際相手などの悪口や執拗な質問をするなどの「個の侵害」です。では、職場で実際にみられるパワハラにはどんな特徴があるのでしょうか。

①役職による立場を利用している

パワハラとは、力を持つもの、つまり役職において優位な立場にある者が、それを利用して部下に無理難題を押し付けたり、嫌がらせをしたりする行為でもあります。上司の命令には逆らえないという一般的な慣習を利用したパワハラは、部下の立場ではなかなか解決が難しく、第三者への相談や告発がないとそのまま延々とパワハラが続くこともあります。役職には役職で対抗ということで、さらに上の役職の上司に相談してもパワハラをする上司とツーカーの仲でパワハラが加速することも考えられます。

②人格や尊厳を侵害する発言や行為

仕事上のミスなのに人格や人間性を根本から否定するような発言やプライバシーを侵害する行為など、上司というよりも人間としてあり得ない行為でパワハラを仕掛けてくる場合もあります。「お前みたいなバカは死ななきゃならない」「存在意義がない」など人前で人格や尊厳を侵害するような発言をされれば、ショックも大きくうつ病や自殺未遂など、深刻な状況に発展する可能性もあります。

③精神的な苦痛を与え就業環境を悪くしている

「同僚や後輩の目の前で罵倒する」「課内に一斉に送信されるメールで執拗にミスを責める」「意図的に飲み会に誘わない」など、精神的な苦痛を繰り返し与えて本人を追い詰めるパワハラもあります。精神状態が不安定になるため仕事に本領発揮することができなくなり、思うように実績があげられなくなることでまた叱責されるなど、就業環境を悪くする悪循環の連鎖から抜けられなくなることもあります。

④肉体的なイジメが行われている

「平手打ちをする」「げんこつで殴る」「足で蹴る」「物を投げる」といった肉体的な暴力、いじめでパワハラが行われる場合もあります。職場でこのような行為が横行することは考えにくいことですが、上下関係の厳しい体育会系の職場では少なからずそのような雰囲気があるものです。病院に行くほどのケガはしなくても、体中にあざができたり、打撲の痛みが続いたりするため、精神面だけでなく肉体面でも辛くなります。

⑤嫌がらせが一度ではなく継続的に行われている

「留守中のクライアントからの伝言をメモで残さない」「発注をわざと間違わせる」などの嫌がらせが一時的なものではなく、継続的に行われることもあります。単発的ものであれば仕方ないと忘れて次に臨むこともできますが、パワハラが継続的に行われていると「次にどんな仕打ちをされるのか」と疑心暗鬼になり、仕事にも身が入らなくなるでしょう。長期にわたって継続的に嫌がらせをすることで精神的なダメージを狙っている行為といえます。

⑥通常の業務範囲外の指示

担当の通常業務でも手一杯でその日のうちに帰宅できないことが多いという状況なのに、業務範囲外の別な担当や課の仕事を振られてさらに仕事量を増えるパワハラもあります。ノウハウやマニュアルが全くわからない業務範囲外の仕事は、こなすのに時間も労力も倍以上にかかります。「仕事だから」と仕事を理由にいじめることができるので、周りにはパワハラやいじめとして映りにくく本人だけが長く苦しむことになるでしょう。

⑦仕事を教えてくれない

それまでの仕事の経験が全く使えない新しい部署に異動になったのに、先輩や上司に積極的に質問しえもなかなか仕事を教えてくれないという子供じみてはいるものの陰湿ないじめのようなパワハラもあります。本人には仕事に対するやる気や情熱があるのに、仕事のノウハウを教えてくれないことで成果を出すことができず、それを理由に責められるというパワハラが続きます。表立ったパワハラとはとらえにくいもののやり方がとても陰湿です。

⑧生産性の無い仕事を延々とやらされる

これまで営業企画や新規プロジェクトなどに関わって仕事をしてきたのに、突然、資料整理や倉庫業務などの生産性がない仕事を延々とさせるというパワハラもあります。また、これまでに経験が全くない部署に異動させられて使えない人間であると周りに知らしめるような仕事をさせることもあります。ここまでひどくなると社内の一時的なパワハラというよりも、事実上の肩たたきであり本人から退職届を出させようという意図が感じられます。

職場のパワハラの対応策

職場でパワハラが発生し合場合、泣き寝入りをして苦しむのではなく解決に向けて具体的な対応をする必要があります。最近では、ほとんどの企業や会社にはセクハラやパワハラを解決するための相談窓口や担当係が設置されており、適切に対応してくれることも少なくありません。しかし、パワハラの具体的な記録が残っていなかったり、相談する相手を間違ったりすると逆効果になることも考えられます。では、職場のパワハラ対応策にはどんなことが考えられるのでしょうか。

ボイスレコーダーで問題発言を記録

パワハラの対応は、パワハラを受けた当人が被害を報告、相談することから始まるものです。具体的な被害を受けた当人はどんなことがあったかよく理解していますが、第三者に報告、相談するとなると当該者の主張だけでは客観性がないとして退けられる場合もあります。そうならないためには、ボイスレコーダーやスマホのカメラ機能などを使って問題発言や問題行動をデータとして記録しておく必要があるでしょう。

おかしいと思われる業務内容をメモしておく

肉体的な暴力や度を越した暴言などは、ほかの社員にもパワハラと映りやすいものです。しかし、業務上の命令や内容で陰湿なパワハラがある場合は、パワハラを受けている本人以外にはなかなかわかりにくいこともあります。「担当の仕事以外に過剰な業務を押し付けられる」「内勤なのに突然外勤や肉体労働を言いつけられる」「仕事量を突然減らされる」など、おかしいと思われる業務内容があった場合には、きちんとメモを残しておくようにしておきましょう。

パワハラをしている人よりも立場が上の人に相談する

一般的な企業では、同じ仕事をするチームのリーダーやチーフ、主任、係長、課長、部長というように役職があがっていきます。例えば、係長からパワハラを受けた場合、チームリーダやチーフ、主任などに相談しても、係長派閥で出世を考えている場合は相談を聞くふりをして係長にその内容が筒抜けとなり、さらにパワハラがきつくなることもあります。この場合は、課長や部長など、係長を指導する上の立場の人に相談するようにしましょう。

弁護士やパワハラ相談機関に証拠を提示して相談する

職場でパワハラを受けた際に、上司に相談しても変化がなく社内に設置された相談窓口に訴えても積極的な動きが見られない場合は、もはや社内でパワハラが解決できる状態であるとはいえません。会社は体裁を気にするため、社内の不祥事や会社の名前にキズが付くようなことは隠蔽したがる傾向があります。そのような場合は、外部の弁護士やパワハラ相談機関に相談することが大切です。会社の内部事情に精通していない外部機関となるため、客観的な証拠となるものを提示することを忘れないようにしましょう。

裁判を起こす

重大・深刻なパワハラの場合、または、相談や訴えを起こすことでパワハラがエスカレートする場合などは、パワハラ問題を穏便に済ませることはできません。被害が大きい場合や判断に迷う場合は、早めに弁護士や社会保険労務士などに相談するようにしましょう。それでも埒が明かない場合は、弁護士のアドバイスにより民事訴訟を提起することも可能です。会社は紛争の長期化を避けるために示談などに応じることが多いものですが、一度決断したらブレずに最後まで闘うことが大切です。

まとめ

パワハラにはさまざまなケースがありますが、なかでも職場のパワハラは職務上の役職や地位など優位性を利用して、部下に不当な要求や嫌がらせをする卑劣な行為です。パワハラには肉体的・精神的な苦痛をともなうさまざまなものがあります。上司や社内相談窓口で解決できない場合は、弁護士などの第三者機関に客観的なパワハラの証拠を提出して相談、告発することが必要となるケースもあります。パワハラを受けたら決して放置せず、早めに対応するようにしましょう。