言われたことしかできない部下の特徴
職場に慣れていない新人であれば、どのような仕事が必要なのかを理解していないがために、自分から動いてくれないこともあります。言われたことしかできない部下には、どのような特徴があるのでしょうか。
マニュアルどおりにしか行動できない
一番の特徴がマニュアルを過剰に意識して、それ通りにしか行動できないというものです。マニュアルは確かに重要ですが、マニュアルに縛られてしまっては臨機応変に仕事をこなすことができません。上司からすると、マニュアル通りにしか動かない部下は、あまり使い勝手が良いとは言えません。
自分の頭で考えず上司にすぐ指示を仰ぐ
次にすべき仕事について、自分で考えて判断するのではなく、すぐに上司の指示を仰ぐという特徴もあります。そして指示した仕事を終えると、また次の指示を待つといったように、指示待ち人間であることが多いです。
トラブルがあると人のせいにする
言われたことしかできない部下は、仕事上で不都合なことが起こったとき、トラブルの原因を自分のせいではなく、他の同僚のせいにする傾向にあります。自分は指示された通りに動いたから、他の人のミスだという論理を展開することが多いです。
自分で判断して仕事を見つけることができない
指示されたことはこなせても、自分で判断して他の仕事を見つけられないという傾向も見られます。自分で仕事を見つけられないと、毎度指示を出さなければならないので、上司としても大変です。
部下が言われたことしかできないのはなぜ?
それでは、そのような部下はなぜ上司に言われた仕事しかこなせないのでしょうか。部下が仕事中に感じている心理状態とあわせて見て行きましょう。
自分で考えて答えを出すことができない
仕事をするためには、自分の頭で考えることが非常に大切です。しかし、これは誰でも簡単にできるというわけではありません。中には考えることは苦手という人もいます。答えを出せないから仕事を自分で見つけられず、動けなくなってしまうというわけです。
仕事の目的や全体像が把握できていない
言われたことしかできない部下は、その仕事をする目的や、仕事の全体像が掴めていないことが多いです。仕事の全体像が掴めていないと、自分が行っている仕事がどのような役割を担っているのか分からず、他に必要になっている仕事も見つけられず、能動的に動くことができなくなってしまいます。
自分の立ち位置が分かっておらず、どちらに向けば良いか分からないからこそ、その場に立ち尽くしてしまうという状態になってしまうようです。
余計なことをして怒られた経験がある
これまでに失敗した経験があり、それが原因で指示待ち人間になっているというケースもあります。自分は必要だと考えて行動したものの、適切な行動ではなく周囲や上司から叱責を受けたという経験がトラウマになり、自分から積極的に動けなくなってしまったということもあるでしょう。
勝手に動いて怒られるくらいなら、指示通りに動いて怒られないようにしよう、無難に仕事をこなそうという心理が働いています。
指示を出されるのを待っている
もらった指示通りに動き、指示されないことには手をつけずにいれば、最低限の労力で済みます。指示が出されるのを待っているだけならば、これだけ楽なことはありません。指示待ち人間の典型例とも言えます。
責任を負うことから逃げている
仕事をするということは、自分のこなす仕事に責任を持つということでもあります。責任を負えば、何かあった場合に自分の責任になってしまうため、それを嫌って自分から動きださないというモチベーションになってしまうようです。
必要以上の責任は負いたくないからこそ、自分から積極的に仕事をしようとせず、指示を待って言われたことだけをこなすだけになってしまいます。
指示されたこと以外にモチベーションをキープできない
仕事へのモチベーションをキープするのは簡単ではありません。何かをやろう、という気持ちが湧き上がらず、とりあえず無難に仕事を切り抜けることだけを考えているパターンも。指示されたことだけを無難にこなして、仕事を終えるという人もいますよね。
言われたことしかできない、というよりも、言われた仕事以外の仕事に価値を見出せないと言った方が正しいかもしれません。
言われたことしかできない部下との接し方
上司から指示されたことしかできない部下は、接し方次第できちんと働いてくれるようになります。それでは、言われたことしかできない部下とはどのように接していけば良いのでしょうか。
やるべきことのヒントを与えて自分で考えてもらう
上司から出された指示以外の仕事を積極的にこなしてもらうためには、必要な仕事は何かを自分の頭で考えてもらうことが肝心です。
そのために上司としてできることは、やるべきことのヒントだけを与えるということです。上司の言葉から、自ら答えを導き出すことができるようになれば、積極的に動いてくれるようになります。
やるべきことを目で見て理解できるよう書き出して渡す
やるべき仕事を指示するのではなく、近くで実践して見せることも有効です。言葉だけでは、理解しきれない部分も出てきますが、百聞は一見にしかずの言葉通り、見ればしっかりと理解してくれることになります。
仕事の概要は見せることで覚えてもらい、細かい指示についてはマニュアルを活用したり、必要事項を書き出して渡したりするのも有効でしょう。
仕事に対して責任感をもってもらう
言われたことしかできない部下に責任感を持ってもらうためには、当事者としての意識を持ってもらう必要があります。自分が仕事の一部を担っている、自分の仕事が関係しているといった意識を持ってもらえるように管理してください。
具体的には、名指しで仕事を伝えたり、誰がどの仕事にあたるのかを明記して全員で情報共有したりといった方法があります。
仕事の全体像を伝えて目的を明確にする
手元で行う具体的な作業だけを指示していると、組織としての仕事の全体像が分かってもらいにくいです。全体像が分からないということは、他にどのような仕事が必要になるのかも分からず、言われたことしかできない部下になってしまいます。
自分の仕事が全体の内のどの位置に属しており、どのような役割を担っているのかが分かるように、説明していきましょう。
失敗したことを責めずにその後どうしたらよいかアドバイスする
失敗は誰にでもあることですが、次にミスしないためにもきちんと伝える必要があります。大切なことは、感情的に叱ることではなく何がどう間違ってしまっているのか本質を本人に理解してもらうことです。教育のために、失敗自体を責めるのではなく、なぜ間違ってしまったのか、どうしたらミスを減らせるのかといったアドバイスも含めて教えていく必要があります。
執拗に責めてしまうと、その人のやる気が削がれてしまうだけでなく、怒られることを恐れてしまい、自分から動こうという意志が薄れてしまいます。
自分の考えを押し通さずに相手の意見を求めてみる
上司と部下という関係上、上司の言葉に部下が従うのが一般的ですが、これだけをしていては部下が育ちにくいです。部下が自発的に動いてくれるようにするためには、時には自分の考えを押し通さないことも必要です。
部下の意見を積極的に取り入れて、自分から考え、提案し、行動に移せるような環境を作っていきましょう。仕事について相手に意見を求めることで、部下自身が自分の頭で仕事について考えるきっかけが生まれます。
まとめ
言われた仕事しかこなせない部下は、その人なりの考えを持って行動しています。そして、その原因は本人だけにあるのではなく、管理する上司にもあるものです。
どのような部下でも、正しく導いてあげることができれば、必ず仕事をしてもらえるようになります。部下を教育するためにも、原因をしっかりと究明して対処していきましょう。