便秘を予防するための食事のコツ
便秘の人は、腸内フローラのバランスが崩れて、腸の機能が低下し、ぜん動運動が弱まっている可能性が高いです。腸内環境を整えて、便を軟らかくして身体の外に出しやすくするために、下記のような食事を心がけましょう。
- 善玉菌を増やす発酵食品を食べる
- 食物繊維を十分に摂る
- 水分をしっかり摂る
- 適度な油脂を摂る
- 1日3食しっかり食べる
善玉菌を増やす発酵食品を食べる

画像①
腸内フローラは主に善玉菌と悪玉菌のバランスで成り立っていますが、便秘の人の腸内は悪玉菌優位の状態で腸内環境が悪くなっていることが多いです。乳酸菌やビフィズス菌を含む食品を摂ることで、腸内の善玉菌を増やしましょう。おすすめは、ヨーグルトや乳酸菌飲料、納豆、味噌、キムチなどの発酵食品です。善玉菌のエサとなるオリゴ糖を一緒に取るとより効果的だそうです。
乳酸菌やビフィズス菌には、生きて腸まで届く「生菌」と、加熱殺菌された「死菌」という2つの種類があるそうなのですが、こだわる必要はありません。死菌でも同じように腸を元気にしてくれます。それよりも、自分に合った菌を幅広く取り入れることを意識するほうが効果を実感できると思います。納豆なら1パック、ヨーグルトなら100~200g程度を1日の摂取目安にすると良いでしょう。
食物繊維を十分に摂る

画像③
食物繊維は水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類があり、それぞれ含まれる食品が異なります。
水溶性食物繊維は、腸内の便と混ざりあってゼリー状に軟らかくなるので、排出時の負担が減りやすくなると言われており、また善玉菌のエサになりやすいとも言われています。
多く含まれる食品は、こんにゃくや海藻、りんご、バナナ、オレンジなどの果物。
一方、不溶性食物繊維(非水溶性食物繊維)は、腸内でも吸収されずに便のかさを増やすことで体外に押し出す手助けをしてくれると言われていて、
特にジャガイモやサツマイモ、大豆、全粒粉、小麦ふすま、ごぼうなどの根菜類に多く含まれています。
またこれらの食材ですが、便秘気味の方は特に摂取すべきだと思いますが、ストレスや自律神経の乱れによって腸が過敏になっている場合は逆効果になる可能性もあるので注意が必要です。
水分をしっかり摂る
便を軟らかくして排出しやすくするためには十分な水分があるとより良いです。食事からとれる水分もあるので一概には言えませんが、飲むときは1日1~2Lくらいを目安に飲んでみて下さい。
また、動きの悪くなった腸の活動を促す意味でも水分摂取は重要。また朝起きる時に水を飲むことで腸が目覚めるサポートもしてくれるそうです。
より刺激を与えるために炭酸水や牛乳を飲むのもいいですが、人によっては逆に負担になってしまうこともあるので、常温で飲んだり、温めたりするなど自分の身体に合うよう工夫してみてください。
適度な油脂を摂る

画像④
適度な油脂は、腸内での便の動きを滑らかにするために必須。特に、小腸で吸収されずに大腸まで届くオレイン酸は便秘解消にぴったりではないでしょうか。また手軽に摂れておすすめなのがオリーブオイル。他にもアーモンドなどのナッツ類や、ゴマ、アボカド、ひまわり油などもオレイン酸が豊富な食品です。
1日に必要な油脂は60g程度と言われていますが、このうち肉類など食事から無意識に摂取しているのは40g程度だそうです。今日はちょっと油分が少ないなと思ったら、スプーン一杯程度のオリーブオイルを飲んで補いましょう。
1日3食しっかり食べる
便秘を解消するためには、1日3食を決まった時間にきちんと食べる習慣をつけるのも大事です。便を出すために必要な食物繊維などを十分に摂取するのはもちろん、規則正しいリズムで腸に刺激を与えるという意味もあります。特に朝食は最も重要。朝忙しくて朝食を抜いている人も、少し早めに起きて朝食を食べて腸を起こし、トイレに行ってから出かけるというリズムをつくりましょう。
便秘になりやすい食事
便秘を解消するための食事のコツをご説明しましたが、逆に便秘になりやすい食事もあるのです。以下の通り順番に説明していきます。
- 極端な食事制限によるダイエット
- 肉類などの高タンパク・高脂質な食品の食べ過ぎ
- 暴飲暴食
極端な食事制限によるダイエット

画像⑤
ダイエットを目的とした無理な食事制限は便秘の原因となることがあります。例えば、低糖質・低脂肪の食べ物を中心にしたダイエットは、炭水化物に含まれる食物繊維や、便を滑らかにするために必要な油脂が不足することで便秘になりやすくなると言われているのです。
また、カロリーを抑えるために朝食を抜いたり、一日一食にしたりと食事を減らすことで、腸の動きが弱まって排便のリズムが崩れてしまうことが指摘されているらしく、食事を工夫したダイエットが悪いとは言いませんが身体に無理なく行うようにしましょう。便秘解消のためにも、バランスの良い規則正しい食習慣を意識してください。
肉類などの高タンパク・高脂質な食品の食べ過ぎ
近年、筋トレやダイエットのために、低糖質・高タンパクな食事をする人が増えてきていますよね。しかし、肉類などタンパク質が多い食品ばかり食べていると、便秘になりやすいという話も。また、生クリームをたっぷり使ったようなケーキやアイスクリームなどの脂質の多い食品の摂りすぎも腸には良くないでしょう。
高タンパク・高脂肪に偏った食事は、腸内の悪玉菌を増やし、腸内フローラのバランスを悪化させるような生活習慣を作りがちです。悪玉菌が増えると、便秘になりやすいだけでなく、ニオイの強いガスが発生し、便やおならが臭くなってしまう可能性も少なくないです。タンパク質や脂質も必要な栄養ですが、ほどほどにして野菜や果物なども積極的に摂りましょう。
暴飲暴食

画像⑥
暴飲暴食が続くと腸が疲れてしまい、機能が弱まってしまう恐れがあります。そもそも腸は人間の身体の中でも特に酷使される器官で
1日~3日で細胞が生まれ変わるような構造にはなっているものの、何でもそうですが、必要以上に負担をかけると全身の健康にも影響してきます。
また、アルコールの飲みすぎも腸にとっては大きな負担になりがちです。食べ過ぎ・飲みすぎには注意して、飲み会の翌日には消化の良いものなどで腸を労わってあげましょう。
便秘に効くおすすめレシピ3選
便秘解消に有効な食べ物について説明しましたが、必要な栄養素で不足しているものをバランスよく食べることが大切です。ここでは腸を元気にしてくれる食材を効果的に組み合わせた便秘に効くおすすめレシピをご紹介します。
ヨーグルトバナナスムージー

画像⑦
- ヨーグルト
- バナナ
- 水または牛乳
- オリゴ糖やハチミツ
善玉菌を増やす乳酸菌・ビフィズス菌を含むヨーグルトと、そのエサとなる水溶性食物繊維を含むバナナ+オリゴ糖という最強の組み合わせ。小松菜やアボカドなどの野菜を加えてもいいですし、水分を善玉菌のエサになると言われる豆乳に置き換えるのもおすすめ。身体を冷やすのが気になる人は、生姜を少し入れるのもいいでしょう。
きのこと根菜たっぷりの味噌汁

画像⑧
- 人参、ごぼう、里芋、大根などの根菜
- しめじやなめこなどお好きなキノコ
- こんにゃく
- 味噌
不溶性食物繊維と水溶性食物繊維を一緒にバランスよく摂れるメニューです。発酵食品である味噌は善玉菌に影響する乳酸菌だけでなく、食物繊維や便を軟らかくするといわれるマグネシウムも含まれる便秘に最適な食材。もちろん豚肉を入れて豚汁にするのもOK。冷え性の女性にもおすすめです。
アボカドトマト納豆
- アボカド
- トマト
- 納豆
- オリーブオイル
その名の通り、アボカドとトマト、納豆を混ぜて、オリーブオイルをかけるだけの簡単副菜レシピ。納豆は善玉菌の中でも「ヤセ菌」と呼ばれる菌群を増やすのに効果的と言われています。食物繊維+オレイン酸で便秘に優しいだけでなく、ビタミン豊富で美容やダイエットにもおすすめなメニューです。
まとめ
便秘を解消するためには、乳酸菌や食物繊維などの腸に良い食品を摂るだけでなく、規則正しくバランスの良い食事を心がけることが大事だとご説明しました。偏った食生活や極端な食事制限によるダイエットは便秘には禁物なんですね。
ただし、便秘解消には食事の工夫だけでは不十分。腸の機能を活性化させるためには、適度な運動や生活習慣の改善も必要です。腸内環境を整えれば、痩せやすく太りにくい身体づくりにもつながってきますので、ぜひ正しい方法で便秘を解消して「腸美人」を目指してください。