足首の痛みの原因
足首が痛む主な原因は、歩きすぎ・立ちっぱなしなど足を酷使しすぎることです。順番に解説していきましょう。
歩き疲れ
私たちが足首と呼んでいる場所は、医学的に「足関節」と呼ばれており、7つの足根骨と脛骨、そして腓骨の9個の骨から構成されています。足関節の周囲にはたくさんの靭帯があるため、構造上、衝撃や負担には強いです。ただ、歩きすぎたり過度の衝撃が加わったりすると、関節や靭帯にダメージがたまり、痛みが生じます。
特に歩き疲れによる痛みを感じやすいのは、捻挫がクセになってしまっている人です。足首を内側にねじってしまうと、腓骨と距骨を結ぶ前距腓靭帯が急激に伸ばされ、距腿関節に亜脱臼が生じます。この亜脱臼は一瞬で元に戻るのですが、前距腓靭帯が伸ばされると距腿関節の結合が緩くなり、捻挫を再発しやすくなるのです。
その状態で長時間歩くと、関節がしっかりしている人にくらべて、足首に衝撃がかかりやすくなります。そのため足首に痛みが生じるというわけです。
また足首にある踵骨(しょうこつ)にはアキレス腱が付着しています。アキレス腱は腓腹筋が腱に移行したものなので、歩き疲れて腓腹筋がパンパンに張るとアキレス腱が踵骨を引っ張り、やはり足首の痛みが出やすいでしょう。
長時間の立ち仕事
長時間の立ち仕事も足首の痛みの原因となります。まっすぐに立っているのは意外と難しいもの。どうしても左右のどちらかに体重をかけることとなるため、体重がかかった方の足首を痛めやすいでしょう。
また、立ち仕事で足を酷使したことで血流が悪化し、むくみから痛みや腫れが出ることもあります。この場合は温めて血流を促してあげましょう。
歩き疲れが原因の足首の痛みに効果的なツボ
原因ごとに、痛みの改善効果が期待できるツボを紹介していきましょう。まずは、歩き疲れが原因で足首が痛くなる場合におすすめのツボです。
足三里
足三里(あしさんり)は、昔から歩き疲れに効果があるといわれているツボ。松尾芭蕉の「奥の細道」にも登場しています。
足三里には、歩きすぎて疲れた足を癒す効果が期待できるだけでなく、膝の痛みや胃腸の不調の改善効果もあるとされています。
承山
腰痛のツボとして知られる承山(しょうざん)は、歩き疲れを解消するのに効果的といわれています。
解剖学的に見ると、承山は腓腹筋がアキレス腱に移行する場所。承山のツボ押しをすると下腿の血行を促進できるため、疲労回復が期待できるのです。
湧泉
湧泉(ゆうせん)は足の裏にある唯一のツボです。
また、歩き疲れを解消するほか、首のこりを解消して頭をスッキリさせる、足の冷えを解消するといった効果も期待できます。
長時間の立ち仕事による足首の痛みに効果的なツボ
長時間の立ち仕事が原因で起こる足首の痛みに効くとされているツボを紹介します。足のむくみを改善する効果も期待できるでしょう。
太谿
立ち仕事による足の疲れを解消するほか、喉の痛みや全身の冷え、下半身のむくみを改善する効果が期待できます。
解谿
解谿(かいけい)のツボには、足首の痛みや顔のむくみを改善したりする効果が期待できます。
ツボを押すときは、まずつま先をすねの方へ向かって曲げましょう。そのときに現れる3本の太い腱のうち、親指側から2本目と3本目の腱の間に解谿のツボがあります。
わかりにくければ、内くるぶしと外くるぶしの中間点と覚えてください。足と反対側の親指の腹で、気持ちよく刺激しましょう。
豊隆
豊隆はふくらはぎのむくみを解消して足首の痛み緩和が期待できるほか、胃痛や胃もたれを解消するツボとしても知られています。
その他足の痛みにおすすめのツボ
そのほかにも、足の痛み改善が期待できるツボはたくさんあります。一部を紹介します。
崑崙
足の痛みだけでなく、ぎっくり腰の症状の緩和、鼻水・鼻づまりの緩和効果もあるといわれています。
陽陵泉
陽陵泉(ようりょうせん)は、足の痛みや腰痛の改善が期待できるツボ。内臓のはたらきを活発にして、体内にたまった疲れを緩和するといわれています。
委中
解剖学的に見ると、委中のツボは腓腹筋のスタート地点に当たります。委中を刺激することで腓腹筋の緊張を緩和できるので、足の疲れや冷えを解消できると考えられています。
百会
「百」には「多種、多くの」という意味が、「会」には「交わる」という意味があります。足首の痛みだけでなく、頭痛やめまい、耳鳴りや鼻づまり、胃腸の不調や不眠など、全身のさまざまな不調を解消する効果が期待できる万能のツボとして有名です。
まとめ
足首が痛むといっても、適したツボは痛みの原因によって変わります。まずはなぜ自分の足首が痛むのか、その原因を振り返ってみましょう。
ツボを押すときは「気持ちいい」と感じる程度の強さに調整してください。痛いほど強く押すのはNGです。また、あまりにも痛みが長く続く場合は、病院や整形外科を受診するようにしましょう。