断食が便秘解消に効果的な理由
断食は、その名の通り食事を断つ、もしくは一部をカットする健康法です。単純に考えると、ダイエットに適していそうな印象を受けます。事実、ダイエットのためにおこなう断食も効果的です。いったいなぜ、便秘解消にまで期待できるのでしょうか。その理由を、ご紹介します。
消化に労力を費やさないため排泄が活発になる
食事は、1日の中でも至福のひとときではないでしょうか。ランチを楽しみにしながら午前の仕事をがんばる、夕食の献立に期待しながら午後を乗りきる、そんな人も多いことでしょう。
ですが、体内機能にとって食事は至福どころか大変な作業でもあります。それこそ、フルマラソンを走るのに必要なエネルギー量が必要になっているほどです。断食をすると、その分のエネルギーが排泄機能に使用できるので、便秘の解消に期待できます。
空腹になると腸のぜん動運動を促す酵素が出る
腸内では、胃から流れ込んだ食べ物を便に変える作業がおこなわれています。このとき、便は時間をかけて、長い腸を移動します。
便が腸内を移動する上で、腸壁に張り巡らされた繊毛のぜん動運動が欠かせません。腸内のひだが便を肛門の方へと送ろうとすることで、スムーズに移動させられます。そしてこのぜん動運動は、空腹時の方が活発に活動します。つまり断食は、便を送るメカニズムを活発化することに繋げられるのです。
断食すると毒素が排出され宿便も解消
毎日のように排便できていても、腸内の便が完全に出きっているとは限りません。一部は腸壁にへばりつき、宿便として残っているのが一般的です。
排泄物は体内の不要物なので、宿便は毒素のかたまりとも言い換えられるでしょう。断食をすれば、代謝が高まることであらゆる毒素の排出が期待できます。宿便も解消でき、腸を健康な状態へと近づけられます。
腸内環境が良くなって吹き出物に悩まされなくなる
便の代謝をスムーズにできれば、体全体の代謝機能も向上できます。これにより、肌の生まれ変わりサイクルも正常化が期待できます。これはいわゆるターンオーバーといわれるもので、美しい肌状態を維持する上で欠かせません。肌荒れや吹き出物、シミなどのできにくい肌が手に入れられることでしょう。
断食を実践するのは半日のみでOK!
断食と聞くと、抵抗を感じるかもしれません。普段三食摂るのが当たり前の食事をいきなり制限するのは、多くの人にとって苦痛でしょう。ですが、実際はそこまで不安になる必要もありません。三食のうち一部をカットするだけのプチ断食でも、便秘解消に繋げられるためです。
18時間食事を抜けば良いだけ
本格的な断食ともなれば、3日間ぶっ続けで食事を抜く場合すらあります。しかし、便秘解消を目的とした断食なら半日でも問題ありません。普段食事を摂るタイミングで何も食べないことにより、胃腸を休ませられます。半日でもこの効果は期待できるので、初めてでも気軽に実践できます。
特に効果が期待できる方法は、前日夜から18時間おこなう半日断食です。途中に睡眠時間を挟むため、余分なエネルギー消費や空腹感が抑えられ、成功しやすいでしょう。また朝食・夜食・間食を抜くやり方が特に有効なので、まさに最適な半日断食のタイミングとなります。
1週間に1回・1日おきなど頻度は自由
半日断食とはいえ、毎日続けるとなるとやはり大変かもしれません。平日となると、仕事中にお腹が空いてしまうため集中力も欠けます。その結果、仕事にミスが出たり成績を悪化させたりするのであれば、健康的といっても断食すべきでないでしょう。
その点、便秘解消のための半日断食は、1日おきや週末のみ、週に1回だけでも効果的な健康法です。楽に実践できる自由度もまた、魅力のひとつでしょう。
実践前の食事は腹八分目程度にとどめておく
普段三食しっかり摂っている場合、半日といっても断食は大変でしょう。感覚的なしんどさについては大丈夫であっても、身体への負担は避けられません。
急な食事量の変化に、腹痛や栄養失調、脱水症状などを起こす危険性もあります。そのため、実践前の食事は腹八分目程度に抑えるよう心がけてください。
起床時は50℃ほどに冷ました白湯を摂って胃腸を動かす
断食の目的は、胃腸を休めて機能を活発にすることに他なりません。そのため、断食中は毎朝50度ほどの白湯を摂るよう意識してください。
適度に温かい水分で、胃腸の機能を高められるためです。断食による休息効果に加え、さらなる機能向上に繋げられるでしょう。
断食明けの食事はいつもより少し軽めに
胃腸の負担を考えるのであれば、断食前だけでなく、終了後の食事内容も考えておくべきです。休んでいた胃腸に急に食べ物を入れるため、普段通りの量では負荷が大き過ぎるかもしれないためです。
腹痛や下痢、さらには胃潰瘍などの症状を引き起こすかもしれません。断食明けの食事量はいつもより軽めにして、徐々に元の量へと近づけていきましょう。
空腹に耐えかねたら黒糖入りの紅茶を摂る
断食といっても、そこまで深く考える必要はありません。確かに、宗教上の儀式であればルールは絶対かもしれませんが、日本でプチ断食をするなら、状況に合わせて工夫しても問題ないです。
どうしても空腹に耐えかねたら、黒糖入り紅茶を摂るのがおすすめでしょう。黒糖は、少量でも香り豊かで満足感が味わえます。紅茶自体も、香ばしい飲み物の代表格です。豊かな香りは、脳に充実感や幸福感を感じさせます。カロリーの低い存在でありながら、空腹感を紛らわす飲み物として効果的です。
半日断食を行う際に気をつけるコト
半日断食といっても、やはり断食に違いはありません。人が生きていく上で欠かせない食事を抜くわけですから、注意点も伴います。便秘を早く解消したいからといって、無理をすべきではありません。以下の注意点についてもしっかり意識して、安全に取り組むようにしてください。
体調不良のときは悪化の恐れがあるため避ける
食事を抜くというのは、健康なときでも体にかかる負担が大きいです。そこへきて体調不良ともなると、なおさら注意しなくてはなりません。風邪などで発汗が激しいと、水分が不足してめまいやふらつき、脱水症状を起こす可能性があります。栄養失調にもなりやすいでしょう。
その他、栄養分が不足することで、体調の回復が遅くなったり、悪化したりする可能性も出てきます。あくまで、健康時におこなうよう心がけてください。
低血糖状態にある断食中は激しい運動をしない
血糖値が高いと、糖尿病や血栓が懸念されるため、体調管理には十分注意しなくてはなりません。ですが、血糖値の低い状態である低血糖時も同じく気をつけるべきです。
エネルギーである糖が低下しているので、栄養失調が起こりやすい状態となっています。体調不良のときほど徹底しなくても良いですが、激しい運動は避けた方が安心でしょう。
胃腸が動かないため普段どおり早く起きる
便秘で悩んでいる人には、早起きが苦手な人も多いのではないでしょうか。早起きすると、胃腸のむかつきを感じる場合があるためです。これは胃腸が不調であることによる、自律神経失調症が起こっているためで、人によっては、吐き気をもよおすこともあります。
ですが断食中は、胃腸の負担が抑えられているので早起きしても問題ありません。生活リズムを取り戻す意味でも、早起きを心がけましょう。
体への負担が増すため無理に断食時間・日数を延長しない
半日断食をやってみると、意外にすんなり達成できることに驚くでしょう。断食とはいえ、半日なら言葉のニュアンスほど過酷には感じないためです。外国における宗教上の本格的な断食しか知らない人からすれば、驚きすら覚えるでしょう。
ですが、だからといって無理をしてはいけません。断食時間や日数を、むやみに延長しないよう気をつけてください。もし本格的な断食も試したいなら、徐々に期間を延ばす、もしくは医師指導のもとおこなうなど、安全性にこだわりましょう。
まとめ
便秘になると、お腹の苦しさやけだるさ、ふらつき、吹き出物などあらゆる影響が出てきてしまいます。半日断食なら、薬を使わずスムーズな解消が期待できます。
断食ではあるものの、期間が短いので実践しやすいという点も魅力的です。上記のポイントや注意点を押さえて、ぜひやってみてはいかがでしょう。