廃油石鹸は自宅で使った食用油で作る石鹸です。手肌にやさしく、お風呂掃除などをしても、手荒れをしなくてすむという石鹸です。肌が乾燥しやすい時期は、洗剤などで手荒れを起こしてしまいがち。廃油石鹸なら、そのような心配もありません。
今回は、
- 廃油石鹸とは?
- 廃油石鹸の嬉しいメリット
- 廃油石鹸の主な材料
- 廃油石鹸の作り方3選
- 廃油石鹸作りの大事な注意点
をご説明します。環境にもお肌にも優しいと言われている廃油石鹸を是非作ってみてください。
廃油石鹸はどんな石鹸?
廃油石鹸は食用油で作る石鹸です。自宅で作ることができるので便利。肌にも刺激が少ないため、手荒れを予防できるのもメリットです。さまざまな用途がある廃油石鹸とはどのようなものか、もっと詳しく説明しましょう。
自宅で使った古い食用油で作る石鹸
自宅で揚げものなどをする際に使用する食用油。それを使って作れるのが廃油石鹸です。基本的には、廃油と水、苛性ソーダだけを使って作ります。合成洗剤などを使わないので、手にも、自然環境にもやさしいのがメリット。手作りキットなどもあり、揚げ物用の油をリサイクルする際にも便利です。
廃油石鹸はキッチンやお風呂場などで、洗剤としてしっかり役目を果たしてくれるもの。さらに靴下の泥汚れや、ワイシャツの襟汚れもよく落ちると言われています。作り方も難しくないので、主婦の間でも人気です。苛性ソーダの取り扱いには注意が必要ですが、安全対策をしっかりすれば問題なく作れるでしょう。
植物油で作るので手肌にやさしい
油汚れを落とすのに便利な廃油石鹸は、キッチンで台所洗剤として使うことができます。食器などをはじめ、ガステーブルや換気扇の掃除などにも便利。通常の洗剤では肌荒れしてしまうという人も、植物油で作る廃油石鹸なら手の乾燥を防ぐことができます。安心して洗い物や掃除ができるのもメリットでしょう。
廃油石鹸が多くの方に愛用されている理由
食用油で作る石鹸と聞いて不安に感じる人もいるでしょう。しかし、廃油石鹸は手肌にやさしいだけでなくエコ石鹸としても重宝されているのです。廃油石鹸が多くの人に愛用されているのはなぜか?その理由を紹介します。
廃油を捨てる手間や費用がかからない
料理に使った食用油をどう処理するか、といったことに悩んでいる人は多いものです。廃油処理剤があればいいのですが、買い忘れてしまった場合など、調理をした後の油の処理については困ってしまうもの。自然環境のことを考えれば、そのまま流してしまうわけにもいきません。そのような悩みを解決してくれるのが廃油石鹸です。
廃油石鹸は処理に困った食用油をリサイクルして石鹸にできます。調理後の油の処理の手間や費用がかかりません。
お金を出して石鹸を購入する必要がない
廃油石鹸は通常の食器洗い洗剤のように、食器を洗ったり、ステンレスを掃除したりできます。浴室の掃除などにも使用できるので便利。フローリング材としても使えて重宝します。お金を出して石鹸を購入する必要がないので、節約にもなるでしょう。
冬など肌荒れしやすい時期でも手荒れしない
手作りなので手肌に刺激となる成分を使わずに作ることができます。洗剤で手が荒れてしまう人は少なくありません。特に乾燥しやすい冬などはあかぎれなどができたり、カサカサしてしまったりするものですが、廃油石鹸なら安心。肌荒れしやすい冬でも手荒れせずに使うことができます。
好きな大きさ・好きな形にすることができる
廃油石鹸は型に流し込んで作ることができます。好きな形にできるのも手作りのメリット。大きさも自分の使いやすいサイズにできるので、オリジナルの廃油石鹸が作れるでしょう。
廃油石鹸の材料
廃油石鹸を作る際に必要な材料は、廃油、水、苛性ソーダのみです。それぞれの材料について見ていきましょう。
廃油
揚げ物などに使った後の食用油を用意します。揚げ物などのカスが入っている場合、キレイに取り除きましょう。古い油の方が固まりやすいです。植物性食用油なら、合成洗剤を含まず環境にやさしい廃油石鹸ができます。
水
植物性食用油600gに対して、水1カップ程度用意します。容器に水を入れてから苛性ソーダ、植物性食用油を少しずつ入れていきます。
苛性ソーダ
植物性食用油600gに対して、苛性ソーダは85g程度用意します。苛性ソーダは劇薬なので取り扱いには十分な注意が必要です。万が一目に入ると失明のリスクもあるほど。本来は薬剤師などの専門家が取り扱うものなので、使用する際は細心の注意が必要です。
特に小さな子どもやペットがいる家では保存しておかない方が安心なので、使い切る量を用意するといいでしょう。
お好みでアロマオイルなど
香りをつけたい場合は、アロマオイルなどを入れるのもいいでしょう。アロマの香りはリラックス効果が期待できます。アロマオイルの種類によって、リフレッシュできる香りや、イライラを鎮めてくれる香りなどさまざまなものがあるので、好みの香りを選ぶといいでしょう。
廃油石鹸の作り方
廃油石鹸は材料を混ぜるだけでできるものですが、苛性ソーダの取り扱いなどには注意をしなければなりません。苛性ソーダを使わない方法もあるので、いくつかの作り方を紹介します。
牛乳パックを使って作る廃油石鹸
牛乳パックを利用すれば、容器をわざわざ用意しなくてもすみます。便利なのでおすすめ。作り方は次の通りです。
2. 苛性ソーダを85g少しずつ入れ、かき混ぜます
3. 油を少しずつ入れながらかき混ぜます
4. 牛乳パックの封を密封し、1週間程度放置しておきます
5. 固まったら牛乳パックごとカットし、できあがりです
苛性ソーダを使わない廃油石鹸の作り方
苛性ソーダは劇薬なので、使用する際には十分な注意が必要です。小さな子どもやペットがいれば、なおのこと。できれば危険な苛性ソーダを使いたくないでしょう。その場合は、廃油石鹸を作れるキットや石鹸素地を使うといいでしょう。作り方は、細かくした石鹸素地と水、もしくはぬるま湯、油を混ぜ、なめらかになるまでかきまぜて、型に流し込みます。
廃油の臭いが苦手な方におすすめのコーヒー廃油石鹸の作り方
廃油石鹸の廃油の臭いが気になる人には、コーヒー廃油石鹸がおすすめ。コーヒー廃油石鹸の作り方を紹介しましょう。
2. 苛性ソーダに煮出したコーヒーを入れ、ゆっくりかき混ぜます
3. ボウルに廃油を入れ、2を入れて混ぜます
廃油石鹸を作る際の注意点
エコになり、手にもやさしい廃油石鹸ですが、作る際には注意することがあります。特に化成ソーダは劇薬なので取り扱いには注意が必要。苛性ソーダの取り扱い方法や注意点について解説します。
苛性ソーダが皮膚につかないようにする
劇薬と言われる苛性ソーダは皮膚につくと火傷をする危険性があります。軍手やゴム手袋を着用するようにしましょう。服装は長袖を着用するようにしてください。もし皮膚についたら、すぐに洗い流し、必要であれば皮膚科にいくようにしてください。
苛性ソーダが目に入らないようにする
万が一目に入ったら、失明のリスクがあります。苛性ソーダを扱う際には、必ず防護用のメガネを着用すること。また、吸わないようにマスクをすることも忘れないようにしましょう。
苛性ソーダが衣服に着くと穴が開くリスクがある
苛性ソーダが衣服に着くと服に穴が開いてしまうことがあります。廃油石鹸を作る際には、穴が開いてもいい服に着替えることをおすすめします。できれば、苛性ソーダを扱ったことがある人や、苛性ソーダを使った石鹸づくりの講習を受けた人と一緒に行いましょう。
苛性ソーダは印鑑を持って薬局で購入する
苛性ソーダは薬局で購入できますが、印鑑が必要です。購入する際には印鑑を持参していくことを忘れないように。また、中には取り扱っていない薬局もあるので、事前に確認してから買いに行くといいでしょう。
まとめ
廃油石鹸は食器を洗ったり、お風呂の掃除に使ったり、さまざまな用途があります。しかも、食用油の処理に困ることがなくなり、エコとしてもおすすめ。石鹸を買わずにすむので節約にもなるでしょう。ただし、苛性ソーダを使う際には、目や手につかないようにしっかり対策をして行わなければいけません。最初は経験者と一緒に作ることをおすすめします。