レバーの効果って?牛・豚・鶏による違いも紹介します

レバーとは肝臓のことを指し、日本でもさまざまな料理で馴染み深い食材です。日本で食されているレバーは哺乳類のものが中心ですが、特筆すべきはその高い栄養価でしょう。

特によく食べられているレバーは牛、豚、鶏の3種です。今回はレバーの効果や3種それぞれの違いなども紹介していきます。

レバーの栄養価

ヘム鉄:吸収率の高い鉄分

レバーにはヘム鉄が豊富に含まれています。

血液中には赤血球とよばれる細胞があり、その中にヘモグロビンが含まれています。ヘモグロビンはヘム鉄とタンパク質から組成されるもの。ヘム鉄はポルフィリン環によって形成され、酸素を体内の隅々まで運ぶ役割を担っており、肉や魚などの動物性食品に多く含まれているのが特徴です。

ヘム鉄と非ヒム鉄を比べたとき、鉄としての吸収効率は前者のほうが高くなっています。このため鉄分不足を解消するためには、吸収効率が高いヘム鉄を摂取するのが効率的です。

ビタミンA:目や皮膚の粘膜を健康に保ち抵抗力を強める

ビタミンAとはレチノールやレチナール、レチノイン酸の総称です。これらは脂溶性ビタミンに分類されるもの。また植物に含有されているβカロテンは、摂取すると小腸上皮細胞でビタミンAに変換される性質があります。

ビタミンAで特徴的なのは、目や皮膚の粘膜を健康に維持する働きです。視細胞の光刺激反応に関係するロドプシンの物質合成にも必要となるため、薄暗いところで一定の視力を保つ働きためにも役立ちます。健康維持のためには欠かせない栄養分のひとつです。

レバーの効果って?

アンチエイジング効果

人の体が老化する原因のひとつに糖化があります。血液中に余分な糖分があると、体内のタンパク質と結びついて変性し、老化促進物質が作り出されてしまうのです。このような現象をメイラード反応といいます。

メイラード反応を抑えるためには、低GI値の食品を摂取することが大切です。レバーは低GIが低い食品で、なおかつ豊富な栄養分の摂取ができることから、アンチエイジング効果も期待されています。

免疫力アップ

空気中にはさまざまな細菌やウイルスが浮遊しており、呼吸や食事などによって体内に取り入れられています。それでも病気にならないのは、体の免疫機能が働いているためです。レバーに含有されているビタミンAには、免疫力アップの効果が期待できます。

またレバーには豊富なビタミンEが含まれていますが、これは体の酸化を防いで血管の保護に役立つ栄養分です。血液の流れを円滑にすることで体温が上昇し、免疫アップにもつながるでしょう。

動脈硬化の予防


動脈硬化は、血液の中に血液の塊である血栓が生じる症状です。動脈硬化が起こると血液が循環できなくなり、体の一部に栄養分や酸素が行き届かなくなってしまいます。ときには死に至ることもある、生活習慣病のひとつです。

レバーを食べることで、この動脈硬化を予防できるという報告があります。これはレバーに含有されているビタミンB2が細胞の生成を促し、血液の流れを促進するためです。レバーは栄養価の高さだけでなく、即効性にも優れています。

貧血対策

レバーは、造血に関係するヘム鉄を豊富に含んでいます。ヘム鉄は血液を作るために欠かせない栄養分で、ヘム鉄を安定して体に供給できないと、鉄分不足に陥り貧血になってしまうことも。貧血は生理による影響で特に女性に起こりやすい症状ですが、さまざまな病気のリスクにもつながります。

いろいろある食材の中でも、貧血予防の食材としてレバーはピックアップされがちです。またヒム鉄だけでなく、ビタミンB12にも血液生成をサポートする働きがあることから、貧血予防への高い効果が期待できます。

牛・豚・鶏によるレバーの違い

牛のレバー:味がよく貧血予防も期待できる

ビタミンB12を豊富に含んでいるのが牛レバーの特徴です。ビタミンB12は前述のとおり、貧血予防に高い効果が見込めます。また肩こりや腰痛予防にも役立つことから、健康を目的として食べる人も少なくありません。

肝心な食味に優れているのも牛レバーの魅力です。ほかの部位に比べるとカロリーも低く、食べても太りにくいといえます。一方、炭水化物や脂質が多いので、豚・鶏レバーに比べるとカロリーは高めです。

豚のレバー:疲労回復が期待できる

豚レバーには鉄分、亜鉛、ビタミンB2が豊富に含まれています。これらの栄養分は滋養強壮剤にも多く使用されており、摂取することで疲労回復効果が期待できるでしょう。体の疲れを癒やしたい人には、豚レバーがおすすめです。また眼精疲労に対しても一定の効果が期待できます。

栄養が豊富にある一方、クセが少ないのでレバニラなどの料理にも向いています。その食べやすく、レバーが苦手でも「豚レバーなら大丈夫」という方も少なくありません。

鶏レバー:低カロリーでダイエットの味方

鶏のレバーにはビタミンA、ビタミンB1、葉酸が豊富に含まれています。牛・豚レバーに比べるとカロリーが低く、ダイエットのときに食べるレバーとして最適です。造血作用もあることから、貧血予防のために食するのも良いでしょう。

鶏レバーは、焼き鳥やもつ鍋として使用されることが多いのが特徴です。色味はやや青っぽく、青みがあるほど新鮮といわれています。鶏レバーもほかのレバーと同様に生食だと食中毒のリスクがあるので、火を通して食べるのが一般的です。

レバーの食べ過ぎによる注意点

脱毛や手足の痛みなどの体調不良

レバーを食べることで、脱毛や手足の痛みなどの症状が現れるケースがあります。脱毛が起こるのはレバーに含有されているビタミンAによるもの。ビタミンAは脂溶性なので、体内で吸収されたあとに血液で体のいたるところに運ばれていきます。

本来なら体が必要とする栄養分ですが、どんどん蓄積すると体調不良の原因に。ただし脱毛や手足の痛みなどの症状が出るのは食べ過ぎた場合のみで、普段の生活で食べる分には問題ありません。レバーしか食べないような極端な食生活にならないように気を付けましょう。

プリン体による痛風

レバーには痛風の原因となるプリン体が多く含有されています。プリン体はどんな動植物でも体内に持っており、プリン体そのものが痛風の原因というわけではありません。プリン体が体内に吸収・分解されると、老廃物は尿酸となって尿や便で体外に出されず、痛みが生じるのです。

プリン体を分解する働きをするのは肝臓の役目。肝臓が弱っていると、レバーを過剰に食べたわけではなくても発症することがあります。特に尿酸値が高い人は痛風発症リスクが高くなっているので気を付けましょう。

ビタミンAの中毒症状

レバーの食べ過ぎによって起こる症状のひとつに、ビタミンAの中毒症状があります。急性の中毒症状が起こった場合は腹痛や嘔吐、めまい、全身の皮膚が薄くはがれるなどの症状が現れるのが特徴です。レバーを一気に食べたときに起こりやすい傾向にあります。

また慢性のビタミンA中毒になっているときは、全身の関節や骨の痛み、皮膚の乾燥、脱毛、食欲不振などの症状が現れるはずです。慢性中毒になるのは、1日のビタミンAの摂取量が7,500マイクログラムを超えている場合です。通常の食事であれば発症することはありません。

レバー嫌いなら鉄分はハツを食べて代用

レバーにはクセがあります。新鮮なものであるほど生臭さは軽減されるものの、肝臓系の味やニオイはどれだけ調理をしてもある程度は残るでしょう。健康や美容のためにレバーを食べたくても、味やニオイが苦手なら継続して食べるのは難しいかもしれません。

このときレバーの代わりになるのが、鶏の心臓部分のハツです。レバーと同じく臓物系でありながら、そこまでニオイや味にクセはありません。レバーと同じように豊富な栄養分を摂取することができ、貧血予防効果もきちんと期待されます。

まとめ

レバーには豊富な栄養分が含まれており、肉類の中でも特に健康や美容の観点から人気を集めています。

牛、豚、鶏のレバーが一般的には食べられていますが、それぞれ栄養分や味は異なるもの。ヘルシーなレバーなら鶏、栄養価なら豚のように、目的に応じて食べ分けると良いでしょう。ただし食べ過ぎは副作用のリスクもあるので気を付けてください。