肩こりが起きてしまう原因
まずは肩こりが起きてしまう根本的な原因を知っておきましょう。できれば肩こりが起きる前に予防するのが一番です。原因に心当たりがないか、チェックしてみてください。
スマホのやりすぎ
スマホを見るときは、必然的に顔を下へと傾けることになります。頭は体重の10分の1程度の重さがあるとされており、長い時間うつむいてスマホを見ていると、首や肩に多大な負担がかかってしまうのです。
最近は電車に乗っても、多くの人がスマホの画面に目を落としています。動画やSNSなど、長時間スマホをさわることが多い人は肩がこりやすいと言えるでしょう。
運動不足
運動不足で肩こりになるのは、運動しない生活や筋力低下によって血のめぐりが悪くなることが主な要因です。
筋肉は、全身の血液を心臓へと送り戻すことも重要な役目の1つ。筋力が低下すると血液を心臓へと送り返す力が弱まり、全身の血液循環が滞ってしまうのです。肩への血液循環が滞ると肩こりのリスクが上がります。
また、筋肉には体温を発する働きもあります。筋力低下によって体温を発しにくくなると、身体が冷えてやはり肩こりのリスクが上がるでしょう。
まくらが合っていない
首のアーチがなくなってしまったストレートネックの人は、まくらが合わずに肩や首に負担がかけ、肩こりを引き起こしやすいです。
首の骨(頸椎)は7つあり、本来はゆるやかなカーブを描いています。しかし、パソコンやスマホの見すぎで顔が前に倒れた状態が続くと、徐々にこのアーチがなくなりまっすぐに並んでしまうのです。
ストレートネックになると、まくらに頭を乗せたときに首とまくら、および首と布団の間に隙間ができます。一晩中首や肩に負担がかかってしまうため、肩がこりやすくなるでしょう。
肩こりを訴えて病院や整形外科を受診するとレントゲンを撮るのが一般的ですが、肩こりを持っている多くの人に頸椎アーチの消失が見られるそうです。
肩こりや身体の諸症状を緩和するツボ
肩こりの原因について知ってもらったところで、肩こりを緩和するツボを7つ紹介します。肩こりだけでなく、身体の諸症状にも効果が期待できるツボが多いので、症状にあわせて試してみてください。
天宗:腰痛も緩和
天宗(てんそう)のツボは肩こりと腰痛を緩和する効果が期待できます。
棘下筋は、棘上筋(きょくじょうきん)、肩甲下筋(けんこうかきん)、小円筋(しょうえんきん)とともに「回旋筋腱板(ローテーターカフ)」を構成しています。これらの筋肉が凝り固まってしまうと、腕を上に上げるのが困難になってしまうため、ツボ押しや運動などでほぐれた状態を保っておくことが大切です。
肩中兪:慢性的な肩こりの解消
東洋医学の世界において、肩中兪(けんちゅうゆ)は次に紹介する肩外兪(けんがいゆ)と並ぶ、肩こり改善効果が期待できる有名なツボです。
特に肩中兪には、肩こりを解消する効果のほか、咳を抑える効果も期待されています。
肩外兪:つらい肩こりを解消
肩外兪も、肩こり解消で知られるツボです。がんこな肩こりを改善する効果が期待でき、なかでも姿勢の悪さからくるこりによく効くと言われています。
臀臑:肩の痛みを解消
肩パッドのように肩を覆っている筋肉を三角筋と言います。
臀臑(ひじゅ)は三角筋の先端、やや内側にあるツボです。
臀臑のツボを刺激する際は、反対側の手の人差し指と中指を使います。臀臑のツボを刺激しながら首をゆっくり回すと、さらに肩こり解消効果が期待できるでしょう。
肩井:四十肩や五十肩の改善
東洋医学の世界では、肩井(けんせい)も肩こり解消のツボとしてよく知られています。
肩中兪と同様、手が届きやすい部分にありこりがわかりやすいため、肩が重いときに無意識に手が行くこともあるでしょう。
ただし、肩井は難産のツボでもあるため、妊婦さんは避けておいたほうが安心でしょう。
合谷:肩こりや首のこりを解消
合谷(ごうこく)はさまざまな症状に効くとされる万能のツボです。肩こり解消のほか、頭痛や眼精疲労、鼻痛の改善も期待できるでしょう。
百会:肩こりや頭痛の緩和
百は「たくさん」、会には「まじわる」という意味があることから、こちらも合谷と同様にさまざまな効果が期待できるツボです。肩こりのほかに、頭痛や頭重感、耳鳴りやめまいなどに困っている人も試してみる価値があるでしょう。
肩こりを改善させるツボ押しグッズ
今回紹介したツボのなかには、天宗のように自分ではなかなか押しづらいツボもあります。一人でも気軽にツボ押しができる、便利なアイテムを紹介しましょう。
アテックス(ATEX) 指圧器 ルルド グリグリ ブラック
先端が指のような形になっていて、ほど良い力加減で気持ち良くツボを刺激してくれます。昭和40年の発売から半世紀以上にわたって売れ続けているベストセラー商品です。ほかのツボ押しグッズとくらべて安価なのも人気の理由でしょう。グリップはスポンジがついているので、しっかり握ってツボを刺激できます。
AKAISHI AKAISHI くび・かた・せなかンボー
この商品の特徴は、3点指圧と1点指圧の2通りの使い方があることです。首や肩は3点指圧で、背中は1点指圧で、効率よく刺激できます。
グリップには2つのコブがついていて、微妙な力加減のコントロールも可能です。素材に適度な弾力があることもあり、痛くなりづらく気持ち良いと評判です。日本製というのも安心できるポイントでしょう。
まとめ
東洋医学では「肩こりは万病のもと」などと言われており、さまざまな不調を招くリスクファクター(危険因子)と考えられています。たかが肩こりと放置することなく、不調を招く前にセルフケアしましょう。紹介したグッズを参考に、生活習慣の改善やツボ押しに挑戦してみてください。