山椒の健康効果!小粒でもピリリと辛い薬味に隠れた魅力

焼き物や煮物料理の彩りとして添えられるのが山椒です。吸い口としても使用され、花を漬けた花山椒も同じく料理の彩として使われます。

山椒にはじつは優れた健康効果があるといわれています。今回は山椒が持つ健康効果や、薬味としての魅力について見てみましょう。

山椒とは?

日本・朝鮮半島で採れる実

山椒はその名のとおり、サンショウという植物から採れる実を乾燥させ、粉状にしたものです。古くから日本で使用されてきたスパイスのひとつで、縄文時代の遺跡から発見されるほどの長い歴史があります。日本や朝鮮半島で多く採れ、七味唐辛子の具としても使用されています。意識せずとも、どこかで摂取したことがある身近な食材でしょう。

山椒と味が似ているものに花山椒がありますが、こちらは辛味が出やすいのが特徴です。混合されることも多いですが、異なった種類の樹木から採れる点でも違いがあります。しかし、いずれもさまざまな料理のスパイスとして重宝されています。

ピリっとした辛さや独特の香りが特徴の薬味

山椒の味の特徴は、辛さとその独特な香りです。口に入れるとしびれるような辛さがあり、それと同時に鼻を突きぬけていくような爽やかな香りが広がります。食べ物に入れることで、食材のニオイ消しとして役立てることも可能です。

もともと山椒は味を楽しむというよりも、食材が持つ独特なニオイを緩和するために使用されてきた歴史があります。また、山椒の産地によって味が微妙に変わってきます。朝鮮半島で取れる山椒のほうが、日本で採れるものよりも辛さや独特の香りが強いです。

山椒の栄養素と効果

サンショール:肩こりや神経痛に効果

山椒を口に入れると感じる辛味は、山椒に含有されているサンショールという成分によるものです。サンショールは辛味成分であるのと同時に、発汗や代謝を促す働きもあります。代謝が向上することで血液の流れが改善されるため、神経痛や肩こりの症状などにも一定の効果が期待されています。

またサンショールが持つ代謝機能への効果は、体温を上げるのにも役立つ働きです。体温が上がると免疫機能もアップします。山椒は風邪予防に効果があるといわれていますが、この効果こそ代謝機能による免疫機能アップによるものです。

シトロネラール:食欲増進や消化促進

山椒は独特の香りが魅力ですが、この香りの元になっているのがシトロネラールです。この成分には食欲増進効果があり、食欲不振の改善に役立つとされています。料理に山椒が使われるのは、食欲を促すことを目的にしている場合も少なくありません。

また、シトロネラールには消化促進の効果も期待されます。消化を促す働きによって胃腸にかかる負担を軽減するほか、強い抗菌作用があるため、食中道のリスクを下げるのにも役立つでしょう。夏場のように気温が高い時期に出される料理に山椒が含まれているのは、食中毒のリスクを考えての場合もあります。

ビタミンA:疲れ目対策や免疫力アップ

ビタミンAはレチノール、レチナール、レチノイン酸のことで、脂溶性のビタミンに分類されるビタミンです。植物に含有されているβカロテンは、摂取することで小腸上の細胞でビタミンAに変換されます。これらのビタミンAは体に欠かせない成分ですが、食生活が乱れていると摂取不足になってしまいがちです。

ビタミンAがもたらす効果として、疲れ目対策や免疫力アップなどがあります。視細胞の光刺激に関係している、ロドプシンの物質を合成するためにも必要な成分です。山椒を摂取することで免疫力アップの効果が見込まれるのは、このビタミンAの働きも大きくあります。

カリウム:老廃物の排出

カリウムは成人の体内に200gほど存在している成分で、多くは細胞内にあります。カリウムは細胞外液にあるナトリウムと相互作用しながら、細胞の浸透圧の調整をしているのが特徴です。水分を保持する点において重要な役割を果たしており、塩分を摂り過ぎている人にはカリウムの摂取が推奨されています。

カリウムが不足すると脱力感や筋力低下、食欲不振、骨格筋の麻痺などが生じます。カリウム不足にならないためにも日頃から意識的に摂取する必要があるでしょう。山椒にも多くのカリウムが配合されており、老廃物の排出に寄与しています。塩分の多い食事に山椒が含まれているのは、ナトリウムの排出も関係しています。

セレン:抗酸化作用

セレンはミネラルの一種で、セレニウムとも呼ばれています。山椒にも多く含まれる成分のひとつで、体内にはもともと10~13mgしか存在していません。タンパク質と結合し、体に吸収されやすいのがセレンの特徴です。グルタチオンペルオキシダーゼという酵素を構成するための成分でもあります。

この成分の特筆すべき点は、強い抗酸化作用。抗酸化作用とは、細胞が酸化して老化が進行するのを防ぐ働きをいいます。見た目の老化を防ぐだけでなく、ガンなど病気のリスクを低下させる効果も報告されました。有害物質によって発生する毒性を軽減する働きもあります。

ナイアシン:皮膚の健康を保つ


ナイアシンはナイアシンアミドとナイアシンの総称で、ビタミンB3と呼ばれるビタミンB群の仲間です。ナイアシンは体内で、必須アミノ酸から生成されるのが特徴となります。耐熱性に優れており、熱を通す料理でも成分が失われません。山椒にも多く含有されており、温かい料理に山椒を使ってもナイアシンを摂取することができます。

ナイアシンは全身で500種類の酵素の補酵素として働き、皮膚の健康をキープする働きをします。またエネルギー作りや脂質・糖質の分解、皮膚や粘膜の炎症を防ぐ効果も期待できるなど、体を健やかに保つためには必要不可欠な成分です。

山椒を使った定番メニュー

うな重

山椒がよく使用される料理といえば、うな重を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。うな重に山椒をかけたのは室町時代からといわれており、古くからこの組み合わせは受け継がれてきています。現代でもうな重を提供している料理屋さんに行くと、山椒をプラスできるようになっているお店がほとんどです。

山椒がうな重に使用されるようになったのは、うなぎの独特なニオイを消すことが目的でした。味付けの濃いタレで調理を行いますが、川魚ということもありどうしても泥臭さなどが残ってしまいます。このとき山椒をかけることによって、うなぎが持つ独特なニオイを軽減することが可能です。

麻婆豆腐

山椒が多く使用されている料理といえば麻婆豆腐です。中華料理店の麻婆豆腐には必ずといっていいほど山椒が含まれており、料理の辛さを引き立てています。麻婆豆腐は四川料理のひとつで、日本でも昔から愛されてきました。

ただし本場中国と日本の麻婆豆腐には味の違いがあります。これは中国の麻婆豆腐には花椒を使用し、日本では麻婆豆腐の辛さをおさえるために山椒を抜いて作るケースもあるという点です。

麻婆豆腐に山椒を入れるのは麻婆豆腐の辛さを増すため。もともと麻婆豆腐は辛いことが前提の料理なので、山椒以外にもさまざまなスパイスが含まれていることが特徴です。

ちりめん山椒のおにぎり

ちりめん山椒はおにぎりの人気具材のひとつで、大手コンビニでもトップクラスの人気を得ています。ちりめんじゃこと山椒と煮詰めて作られるもので、ちりめんの食感と山椒のスパイスがいい具合にマッチして食欲を引き立てます。

ちりめん山椒おにぎりのメリットは、何といっても高い栄養価です。ちりめんにはカルシウムやビタミンなどの栄養分が豊富に含まれており、山椒の栄養価との相乗効果で高い健康効果が期待できます。ちりめんと山椒がセットになっている食品も販売されているので、自宅でも気軽に作ることが可能です。

まとめ

スパイスのひとつである山椒は爽やかな辛味や香りが魅力です。そのまま食べるよりも料理に使ったほうが食べやすく、うなぎ料理や麻婆豆腐、おにぎりなど、さまざまな料理に合います。健康効果も高いので、辛いものが好きであればいろいろな料理に使ってみるのも良いでしょう。