胃腸の働きが悪くなる原因
胃腸の調子が悪くなる原因は、主に自律神経の乱れやストレス、食習慣の乱れだと考えられています。
胃腸の働きが悪くなる原因について詳しく見ていきましょう。
自律神経の乱れ
胃腸の働きが悪くなる最大の原因として、自律神経の乱れがあげられます。体温の調節をしたり、食べたものの消化や吸収をしたりするなどの働きは、すべて自律神経の活動によるものです。
自律神経は交感神経と副交感神経の2つから成っており、それぞれがバランスを取ることによって、私たちの生命活動を支えています。
そのため、自律神経のバランスが乱れてしまうと胃腸の機能が低下し、消化や吸収が滞ってしまうと言われています。
ストレス
ストレスも胃腸の働きを悪くする原因として知られています。ストレス状態が続いてしまうと、お腹が痛くなったり胃がもたれてしまったりする人もいるでしょう。
現代はストレス社会と言われており、仕事上の悩みや人間関係など多くの人がストレスを抱えています。ストレスは心だけでなく、睡眠不足や頭痛など身体にも影響を及ぼすこともあり、胃腸の働きも悪くなってしまうのです。
食生活の乱れ
食生活の乱れも胃腸の働きを悪くする原因と言われています。現代人の食生活は、高度経済成長期以降、欧米化してきています。脂肪分を多くふくむ食品や、カロリーの高い食品を食べる機会が増えています。
もともと日本人は玄米と魚を中心に、野菜やキノコ、海藻などをバランスよく摂取していました。しかし、食習慣が変化したことによって胃腸の機能がついていけなくなったのです。
忙しさから毎日三食きちんと食べなかったり、ダイエットのために栄養の偏った食事をとったりする方も少なくありません。最近はコンビニやファーストフード店も多く、偏った食生活を続けてしまうと胃腸にダメージを与えてしまう恐れがあります。
胃を元気にするツボ6選
自律神経の乱れやストレス、食生活の乱れなど胃腸の働きを悪くする原因はさまざまです。
ここでは、胃を元気にするツボを6つ紹介します。頭痛や肩こりに効果が期待できるツボもあるので、ぜひ覚えてくださいね。
脾兪
脾兪(ひゆ)は、胃腸の不調を改善するのに効果的なツボとして知られています。脾兪は11番目の胸椎と12番目の胸椎の間から、指の幅2本分外側にいった場所に位置しています。
脾兪のツボは胃腸の調子を整えてくれるだけでなく、全身の倦怠感や肩こりに加え、便秘や下痢など排便障害の改善効果も期待されているのです。
肝兪
肝兪(かんゆ)のツボは、脾兪のツボから指の幅2本分上に移動した場所にあります。
肝兪にも、胃腸の働きを正常化させる働きがあり、イライラを鎮め、怒りを鎮静化する働きもあると言われています。また、ストレスを解消するのにも効果が期待できるようです。
足の三里
足の三里は足にある万能のツボで、胃腸の不調や食欲不振に対して有効とされています。足の三里は、膝の外側のくぼみに人差し指を当てて指を揃えたとき、小指が当たる位置にあります。
また、足の三里には胃腸の調子を整える以外に、足のむくみや、身体の疲れの解消にも効くと言われています。
合谷
合谷は(ごうこく)は、手にある万能のツボです。胃腸の調子を整えるだけでなく、頭痛や肩こりの改善効果や、目・鼻・耳などの痛みを抑える働きが期待できます。
合谷は手の甲を自分側に向け、親指の骨と人差し指の骨が交わる部分にあります。反対側の親指で、手の中心部に向かって押しましょう。
中脘
中脘(ちゅうかん)には呼吸を深くして、胃腸の機能を整える効果が期待できます。このほかにも動悸や息切れの改善にも有効とされています。
指をそろえた状態で小指をおへその上に当てたとき、親指があたる場所が中脘です。ツボ押しだけでなく、お風呂や蒸しタオルで温めても良いでしょう。
巨闕
巨闕(こけつ)のツボには、胃腸の調子を整えて、胸やけを鎮める効果が期待できます。場所は胸骨の下端から指の幅3本分下がったところ、みぞおちの上部となっています。
巨闕のツボには、胃腸の調子を整える働きがあるだけでなく、イライラを鎮めて、気持ちを落ち着かせる効果も期待できます。
胃の元気を取り戻す食生活
胃腸を元気にするツボを紹介しましたが、ツボ押しだけでは胃腸を改善するのに足りません。
そこで次に、胃の元気を取り戻す食生活について見ていきましょう。
腹八分目を心がけること
胃の元気を取り戻すためには、腹八分目を心がけましょう。昔から「腹八分目に医者いらず」などと言われるように、食べすぎは胃腸に大きな負担をかけてしまいます。
最近では腹六分目を推奨する医師もいますが、自分の胃腸の強さや年齢を踏まえて、自分に最適な食事量を見つけることが重要です。
冷たい物ばかりを食べないこと
胃腸に限った話ではありませんが、冷えてよいことはなにもありません。冷えると血液の循環が悪くなり、栄養状態が低下し、回復機能が衰えることがあります。
胃腸が冷えて血行不良となると、消化や吸収も滞ってしまう恐れがあります。
脂肪分が少ない食事を選ぶこと
胃の元気を取り戻すためには、脂肪分が少ない食事にすることも重要です。脂肪分の多い食事ばかり摂取していると血行が悪くなってしまうことがあります。
また、脂肪分を摂取すること自体が、胃のもたれを招いてしまうことにもつながりかねません。
食物繊維の少ない食べ物を選ぶこと
胃腸には食物繊維がよいイメージを持っている人もいるでしょうが、胃腸の機能が低下しているときには考えものです。
特に腸管内に硬い便が詰まっているときに食物繊維を摂取すると、さらに便秘が悪化してしまう恐れがあります。胃が元気になるまでは、食物繊維を控えめにしておきましょう。
まとめ
胃腸の機能は、自律神経のバランスが乱れたり、ストレス状態が続いたりすることで低下してしまいます。また、日々の食事も私たちの胃腸にさまざまな影響を与えます。
胃腸の調子が気になるときには、今回紹介したツボを刺激して、胃腸の働きをサポートしてあげましょう。もちろん、胃腸に負担をかけない食生活も大事ですよ。