注意力には3つの種類がある
まず、注意力には3つの種類があることを覚えましょう。
持続的注意と選択的注意、分割的注意がそれにあたります。ここでは、3つの注意力についてそれぞれ詳しくご説明します。それぞれの特徴を理解してくださいね。
持続的注意
持続的注意とは、文字通り持続的な注意のことです。注意力は持続させないと意味をなさないこともありますし、すぐ途切れてしまうようでは役に立ちません。持続的に注意を払えることがとても大切です。
一時的に注意を払うだけなら誰でもできますが、それだけだと不十分です。継続的に注意が必要なシーンは多々あります。仕事でも、注意力が持続しないと、途切れた瞬間にミスをしてしまうことは想像に難くないでしょう。
選択的注意
選択的注意は、優先的に注意を払うものを選択するということです。周りに注意するといっても、すべてに注意を払うことは難しいです。範囲が広大な場合だと、とてもすべてのものに注意を向けることはできません。
そこで必要になってくるのが選択的注意です。今自分は何に対して注意を払うべきか、もっとも注意すべきところはどこか、というのを選びます。これによって、本来注意を向けなくてはいけないところに、集中できるのです。
分割的注意
分割的注意は、同時に二つのことをしながら行う注意のことです。例えば、車を運転しながら会話をするときを考えると分かりやすいでしょう。この時、車を安全に運転することと、会話を成立させること、二つに注意を払っています。
日々の生活の中では、二つのことを同時に進行することは多々あります。片方だけに注意を向けるわけにはいきませんし、どちらにも注意を向けなくてはなりません。その時に必要な注意力が、分割的注意というわけです。
注意力が低下する原因
ここでは、注意力が低下してしまう原因についてお話します。
注意力が低下してしまう原因はたくさんありますが、整理整頓ができない、疲れたとれていないなどが挙げられます。一つずつ見ていきましょう。
身の回りが整理整頓されていない
整理整頓ができていないと、注意力が低下してしまいます。人間は常に目からさまざまな情報を得ています。目から入った情報を脳で処理し、手足に信号を送って動かしているのです。
見の周りが片付いていないと、いろいろなものが目に飛び込んできます。結果的に、脳で処理すべきことが多くなってしまい、本来処理することができなくなります。また、周りにいろいろなものが転がっていると、つい触ってしまったり、興味を持ったりするので、それで注意力が低下します。
予定を立てることが苦手
注意力が低下してしまう人は、予定を立てるのが苦手なことが多いです。やるべきことの優先順位が分からず、うまく予定を立てることができません。順番に予定を立てればいいのですが、次の予定まで考えてしまうので雑念が生じます。
何をしていても次の予定まで考えてしまい、結果的に作業に集中できなくなることがあります。二度手間、三度手間になってしまうこともありますし、結局また一からやり直し、となることも少なくありません。
同時進行の作業をしてる
同時に複数のことをしようとすると、どうしても注意力は下がってしまいがちです。最初のうちは注意力も持続できるでしょうが、人間はそこまで長時間注意力を持たせることができません。次第に注意力が低下してきます。
途中から、一つのことにしか注意を払えなくなることもあります。気が付くと、一つの作業でミスをしていた、ということもあるでしょう。注意力が散漫になってしまい、結局どちらも中途半端になってしまうことがあります。
ストレスを抱えている
ストレスを抱えていると、注意力が乱れがちです。イライラしてしまいますし、集中力も保てません。ちょっとしたことでもイライラしてしまうので、最初のうちは持続していた注意力も、途中から散漫になってしまうのです。
ストレスがあると、倦怠感を覚えてしまいます。ストレスで倦怠感が出てしまうと、脳は体に休めと指令を出しています。しかし、それを無視して作業をしてしまうと、注意力が落ちた状態で作業を進めてしまうことになります。
疲れが取れていない
疲れがとれていないときには注意力が散漫になりがちです。身体の疲れがとれていないときは、脳の疲れもとれていないことが少なくありません。そのような状態だと、どうしても注意力は下がってしまうでしょう。
疲れているのに、きちんと睡眠をとっていない、という状態だと注意力の乱れは顕著に現れてしまいます。普段ならやらないようなミスもしてしまうでしょうし、自分でもどうしてそのようなミスをしたのか分かりません。
初めて経験する作業である
初めて経験する作業だと、いろいろなところに注意を向ける必要があります。失敗しないように、一度に複数の箇所に注意を向ける必要がありますし、注意力が散漫になってしまいます。
注意を向ける場所が多すぎるため、どうしても全体的な注意力は低下してしまいがちです。かなり集中して作業したつもりでも、ミスをしてしまうこともあるでしょう。これはある意味し方のないことでもあります。
注意力がアップする行動8選
注意力をアップさせたいと思っているのなら、ここでご紹介する内容が役立つはずです。
ここでは、注意力をアップさせる行動を8つピックアップしました。どれもすぐ取り組めるものばかりなので、今日からでも始めてみましょう。
短い時間だけ集中するトレーニングをする
普段から注意力が散漫になりがち、という方は、このトレーニングをしてみましょう。短い時間だけ集中するというトレーニングで、まずは5~10分くらいで試すことをおススメします。
このトレーニングを行うことによって、一つのことに注意を払えるようになります。散漫している意識を一つに向けるトレーニングを行えば、注意力が散漫になることを改善できます。まずは5分で始め、次に10分で取り組んでみましょう。その時間だけは、何が何でも集中してください。
気持ちを落ち着かせる
気持ちが高ぶっていたり、乱れていたりすると注意力は自然と散漫になりがちです。そのため、注意力が散漫になったと思ったら、気持ちを落ち着かせましょう。手軽にできるのは深呼吸です。大きく息を吸い込み、大きく吐いて意識を集中させてください。
また、一度休息をとるのもおススメです。注意力が散漫になっているときに、ムリに作業を続けようとしてもムダです。結局ミスが多くなり、後でやり直すことになるでしょう。一度脳と体を休めることで、再び注意力を発揮できるようになります。
スケジュールには余裕を持つ
注意力が落ちる原因の一つは、精神的な焦りがあるからです。精神的に追い込まれている、焦っているという状態だと、どうしても注意力は下がってしまいます。例えば、車を運転するときに焦ってしまうと注意力が落ち、事故を起こす可能性がありますよね。それと同じことです。
また、仕事の納期が迫っているようなときも同様に、注意力が低下してしまいます。時間に気を取られてしまいますし、注意を向けなくてはいけないところに注意が向かなくなるのです。こうしたことを避けるためにも、スケジュールは常に余裕をもって組み立てる必要があります。
スマホの電源はオフ
スマホはとても便利な存在ですが、スマホが注意力を低下させる原因となることも少なくありません。スマホにはさまざまな通知が届くので、それが気になって注意力が落ちるのです。そのため、注意力を散漫にさせたくないときは、スマホの電源はオフにしておくべきです。
スマホアプリとして人気のLINEは、コミュニケーションツールとしてすっかり定着しています。普段からLINEを使っていると、通知の音にも敏感になりますよね。何かの作業をしているときも、LINEが届いていないかどうか気になってしまいます。大切な作業をしているときほど、スマホはオフにしておきましょう。
ヘッドホンなどで雑音をカット
耳に雑音が入ってしまうと、集中力や注意力を低下させてしまいます。人間は耳や目から入った情報を脳で処理しているので、余計な音が耳に飛び込んでくるということは、脳がそれだけ処理をしなくてはならなくなります。
雑音で集中力や注意力を乱されるときは、ヘッドホンや耳栓などを使って雑音をカットしましょう。余計な雑音を耳に入れなければ、注意力も持続できるはずです。今は性能のよい耳栓もたくさんあるので、効果的に使用しましょう。
十分な睡眠時間を取る
睡眠時間はしっかりとることです。睡眠時間が少なくなってしまうと、脳が疲れたままの状態になってしまいます。脳の疲労がとれていないと、注意力はもちろん集中力の乱れにもつながり、作業効率も落ちてしまいます。
注意力を発揮しなくてはいけない大切な作業があるときは、前日にはしっかり睡眠をとってください。できれば、8時間程度寝たほうがよいでしょう。また、少しでも良質な睡眠を得るために、食事はベッドに入る3時間前には終わらせておきましょう。練る前に軽くヨガやストレッチをすると、寝つきも良くなります。
作業の合間に軽い運動
ずっと同じ作業を続けていると、どうしても注意力は下がってしまいます。そのまま作業を続けたとしても、パフォーマンスは下がる一方なので、途中で軽い運動をしてリフレッシュしましょう。
軽く体を動かすだけでもリフレッシュできますし、気持ちを新たに作業ができるでしょう。スペースがあるのなら、ストレッチをするのもいいですね。激しい運動である必要はないので、適度に体を動かしてパフォーマンスをもとに戻してください。
目標達成できたらご褒美を
目標を達成できたときには、ご褒美を用意しましょう。ご褒美を用意しておけば、そのために注意力を発揮できるようにもなります。いつでも最高のパフォーマンスを発揮できるようにもなるでしょう。
毎回ご褒美を用意してしまうと、あまり意味がありません。あくまで、目標を達成できたときのご褒美です。思わずうれしくなれるようなご褒美だとなお効果的ですね。
まとめ
注意力には三つの種類があるということ、注意力が下がる原因はいろいろあることについてお伝えしてきました。
注意力が低下してしまうと、いつものパフォーマンスを発揮できなくなりますし、小さなミスを繰り返すこともあります。ここでは、注意力をアップさせる方法についてもご紹介したので、今後の仕事にぜひ活かしてください。