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スイカにはどんな栄養素が含まれているの?皮や種に栄養はない?
スイカは赤い果肉と皮、種にわけられます。これらのうちどの部分かで、含まれる成分には違いがあります。皮や種は栄養がなさそうですが……意外な事実が隠されているのです。
ビタミン・ミネラル・アミノ酸含有
スイカは果肉の90%以上が水分(果汁)で、残りの約10%のうち4~6%が糖分です。糖分の内訳は90%以上が還元糖で、あとは果糖が約5%、ブドウ糖が約1.5%、ショ糖が約1%となっています。
そのほかには、ビタミン類(A・B1・B2・C)やミネラル類(カルシウム・カリウム・リン・鉄)、アミノ酸(グルタミン・システイン・アルギニン・シトルリン)など、多くの成分がバランス良く含まれています。
皮や種にも栄養がある
スイカの果肉にはアミノ酸が含まれていると述べましたが、その中の一種であるシトルリンは、赤い果肉部分に比べて白い皮の部分に多く含まれています。その差はなんと約2倍以上。
また、捨てられてしまいがちなスイカの種にも、不飽和脂肪酸の一種であるリノール酸やたんぱく質、ビタミンB群やEが豊富に含まれています。
スイカの栄養素に期待できる効能
すでに述べたように、スイカには豊富な種類の成分がバランス良く含まれています。そのため、期待できる効能も多いです。以下にまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。
スポーツドリンクと同様の効能
スイカの果肉に微量の食塩を加えると、スポーツドリンクと同じような効能が期待できます。これはたくさんの水分と糖分、カリウム・カルシウム・マグネシウムなどのミネラルが含まれているためです。
夏にスイカを食べる人が多くいますが、そのとき塩をかけて食べるのは甘味を増すためというのが主な理由。しかし実際にはそれだけでなく、暑さや日差しにさらされる環境下で倒れてしまうのを防ぐためにも効果的なのです。
美容・健康への効能
元気に若々しく、きれいな肌を維持するのに効果的として有名なリコピン。この成分の含有量が豊富な食べ物としてはトマトを真っ先にイメージする人が多いですが、実はスイカのほうが多く含まれていることが明らかになっています。
また、スイカに含まれるアミノ酸のシステインは、紫外線による肌トラブルを予防する効果が期待できることで知られている成分です。
そしてもうひとつの注目したい成分がシトルリンです。シトルリンはスイカ特有の成分で、スーパーアミノ酸と称されています。寝るときに足が冷たくて靴下の重ね履きをしている……立ち仕事で脚がパンパンに……といった女性に多い悩みに効果的です。
スーパーなどでスイカを選ぶときのポイント
お店に行ってスイカを購入するときには、美味しく品質の良いものを選びたいところ。ここでは、どこに注目すれば当たりのスイカが手に入るのか、選び方について解説します。
叩いたときの音
美味しいスイカかどうかを判断する方法として有名なのは、叩いたときの音の違いです。ボンボンと響く音がするものは、果肉がシャキッとしている証拠。一方、ボタボタと鈍い音がするものは、熟れすぎているものであることを示しています。
見た目
見た目で良いスイカを判断するには、次の3つの点をクリアしたものを選ぶと失敗しません。
- 果皮に張りがあり、緑と黒のコントラストがはっきりしているもの
- ツルとは反対側のお尻の薄茶色部分(果頂部)が小さいもの
- ヘタのまわりが少しへこんでいるもの
なお、カットスイカを購入するときには、種が黒く果肉部分の赤色と果皮の白色の境目がはっきりしているものを選ぶと良いでしょう。
スイカの正しい保存方法
スーパーなどで購入してきたり、誰かからもらったりしたスイカ。すぐに食べきれない場合に気になるのが保存方法です。以下の内容を参考に、良い状態を保てるようにしましょう。
玉のままのものは常温保存
スイカは冷蔵庫で冷やしたほうが良い状態で保存できると考えられがちですが、実は冷やしすぎると美味しさが損なわれてしまう性質があるのです。保存の最適温度は10~15℃といわれているため、常温で風通しの良い涼しいところ(冷暗所)で保存するのがベスト。
なお、果物には収穫後に追熟して甘さが増していくものがあります。スイカはどうかというとその性質を持っていないため、購入したらなるべく早く食べきるようにしましょう。
カットしてあるものは冷蔵保存
カットして食べきれなかったスイカや、切った状態で販売されているスイカを買ってきて残した場合は、冷蔵保存が適しています。切り口にしっかりとラップを密着させて、冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。なお、玉のまま買ってきたりいただいたりしたスイカと同じく、こちらも早めに食べきるようにしてください。
スイカの栄養素を活かせるおすすめの食べ方
スポーツドリンク同様の効能を期待する場合は、果肉に少し塩を加えて食べれば良いのですが、ほかにも効能を期待して食べる方法があります。たとえば、以下の食べ方がおすすめです。
白い皮を食べる
スイカに含まれているスーパーアミノ酸の別名を持つシトルリンは、すでに述べたように赤色の果肉部分より白い皮の部分に約2倍以上も含まれています。
白い皮の部分は甘味がほとんどなく、野菜と同じように扱うことが可能です。シャキシャキとした食感や風味は、同じウリ科のキュウリやカリモリに似ているかもしれません。
おすすめの食べ方は、漬物や炒め物。今回はこれらのうち、炒め物のレシピをご紹介しましょう。
材料・作り方
スイカの皮
豚肉
ピーマン
ゴマ油
ポン酢
<手順>
- スイカの皮は外側の緑色の部分をピーラーでむいて白い部分を短冊切りに、ピーマンは細切り、豚肉はひと口大にカットする。
- ゴマ油をフライパンで熱し、豚肉をサッと炒めたら、スイカの皮とピーマンを加える。スイカのシャキシャキ感を残したいので、軽く炒める程度にするのがポイント。
- 最後にポン酢で味付けをしたら出来上がり!
種の中にある実を食べる
種は取り除いて捨ててしまう人が多いですが、リノール酸やたんぱく質、ビタミンB群やEが豊富なことを今回知って、食べる方法がないか気になった人もいるはず。
そこで、少し下準備が大変かもしれませんが、美味しく食べられるレシピを以下に記載しましたので、試してみてはいかがでしょうか。ピーナッツのような味を楽しめます。
材料・作り方
スイカの種
塩
<手順>
- スイカの種を乾燥させる(1〜2日天日干し)。
- 乾燥したスイカの種をフライパンで炒る。
- スイカの種の黒い殻をむく。
- 塩で味付けすれば完成!おつまみとしてもGood。
まとめ
特有の成分であるスーパーアミノ酸のシトルリンをはじめ、健康・美容に有用な栄養素が豊富に、バランス良く含まれているスイカ。夏になると食べたくなるという人が多いですが、効能を期待するのであればそのほかの時期にも摂るのは良いのではないでしょうか。
その際には、今回ご紹介したレシピをはじめ、いろいろなアレンジにチャレンジしてみるのも楽しいでしょう。ぜひ試してみてください。