便が出そうで出ない原因4つのタイプ

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「便意はあるのに中々出ない」「お腹は張っているけど出る気がしない」など便が出ない状態にはいくつかのタイプがあり、それぞれ原因が変わってきます。ここでは下記の4つについてそれぞれ見ていきましょう。
- 出口付近に便が詰まっている
- 腸を動かす力が弱くなっている
- 緊張やストレスで腸の動きが悪くなっている
- 腸がねじれたり下がったりして途中で便が停滞している
出口付近に便が詰まっている

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出口である直腸に何らかの原因で便が滞留している状態です。食べ物は口に入れてから、食道を通って胃、十二指腸、小腸、大腸へと運ばれていきます。ここまでで消化吸収されなかった食べカスなどが大腸に入ると自然に起こるぜん動運動によって、便として形成されながら移動し、出口である直腸まで来ると反射によって便意を感じるのですが、この仕組みが上手く機能していないということですね。
このタイプの特徴
- 朝忙しくてトイレに行く時間がないなど、便意を我慢することが多い
- 水溶性食物繊維や水分、油脂など便を軟らかくする栄養が不足している
- 直腸に便が詰まってしまうようなくぼみができてしまっている
腸を動かす力が弱くなっている
大腸に食べカスが運ばれてくると、自然に起こるはずのぜん動運動が弱まることも便が出ない原因の一つと言われています。腸内の悪玉菌が増えて腸内フローラのバランスが崩れたり、慢性的な便秘で排便が少なくなっていると、腸の機能が低下して上手く動かなくなってしまうそうです。
このタイプの特徴
- 運動不足でデスクワーク中心の仕事などで長時間座っている
- ダイエットや忙しさで朝食など食事を抜くことが多い
- トイレに行く回数は少ないが、おなかが張っている感じがする
緊張やストレスで腸の動きが悪くなっている

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人前に出るとお腹の調子が悪くなったり、下痢と便秘を交互に繰り返したりするならこのタイプかもしれません。腸が何らかの原因で敏感になると、ぜん動運動が安定して働かなくなってしまうそうです。日常生活でストレスの多い現代人に多く見られるようになってきたタイプで、便意は感じるけれど、思ったようにスッキリできないのが特徴と言えます。
このタイプの特徴
- 学校や職場などで緊張や不安を感じるとお腹の調子が悪くなる
- 下痢と便秘を交互に繰り返す
- 便意は感じるが、出てもコロコロとした硬い便が多い
腸がねじれたり下がったりして途中で便が停滞している
ねじれ腸や下がり腸と呼ばれるタイプです。腸のぜん動運動は問題なく働いていて、便の状態もそれほど硬くないのですが、大腸がねじれたり、本来の位置から下がったりすることで通り道が狭くなった部分に便が停滞してしまうのだそう。特に腸が納まるスペースの小さい女性に多いとされ、元々の身体の構造的な問題ということもあるようですが、加齢が原因の場合も多いようです。
このタイプの特徴
- 昔から便秘気味で、お腹が痛くなることが多い
- 便秘の後には下痢になることがある
- 普段は座りっぱなしだが、たまに運動すると出る
便が出そうで出ないときの対処法

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ここからは、便が出そうで出ないときの対策をご紹介します。便秘の状態によっておすすめの方法が変わってきますので、自分に合った対処法を探してみてください。
- トイレに座るときの姿勢を工夫してみる
- 1日3食しっかり食べる
- 便を軟らかくする食べ物を摂る
- 善玉菌を増やして腸内環境を整える
- 適度な運動や腸もみマッサージをする
トイレに座るときの姿勢を工夫してみる
誰でも知っているロダンの有名な彫刻「考える人」のように、少し前かがみになって座ると、お腹に程よく圧力がかかって便が出やすいと言われています。前に倒しすぎると身体が緊張して固くなってしまうので、無理なくリラックスできるくらいの姿勢を心がけましょう。
ただし、便の出口である直腸のくぼみに便が詰まってしまっているときは、この方法だと逆効果なのだそう。この場合は、背筋を伸ばして座った状態で、両手でお尻の皮膚をグッと上げるように肛門を動かしてあげるといいとのことです。
1日3食しっかり食べる

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大腸を動かして便が出るように促すには食事による反射が必要になると言われています。規則正しい排便習慣をつけるために、1日3食を決まった時間にきちんと食事をするようにしましょう。
特に朝は便を出すタイミングとして適しているため、朝食を摂るのが特に大事なのだそうです。朝忙しくて朝食を抜いている人も、少し早めに起きて朝食を食べて腸を起こし、トイレに行ってから出かけるというリズムをつくりましょう。
便を軟らかくする食べ物を摂る
便が出そうで出ない人は、便が硬くなってしまっていることが多いと言われているので、便を軟らかくする食べ物を積極的に摂るようにするといいでしょう。特に、こんにゃくや海藻、りんご、バナナ、オレンジなどに多く含まれる水溶性食物繊維は、腸内の便と混ざりあってゼリー状に軟らかくなるので、排出時の負担が減りやすくなると言われており、また善玉菌のエサになりやすいとも言われています。
十分な水分も良く言われるように大事です。食事からとれる水分もあるので一概には言えませんが、飲むときは1日1~2Lくらいを目安に飲んでみて下さい。動きの悪くなった腸の活動を促す意味でも水分摂取は必要と言われ、朝起きる時に水を飲むことで腸が目覚めるサポートもしてくれるそうです。
また、適度な油脂も腸内での便の動きを滑らかにするために必須。特に、小腸で吸収されずに大腸まで届くオレイン酸は便秘解消にぴったりではないでしょうか。また手軽に摂れておすすめなのがオリーブオイル。他にもアーモンドなどのナッツ類や、ゴマ、アボカド、ひまわり油などもオレイン酸が豊富な食品です。油分が不足していたら、スプーン一杯程度のオリーブオイルを飲んで補いましょう。
善玉菌を増やして腸内環境を整える

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腸内フローラは主に善玉菌と悪玉菌のバランスで成り立っていますが、便秘の人の腸内は悪玉菌優位の状態で腸内環境が悪くなっていることが多いです。乳酸菌やビフィズス菌を含む食品を摂ることで、腸内の善玉菌を増やしましょう。おすすめは、ヨーグルトや乳酸菌飲料、納豆、味噌、キムチなどの発酵食品です。善玉菌のエサとなるオリゴ糖を一緒に取るとより効果的だそうです。
適度な運動や腸もみマッサージをする
腸がぜん動運動が弱まっていたり、硬くなった便が腸内で停滞したりしている場合は、適度な運動も効果的と言えます。ランニングなどで腸を揺らしてあげたり、腸の動きをよくするために必要な腹筋を鍛えてあげるのがいいそうですよ。
運動が苦手な人は、お腹回りをひねるようなストレッチや、腸に直接刺激をあたえてあげる腸もみマッサージも良いと言われています。ねじれ腸の人にも効果が期待できるそうですが、腸が敏感になっている場合は逆効果になる可能性もあるそうなので注意してください。
便が出そうで出ないときに避けたほうが良い方法

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便を出すために思いっきりいきむ
便が出そうで出ないときに、トイレで思いっきりいきんでいませんか?経験がある方も多いと思いますが、硬くなってしまった便を無理にいきんで出そうすると、肛門に負担がかかって切れ痔になってしまう可能性があります。また、いきんでいる間は血流が滞り、気分が悪くなることもあるそうです。ある程度はお腹に圧をかけるのも必要ですが、ほどほどの強さにして、目安として3分以上頑張っても出ないときは一旦トイレから立つようにしましょう。
不溶性食物繊維を摂りすぎる

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腸はある程度しっかり動いていて、便意は感じるけれどすっきりするほど出ない、というときは必要以上に不溶性食物繊維を摂らないほうがいいそうです。不溶性食物繊維は便のかさを増やす役割がありますが、場合によっては便をより硬くしてしまい、ますます出にくくなることもあるのだとか。これに限らず、便秘に良いとされる食べ物は自分の便秘の状態から不足しているものをバランスよく摂るようにするといいでしょう。
まとめ
便が出そうで出ない原因は、直腸付近で便が留まって硬くなっていたり、腸が上手く動かなくなっていたりといくつかタイプがあるんですね。同じ便秘でも状態によって、対処法や食べ物も変わってくるので、自分に合った方法を見極めるの必要があると言えそうです。
便秘が続くと不快感や腹痛などで辛いだけでなく、腸内環境が悪化することで全身の健康にも影響があると言われています。便秘を解消して、腸から健康になりたいものですね。