器用貧乏とは?
そつなく何でもこなせるが、一つのジャンルを極められないことを器用貧乏といいます。器用貧乏の意味について説明します。
何でもこなすが、ひとつのことを極められない
器用貧乏の方というのは器用な方のことです。どのようなことでも、問題なくこなすことができるのです。普通の人よりも上達が早くて、初めてのことであっても、様になっていることが多いでしょう。しかし、器用貧乏の方というのは、ある程度のレベルまで達しても、そこから上にいけない人のことです。とことん一つのことを極められないタイプなのです。
何か特定の分野にずっとこだわっているというわけではなく、さまざまなものに興味を持って挑戦している方が多いでしょう。
大成しないという意味で用いられる
器用貧乏というのは、貧乏という言葉が使われていることからも分かるように基本的にマイナスの意味です。せっかく器用なのにそれを上手く活かすことができず大成できないというニュアンスがあるのです。その分野において大成功を収めることができないという意味で使われるでしょう。
自虐して器用貧乏と評する人もいれば、他人のことを揶揄するために器用貧乏が使われることもあります。器用貧乏と言われた人は、あまりよい気分はしないでしょう。
器用貧乏な人の特徴
好き嫌いが少なく特定のものに執着することのないタイプが多いでしょう。そんな器用貧乏な人の特徴について紹介します。
物事に好き嫌いが少ない
さまざまなことに興味関心を持つことができるのが器用貧乏な人です。だからこそ、いろいろな分野でそこそこの実力を発揮することができるのです。物事に対して好き嫌いは少なく、どんなことでも取り組むことができるでしょう。
ひとつのことに執着しない
特定の分野にとことんこだわるというタイプではありません。物事にあまり執着するタイプではないのです。飽きっぽい部分もあるのでしょう。そのため一つのことをしていても、しばらくするとすぐに次のことに目が移ってしまうのです。周りからすると節操が無いと思われるかもしれません。基本的に多趣味な方が多いのです。
何でも要領よくこなせる
どのようなことであっても、スムーズにこなしていくことができ、要領の良いタイプなのです。どんな分野であっても、すぐにコツを掴み少し教えてもらえれば、自分でその対象のポイントをすぐに把握して、作業を進めていけるのです。本当に初心者なのかと周りが驚くほどすぐに順応できるでしょう。
頭の回転が速い
器用貧乏な方というのは頭が良いのです。しっかりと頭を働かせることができるため、これによってどんな分野であっても、それなりにできるのです。頭の回転そのものが優れているため、それを利用して器用さを発揮しているのでしょう。
勝ち負けにこだわらない
一つのことに執着できないのは、勝ち負けにあまりこだわらず闘争心が低いからでしょう。他人に負けずに頑張ろうという気持ちが薄いため、一つのことにとことんこだわることがないのです。ある程度の成果を出したり、ある程度のレベルまで達すれば、そこで満足してしまうのです。そこからもっと高いレベルを目指すモチベーションが、なかなか沸かないのでしょう。
絶対にこの分野では誰にも負けたくないという気持ちを持つことがなく、無理をしてでも頑張ったり、すべての時間をその対象に注ぎこむということがありません。
極める前に満足してしまう
何かを極めるためには他のものを犠牲にしなければいけません。特別な努力をしなければならず、時間も才能も必要となるでしょう。このように極めるという行為はとても苦しいものであり、やる気がなければできません。そのようなやる気が湧いてこないのが器用貧乏の方です。
そこまで極めなくても良いと考えるのが器用貧乏の人でしょう。途中で満足してしまい、そのあとは別のことを始めてしまうのです。失敗する経験がそもそも少ないため、悔しいという気持ちが湧くこともないのです。そのため、モチベーションが高いレベルに達しにくいでしょう。
人から頼まれごとをされやすい
他人から何かを頼まれると、すぐにそれを引き受けてしまうことが多いです。こういう方というのは、一つのことに集中できないでしょう。自分のことよりも他人のことを優先してしまう方が多いです。自分の意志で何をするのか決めることにあまりこだわっていないのです。成り行きでいろいろなことに挑戦して、それぞれで器用さを発揮できるでしょう。
器用貧乏は短所なの?
器用貧乏というのは周囲にとってはメリットがあったり、それが求められることもあります。本当に器用貧乏が短所なのかを見てみましょう。
自分は損してしまうことが多い
器用貧乏な人というのは、何かをしていてもそれを極められず誰かに負けることもあるでしょう。仕事をしていたとしても、どんな分野もまあまあの結果を出すことができますが、1位になることができないのです。この点では損をしてしまうことが多いでしょう。
周囲の人にはメリットを与えることも
器用貧乏な人というのは、苦手な分野がありません。そのため、周囲の人にとってはとても助かる存在となるでしょう。たとえば特定の分野を苦手としている方は、あなたに助けを求めるでしょう。スペシャリストとしてではなくて、ゼネラリストとして組織の中で大きく貢献できるのです。
仕事によっては器用貧乏なスキルが求められる
仕事というのはチームで進めていくことになります。チームには特定の分野の専門家が必要とされます。それだけではなくて、さまざまな分野に精通していて、広い視点を持っている人も求められるでしょう。器用貧乏だからこそできる提案や考え方があるのです。
器用貧乏を長所にするには
フットワークの軽さを生かしたり、広い視点を持つことによって、メリットが生まれるでしょう。器用貧乏を長所にするための方法を紹介します。
フットワークの軽さを生かす
器用貧乏な方というのはどのようなことに対してもスムーズに取り組むことができます。そんな好き嫌いやこだわることのないフットワークの軽さというのは大きなメリットとなるでしょう。このメリットを活かすことによって、仕事で大きく役に立つのです。新しい分野に挑戦する際には、あなたがそれに取り組むことで貢献できるでしょう。
目標を設定する
器用貧乏な方というのは特に意識をせずに行動することが多いです。それでもできてしまう器用さがあるのです。しかし、無計画に行動してしまうため、目標を設定するということがありません。これではその分野についてなかなか極めることができないでしょう。目標を設定して、それに達するための努力をすることで、高いレベルに達するのです。
気持ちの切り替えをすばやくする
器用貧乏な方というのは、何事にもこだわることがありません。こういう方は気持ちの切り替えを素早くする素質があるでしょう。これを実践することによって、どのような状況でも冷静に行動することができるのです。気持ちの切り替えができるというのは、たとえばトラブル時にとても役に立ち、そしてあなたは頼りにされるでしょう。
2番手ポジションになる
器用貧乏な方は最初から1番手を目指すべきではありません。1番になる才能はないのです。しかし、2番手までであれば簡単になることができるでしょう。その才能は持っているのです。特定の分野で1番になれないならば、いろいろな分野でそれなりの成果を出すのです。そうすれば2番手としての価値を認めてもらえるでしょう。
広い視点を心がける
いろいろな分野に興味を持てるのは大きな長所となり、どんなことに対しても苦手意識を持つことがないのです。そのため偏見を持つことがなく、素直な目で見ることができるでしょう。このような方は広い視点を持つことができ、これは誰にでもあるものではないです。広い視点を心がけることで、これが長所となるでしょう。
状況に応じた臨機応変な対応を
さまざまな選択肢を持っているのが器用貧乏な方の特徴です。どのような状況であっても、最適な選択肢を実践できるのです。臨機応変な対応ができる人というのは、スムーズに仕事を進められるでしょう。トラブルが起きたとしても、すぐに問題を解決することができるのです。このような方がいれば、助かる組織はたくさんあるでしょう。
器用貧乏な人に向いている仕事
器用貧乏な人が重宝される仕事は総務やカウンセラーなどがあります。どういう仕事が器用貧乏の人に向いているのか紹介します。
コンサルタント
コンサルタントというのは、さまざまな業界の会社に対してアドバイスをするという仕事です。したがって、いろいろな業界の知識や考え方を熟知していることが求められるでしょう。幅広い分野に興味関心があり、すぐにその分野の大事なことを理解できる人は重宝されます。器用貧乏な方はコンサルタントになることによって、臨機応変に仕事ができるでしょう。
コンサルタントのサービスを望んでいる企業というのはそれぞれ問題を抱えています。どのような問題に対しても、適切な解決策を提案できるのです。
営業事務
器用貧乏を活かすならば、いっそのことアシスタント的な役割に徹するという方法もあるでしょう。営業事務というのは、営業の仕事をサポートする役割となっています。たとえばスケジュールの管理をしたり、電話対応をしたり、受け付けをするといった仕事があるのです。幅広い役割をこなすことが求められるため、営業事務の仕事は器用貧乏の方に最適でしょう。
総務
総務とは書類を用意したり、来客に応対したり、電話対応をするといった仕事をします。何でも屋としてさまざまな仕事に取り組むことができるのです。これは器用貧乏にとても合った仕事内容といえるでしょう。スムーズに複数の仕事をこなしていくことが求められます。
カウンセラー
カウンセリングでは、さまざまな人と関わることになり、それぞれの事情は異なっています。異なるアプローチでカウンセリングをすることが求められ、柔軟な発想ができて、広い視野を持っていることが大切です。器用貧乏の方であれば、カウンセリングの仕事をきちんとこなせるでしょう。
マーケッター
マーケティングというのは市場の動向をチェックして、消費者の求めるものを探るというものです。これからどのような商品やサービスに需要があるのかを考えることになります。さまざまな分野が関わるものであり、幅広い視点を持って市場を調査して、研究しなければいけません。これは器用貧乏な人だからこそ可能な仕事といえるでしょう。
どうしても器用貧乏から変わりたい人は
ハングリー精神を持ったり、無理なことにも挑戦することが大切です。器用貧乏から脱却するための方法について紹介します。
ハングリーになる
器用貧乏の方はどこか冷めている方が多いです。がむしゃらに頑張るということができないのです。そのようなことをしなくても、そつなくこなせてしまうのが器用貧乏の欠点です。そんな欠点を解消するためには、ハングリー精神を持つようにしましょう。
得意なことを伸ばす
自分の得意なものがあるならば、それをどんどん伸ばすと良いでしょう。得意なものがあっても、あまり努力をしないのが器用貧乏です。だからこそ一つの分野についてトップに立つことができないのです。自分が本当に得意としているところは、それを延ばすための工夫をしましょう。
続けられることを探す
すぐに別のものに手を出してしまうのが器用貧乏の方の悪い癖となっています。継続してできることをまずは見つけてください。そして、それをできるだけ長期間続けていくのです。そうすることによって、その分野を極めることができるのです。
時間をかけないでもある程度のレベルに達するのが器用貧乏な人です。しかし、そのレベルで満足してしまうからこそ、器用貧乏で終わってしまうでしょう。器用貧乏を抜け出したいならば、レベルが上がらない状態からもずっと続けていくことが大切です。
できないことにも挑戦する
自分ができないことがあった場合に、器用貧乏の方はすぐに諦める傾向にあります。これ以上努力をしても、それができるようにならないと判断してしまうのです。しかし、そのような判断をするのは早計でしょう。実際には努力しだいでもっと高いレベルになるかもしれないのです。
できないことがあっても、それにどんどん挑戦していきましょう。難しいことに挑戦するからこそより高いレベルに成長できるのです。その楽しさを覚えると良いでしょう。
まとめ
あまりこだわりがなくて勝ち負けも気にせず一つのことに執着しないのが器用貧乏な方です。コンサルタントやカウンセラーの仕事が向いているでしょう。器用貧乏を変えたいならば、こちらを参考にして努力を継続しましょう。