理想的な枕の高さ
理想的な枕の高さは身体の大きさや首の長さ、頭の大きさによって異なる
理想的な枕の高さには、個人差があります。自分の体の大きさや首の長さや、頭の長さによって違いがあります。
枕が高すぎると肩こりや首の痛みの原因になったりしますが、枕が低すぎると頭に血が上って寝つきが悪くなります。熟睡の妨げにもなります。自然な根姿勢は、首の隙間がスムーズに埋まっているところです。
枕にしっかりと頭を乗せて視線がやや下に向いているのが正しい高さ
枕の高さを選ぶには、基準があります。人間の首の後ろには3センチから4センチメートルほどの隙間があり、その部分を埋めるようにするのがよいです。
枕の上にしっかりと頭をのせると視線がやや下に向いている、こういう姿勢が良い姿勢です。ただ、枕の高さだけで決まるものではなく、柔らかいベッドでは体が沈みやすいので少し低めの枕、硬めの布団では高めの枕というように、寝る場所についても考慮して枕の高さを選ぶとよいです。
理想的な枕の基準:仰向け編
肩口から頭が15度程の傾斜
肩口から頭は少し高めのほうが自然な寝姿勢を保ちやすいです。高すぎる枕を使用している肩口から頭までが20度以上になってしまい、首が折れるようになり負担がかかります。
一方、頭と肩口がほぼ水平である低すぎる枕を使用していると、ほぼ水平の姿勢になり、口が開いたり首に負担がかかりやすいです。理想的な高さは肩口から頭がだいたい15度くらいの傾斜になるようにしましょう。
顔が5度程の傾斜
寝るときの目線についてもチェックが必要です。顔が極端に下を向いた状態でなく、真上よりも少し下のほうを見ているような姿勢がよいでしょう。
具体的に言えば、顔の角度が5度程度になる傾斜を確保できる枕が良いです。そのような枕を買うのであれば、タオルや敷物で理想の角度になるように何枚か重ねて何度もやってみましょう。そのタオルの高さ、すなわち枚数が決まれば実際に店舗に行っても探しやすいでしょう。
首と枕に隙間が生まれないように
枕に頭をのせるだけ、と言う使い方はやめましょう。頭から首、頸椎から肩甲骨に至るまでトータルで考えないといけません。枕を買うときは、首の下に隙間がないようにしましょう。もし、首の下に隙間があると、首をうまく支えることができません。
そうすると首から肩にかけては睡眠時も緊張し続けることになります。首や肩が緊張した状態で睡眠をとると、首の筋肉が凝り固まってしまいますので肩こりや頭痛の原因になります。なによりも、緊張下で寝ているため、リラックスすることができません。首と枕に隙間が生まれないようにカバーすることが安眠の秘訣です。
後頭部と地面の高さが1.5cmから4cm
後頭部と地面の高さにも注目しましょう。後頭部と地面の高さについては、マットレスや敷布団によっても違いがありますので、実際に寝てみて後頭部と地面の高さが1.5センチから4センチメートルくらいの間になるようにしましょう。
地面と後頭部の差がそれくらいですと、起立しているときの自然な姿勢になりますので寝ていても快適なのです。
理想的な枕の基準:横向き編
背骨が直線になるように
横向きで寝る場合も理想的な枕の高さについて考えなければなりません。仰向きに寝ている、という人が多いとは思いますが、人は一晩の6時間睡眠で20回から40回の寝返りをします。
そのときに体に負担にならず寝返りをうてるように、横向きになるときも考えます。横向きになるときの理想の寝姿としては、背骨が直線になるようにすることです。背骨にゆがみが生じると体に負担がかかってしまいますし、寝返りの度に眠りが浅くなってしまうからです。
首の下から枕までのスペースができないように
頸椎をしっかりとカバーすることが理想的な枕を選ぶコツの一つです。その際には、首と枕の間に隙間が生まれないようにしましょう。これは横向きで就寝するときに限らず、あおむけで就寝するときも同じことです。
首と枕の間に隙間が生まれて顎が上がってしまうような枕は、血流が頭部に下がりますので脳への刺激が増えて深く眠ることができなくなります。それだけでなく、いびきを誘発する原因にもなります。
枕の高さが合っていない時に起こる不調
肩こり
高すぎる枕は、顎が引けた状態になりますので肩や筋肉への負担がかかり、肩こりの要因になります。低すぎる枕や、偏った枕であったとしても頸椎を支えられず、頸椎が緊張状態になって負担がかかり、同じく肩こりを誘発します。
ただ、枕が適正であっても柔らかすぎるマットレスであれば肩こりや緊張を引き起こすことがありますので、枕を変えても不調が収まらない場合は、マットレスも見直しましょう。
偏頭痛
朝起きたらズキンズキンと頭が痛くなる、起きてから30分程度したら頭痛の症状が軽くなる、そういった場合は枕の高さがあっていないかもしれません。頭の重みは約4キロから6キロであると言われています。
睡眠中合わない枕を使用すると、不適切な寝姿勢になってしまい、頭が浮いてしまったり沈んでしまったりします。そのため、偏頭痛が起こる恐れもあります。高さが合わない枕は頸部を圧迫してしまい、脳への血流が滞ることにもなりますので注意が必要です。
不眠
枕の高さが合っていないと知らず知らずに頸部を圧迫してしまいます。そうすると、交感神経が過度に緊張してしまいます。人間の自律神経は、活動をつかさどる交感神経と、リラックスをつかさどる副交感神経のバランスで出来ています。
睡眠中はリラックスをする副交感神経が優位に働いているものですが、交感神経が過度に緊張している状態では安眠できません。適切な高さの枕を使用していないと、睡眠の質が悪くなったり不眠になったりするのはこういった理由の可能性もあります。
腰痛
人間の背骨は、実は首から腰までつながっています。背骨が少しでも歪んでしまうと、その歪みが原因で腰に負担がかかることがあります。そうして引き起こされるのが腰に不調が出てしまう、腰痛です。
マットレスを改善しても腰痛が収まらない場合、枕が原因なのかもしれません。特に全身の筋肉が少ない女性の場合はこういった症状が起こりやすいので注意が必要です。
首の疲れ
枕の高さが高い場合、寝ているときに顎が引けてしまって首が前に傾いてしまいます。そうすると次第に首や顎に力が入ってしまいます。一方で低すぎる枕についても頭に血が上ってしまい、首から頭にかけて筋肉が緊張してしまいます。
こうして引き起こされるのが首の疲れです。起きたらなんとなく首筋が凝っている、そのような場合は、枕が合ってないことが多いと言われています。
いびき
枕が高すぎると、顎が引けてしまいます。わかりやすく言うと、顔面がうつむきがちになります。そうすると気道が圧迫されていびきの原因となる恐れがあります。適正な枕の高さにすると、気道が確保されて物理的にいびきが減ります。
いびきの原因としては、空気の通り道である上気道が何らかの原因で狭くなることです。理想的な高さの枕では、気道が確保されていびきになりにくいのです。
寝ても疲れがとれない
寝ても疲れが取れないというのは、しっかりと頭と身体がリラックスして休めていないということです。まず、寝ているときに20回から40回ほど寝返りを繰り返すのが普通の人なのですが、合わない枕を使っていると寝返りの度に眠りが浅くなってしまいます。
それだけでなく、脳への血流が集中したり阻害されたりして、交感神経が過度に緊張してしまいます。また、寝ている間に無理な姿勢を取っていることで筋肉が緊張してしまい安眠できないこともあります。
枕が高い時の高さの調整法
肩の下にタオルを置いて枕との差を減らす
枕が高い時には、枕と肩の差を減らすとよいです。枕は、頭だけでなく頸椎から肩に至るまでスムーズに支えられる高さのものが、しっかりとした睡眠を得ることができるからです。
高すぎる枕を低くすることはできませんが、枕と肩の差が適正な長さであれば、十分安眠することができます。
枕が大きければ肩まで枕に乗せる
枕が大きすぎて高すぎるということもあります。頭だけを枕にのせてしまうと頭が浮いてしまう、すなわちうつむいたような状態になり身体に不調が起こります。
そういったときは、肩までしっかりと枕に載せると解決するケースもあります。高反発素材を使用した枕は、肩までのせられる大きいものが多いからです。
枕を上下逆にしてみる
枕があまりにも高すぎる場合、上下逆に使用するともう一方の面はそんなに高さが高くないということもあります。
そのため、今持っている枕の高さが高いと思うのであれば、上下を逆にしてみたり、表裏を逆にして適正な高さに調整できるのであれば、自分で調整するのも一つの方法です。
枕が低い時の高さの調整法
枕にタオルを巻く
枕が低い時のほうが、枕が高い時に比べて調整をするのがはるかに簡単です。枕が低い時には、枕にタオルを巻くようにしましょう。
タオルを巻く枚数を調整することによって理想的な枕にすることができるからです。タオルを一枚ずつ巻いてみて、理想の高さになるまで自分で調整してみましょう。タオルを洗えばよいので、手入れも簡単で衛生的です。
枕の下にタオルを敷く
枕の下にタオルを敷くのも、低すぎる枕を高めに調整するという一つの方法です。枕の下にタオルを敷くことで、ほんの少しの差で適正な枕の高さになる、と言うケースにも対応できるからです。
少々大丈夫だろうという人でも、数ミリ単位で枕の高さを調整したら体の不調が消えたという人もいますのでやってみるとよいでしょう。
枕カバーをもう一枚巻く
ほんの少しの高さがあれば適正な枕の高さになる、といったケースの場合、枕カバーをもう一枚つけることで調整する方法もあります。
最近ではゴムになっていてすぐ取り付けられる枕カバーもありますので、そのようなカバーを使用することで手軽に高さを変えることができます。数ミリであっても放置せずに調整したほうがよいです。
枕の高さが調整できる枕
ACOGEDOR ストレートネック 枕
首に合わせた高さにできる枕ですので首や頸椎に負担がかからず、いびきも防止できます。首と肩に合わせた形状になるように工夫がされています。
適度な硬さのソフトパイプが頭を柔らかく包み込みながらもしっかりと安定させます。頭が蒸れにくくダニの発生を防ぐ素材を使用しています。パイプ量を変えることで高さが調整できます。
アイリスオーヤマ 枕 匠眠 高さ調整8通り
比較的値段が安い枕でありながらも、8段階にわたって調整できることが人気の理由の一つです。
通気性抜群の素材を使用していますので、洗うことが出来、枕を清潔に保つことができます。まくら裏面の4か所から中材の出し入れができますので、4つの部位ごとの高さが調節可能です。
エンジェルネックピロー 高さ調節 リバーシブル まくら
首の部分にはしっかりとへたりにくい硬質パイプを使用しています。頸椎や頭と枕との隙間をなくすようになっていますので、しっかりとフィットする構造です。
しっかりとした素材ながらも表面は柔らかくフィットできますし、丸洗いできますので清潔に保てます。
アイリスオーヤマ 枕 匠眠 高さ調整3通り
安価でありながらも高さの調節が三段階でできるスタンダードなタイプです。両サイドが比較的高くなっており、頸椎もしっかりと支えるようフィットしますし、横向きで寝る人にも対応しています。
高さが調整でき、自分好みの高さで使えます。
HomySnug 高さ調節可高さ調節可
まるで高級ホテルにあるようなラグジュアリーな枕です。立体構造になっており首と肩に適度にフィットして安眠を支えるだけでなくいびきなども防ぐことができます。
通気性の高い素材を使用しているだけでなく、丸洗いが可能ですので常に清潔な状態で保つことができます。
雲と夢 高さ調整 健康枕
大人はもちろん、子どもにも使える高さ調節ができる枕です。頭部にかかる体圧を分散することで首から肩にかけての負担を軽減することができます。
2枚のウレタンシートが入っており、それを出し入れすることで手軽に高さを調整することができますのでおすすめです。
まとめ
枕の高さが合わないと、それだけで頭痛や肩こり、腰痛やいびきなどの原因になります。自分の理想とする高さの枕でなければ、高くても低くてもいけないということになります。
枕が高すぎる場合は、肩にタオルを置いたりして調整しましょう。低すぎる場合は、カバーを2枚にしたりタオルをのせることで調整できます。自分で調整できる枕も売っています。