3歳児までは母親が育てるべき?三歳児神話よりも大切なこと9選

女性の社会進出が進み、子どもを早い段階から保育園に預けて職場復帰をするお母さんが増えてきました。なかには「早くから保育園に預けることは子どもにとって可哀想なことなの?」と心配されている方もいらっしゃるかもしれませんね。その背景には「三歳児神話」の存在があるのかもしれません。今回は三歳児神話の謂れを解き、それよりも大切にするべきことをご紹介します。

3歳までは家庭で育てるべき?三歳児神話の内容とは

三歳児神話とは子どもが3歳になるまでは母親が育児に専念しなければならず、この時期に母親から深い愛情を受けないと子どもの成長に悪影響を及ぼすという考え方のことです。

三歳児神話はイギリスの精神科医であるジョン・ボウルヴィが発表した「母子関係理論」をもとに世界に広まったとされています。

もともとは母親が育児に専念しなければならないという趣旨のものではありませんでしたが、「3歳未満の発達初期に精神的な障害を受けた子どもは、生涯その傷を癒すことができず、社会的に不適応な行動を行うようになる」という点が日本特有の「家庭は女性が守るべき」という考え方に則り解釈されてしまったのです。

「子どもが小さいうちに保育園へ預けるのは可哀想」という考え方はこの三歳児神話がもとにあると考えられておりますが、現在では厚生労働省から合理的根拠がないものと発表されています。

一方で、子どもに対する愛情の重要性は多くの学者が発表しています。
三歳児神話にとらわれず、子どもにとって何が大切なのかをきちんと理解していきましょう。

その1:三歳児神話を全否定できない愛情の重要性

現在、三歳児神話は古い育児論だとされ全否定されてしまいがちですが、そのすべてが間違っているというわけではありません。

確かに母親が働きに出ることと子どもの成長に悪影響が及ぼされることは合理的根拠がないものとされていますが、子どもの成長にとって「愛情」が必要不可欠なものであることは多くの学者たちが論じています。

生後間もない赤ちゃんの脳は未発達です。
日々いろいろな刺激を受けながら脳は成長していき、考える力や創造する力、解決する力などが育まれ、3歳までに脳のほとんどが完成するといわれています。

「3歳までの時期が大切」といわれるのもそれが所以だと考えられます。

そのような意味では母親だけに限らず、たっぷりと愛情を注ぎ、さまざまな刺激を与えてあげることが重要だといえます。

その2:仕事復帰はママのストレスを軽減する効果もある

「母親は常に子どもに対して無償の愛を与え続ける」という考えが定着している部分もありますが、母親だって人間ですからイライラしてしまうこともたくさんありますよね。

子どもに怒鳴りつけたり、手をあげたりしていなくても、イライラしていると表情も変わってきますし、何よりも子どもは雰囲気でそれを察知します。

子どもとの距離に悩み、イライラしているのに「三歳児神話」に縛られ、無理やり子どもと一緒にいることはママにとっても子どもにとってもベストな選択ではありません。

早期に仕事復帰をすることでほどよい距離を保つことができ、ママのストレスを軽減することにも繋がります。

ストレスが軽減され、気持ちに余裕を持って子どもと接することができるようになるのであれば、早期に仕事復帰をするのも選択として考えても良いのではないでしょうか。

その3:保育園に預けても他人任せにしないよう注意する

小さいうちから保育園に預けるのは可哀想という意見もありますが、必ずしもそうとは限りません。

確かに一時的とはいえ、大好きなママと離れなければいけないので寂しい思いをするかもしれませんが、慣れてしまえばお友だちと遊ぶ方が楽しくなることもあるでしょう。

子どもは1歳半頃から集団のルールを学べるようになります。
そのような意味では早くから集団生活を経験することで協調性などが育まれる効果も期待できます。

しかしすべてを保育園に任せっきりにしてしまうのはよくありません。
保育園の先生は卒園までは子どものお世話をしてくれますが、親子の関係は一生もの。

良い親子関係を築くためにも子どもとコミュニケーションを取り、子どものことを深く理解してあげることが重要です。
もちろん母親だけに限らず、父親も子どもを理解する努力をする必要があります。

その4:保育士さんと子どもの情報や様子を共有する

保育園に子どもを預ける際は、保育園での様子や情報を共有するように心がけましょう。

子どもは日々成長しており、少し前まではできなかったものができるようになったり、新しいことに興味を持ち始めたりすることがたくさんあります。

保育士さんと情報共有することは、子どもの成長を見逃さないだけでなく「今日はお絵かきをしたの?」「上手に描けたんだね」など子どもと同じ話題を共有する意味でも非常に重要です。

気持ちを共有することで子どもは満足感を得ることができますし、自分の様子をきちんと見てくれているという安心感を得ることができるでしょう。

また保育園での活躍や成長をママがパパに伝えてあげることで承認欲求や自己肯定感を満たすこともできます。

「あなたのことを理解しているよ」というサインを発信してあげることも、愛情表現の大切なひとつです。

その5:親子でお話をする時間を毎日設けるようにする

いくら分担制にしても家庭と仕事を両立するのはとても難しいことです。
時にはへとへとになって帰り、今すぐにでも寝てしまいたいと思うこともあるでしょう。

しかし共働きの家庭にとって子どもとコミュニケーションを取れる時間は限られています。
なるべくなら毎日子どもとお話しをする時間を設けるように心がけましょう。

自転車の後ろや車の助手席に座る子どもに対してではなく、きちんと顔を見て話せるような時間を設けてあげることが大切です。

まだ言葉を上手く話せない時期であっても、顔を見て話しかけてあげればきちんとコミュニケーションを取ることができます。

大好きなママやパパが自分を見てくれることで、子どもは愛情を感じることができますし、承認欲求を満たすことができるのです。

その6:スキンシップを取りながら愛情を伝えてあげる

子どもは言葉だけでなく、肌と肌の触れ合いからも愛情を受け取っています。

親子でお話をする時間を設けるのと同じように、親子でスキンシップを取る時間を設けることも上手に愛情を伝えてあげる上で重要なポイントです。

特に保育園は集団生活のため、一人の子を長く抱っこしてあげることができません。

まだまだ大人に甘えたい時期ですから、おうちに帰ったあとは思う存分抱っこをしたり、手を繋いだりと甘えさせてあげるようにしましょう。

もちろん保育園でなかなか抱っこしてもらえないからといって子どもが可哀想というわけではありません。
スキンシップも会話も長い時間行えばいいというわけではなく、きちんと愛情を受け取れるかが大切なのです。

きちんと子どもの要望に応えてあげれば、時間や場所に関係なく親からの愛情を受け取ることができます。

その7:休日は家族で楽しい思い出をたくさんつくる

ママとパパがお休みの日は子どもにとってのボーナスタイム。

大好きなママとパパを独り占めし、思い切り甘えることができる大切な時間です。

保育園に預けることは可哀想なことではありませんが、子どものなかには少なからず寂しさを感じている子もいます。
休日はその寂しさを楽しい思い出で埋めてあげる絶好のチャンスでもあります。

子どもと楽しい思い出をつくるためにも、休日は子どもと過ごす時間にあてるようにしましょう。

無理にテーマパークや映画館などに出かけなくても、公園で思い切り遊ぶだけでも子どもにとっては嬉しい時間となるでしょう。

可能であれば家族揃って遊べる日を設けてあげることも大切です。

前述した通り愛情は必ずしも時間と比例するわけではありません。
たとえ1週間のうちの1日だけだったとしても、思い切り子どもの要望に応えてあげることで十分な愛情を感じることができます。

その8:子どもとの約束はきちんと守り、がっかりさせない

保育園のお迎え時間を守るということは、保育園との契約を守る以上に子どもとの約束を守る意味で重要なことです。

子どもは保育園でお迎えを待っているときから「○時にママが迎えに来てくれる」と心のどこかで期待しながら待っています。

しかしお迎えの時間を過ぎてもママやパパが迎えに来てくれなかったらどうでしょうか。

周りのお友だちがどんどん帰っていくなか、ひとりポツンとお迎えを待っているのはとても寂しいものです。

お迎えの時間というのは子どもとの約束事。
それを不用意に破ってしまうのは子どもを傷つけてしまうことに繋がります。

もちろん仕事ですから責任を持って職務をまっとうしなければなりません。
ですが子どもは仕事の事情を理解できるほど大人ではないのです。

どうしてもお迎えの時間を過ぎてしまったら「遅くなってごめんね」と優しく抱きしめ、普段よりも多くコミュニケーションの時間を取るように心がけましょう。

その9:仕事を詰込み過ぎず、無理のない働き方に気を付ける

仕事をすることはお金を稼ぐだけでなく、子育てのストレスを軽減する効果も期待できますが、あまりにも無理な働き方をしてしまうと仕事をすること自体がストレスになってしまいます。

特に子どもにとって仕事の都合は未知の世界。
残念ながらママやパパの疲れを労ってあげられるほど大人ではありません。

自分が理解できる範囲以外のことでママやパパがイライラしていては子どもも成すすべがなく、余計に不安が積もってしまいます。

体だけでなく、心の余裕を維持するためにもあまり仕事を詰め過ぎず、無理のない働き方を心がけることが重要です。

繁忙期などは夫婦で協力し合いながら家事や育児を行うことも大切なポイント。
ひとりで抱え込まず、周囲の協力を得ながら上手に調整していきましょう。

上手に愛情を伝えられれば「可哀想」ではない

子供を保育園に預けることは決して悪いことではありません。

しかし少なからずママやパパと離れることで寂しさを感じている子どももいるでしょう。

ママやパパが近くにいないことで我慢しなければいけないこともありますし、それを不満に思うことがあるのも事実です。

ですがそのような状況が必ずしも「子どもが可哀想」ということに繋がるわけではありません。

いくら母親と同じ空間にいたとしてもスマホばかりをいじり、テレビに子育てを任せっきりの状態ではなかなか愛情を感じることはできません。

保育園に通っていても、少しの間ママやパパと離れ離れになってしまっても、帰ってくればきちんと話を聞き、抱きしめてくれれば寂しさも吹き飛んでしまうでしょう。