納豆の栄養素に期待できる効能とは?おすすめの食べ方についても解説

人間が生きていく上でなくてはならない五大栄養素のほか、第六の栄養素と呼ばれる食物繊維といった具合に、納豆は栄養価に優れている食材です。今回は、栄養士と調理師の資格ホルダーで、20年以上、調理業界で働いている松山真理亜さん提供の情報を基に、納豆の栄養素と期待できる効能などについてまとめました。さらに、おすすめの食べ方や避けたい食べ方についても解説しています。

納豆に含まれている栄養素と効能

ジャパニーズスーパーフードとして海外からも熱視線を浴びている納豆。納豆からでないと摂取できない成分もあり、多くの健康・美容効果が期待できます。とくに注目の栄養素の特徴について、ここでは見ていきましょう。

大豆イソフラボン

ポリフェノールの一種で、抗酸化作用があり、体内で女性ホルモンのエストロゲンと同様に働く特徴があります。エストロゲンの分泌減少による更年期障害の対策として効果的です。また、エストロゲンはカルシウムが骨から出ていくのを防ぎ、さらにカルシウムが骨に定着するのを促進するため、骨粗しょう症の予防に効果的です。そのほか、乳ガンの予防にも良いと考えられています。

大豆タンパク

良質なタンパク質とは、必須アミノ酸9種類がバランス良く含まれているものを指します。そしてそのバランスの良さを数値化したものが、100点満点のアミノ酸スコアです。納豆には全種類の必須アミノ酸が含まれ、100近くのアミノ酸スコアを持っています。タンパク質は皮膚、筋肉、内臓、赤血球、遺伝子、酵素などの主成分で、健康維持と筋力アップに効果的です。

大豆ペプチド

大豆タンパク由来の成分で、納豆菌によってタンパク質が分解されて生み出される成分です。素早く体に取り込まれて、力を発揮してくれます。大豆ペプチドは脂質の代謝を促進して、筋肉にエネルギーを届けるために、疲労回復に効果的です。また、運動での筋肉のダメージを速やかに修復し、筋力を効果的に高めることにも期待が持てます。

大豆サポニン

抗酸化力に優れている栄養素であり、大豆の持つえぐみや渋みはサポニンによるものです。脂質の酸化を抑制し、代謝を促してくれるため、中性脂肪の吸収を抑える効果が期待できます。動脈硬化、高血圧、脂質異常症といった生活習慣病の対策として、積極的に摂りたい栄養素です。

食物繊維

水溶性と不溶性の両方の食物繊維が納豆には含まれています。水溶性の食物繊維は血糖値の急激な高まりやコレステロールの吸収を抑え、生活習慣病の対策に効果的です。一方、不溶性の食物繊維は腸を刺激してぜん動運動を活発にし、便通を促すため、便秘の予防改善効果が期待できます。

ビタミン

疲労回復効果が期待できる水溶性のビタミンB群のほか、強力な抗酸化作用を発揮することで知られる脂溶性のビタミンEが、納豆を食べることで摂れます。また、脂溶性のビタミンKが豊富に含まれており、出血したときに血液を凝固させて止血する役割や、骨の形成を促進する役割などを担っている栄養素です。

ミネラル

骨や歯を形成し丈夫に保つのに欠かせず、イライラを防ぐ効果も期待できるカルシウム、カルシウムの吸収を助けるマグネシウムが、納豆には含まれています。さらに血圧低下やむくみの解消に効果的なカリウム、不足すると貧血の原因になる鉄活性酸素を分解する働きをするセレンなども摂ることが可能です。

ナットウキナーゼ

納豆

納豆菌によって生み出される納豆特有の酵素で、ネバネバのもとになっているのがこれです。血栓を溶かす作用があるために、心筋梗塞や脳梗塞、高血圧の予防効果が期待できます。また、血中コレステロール値の低下作用もあることが示されており、脂質異常症の改善に効果的です。血液がサラサラになるために、くすみをなくし顔色を明るくすることにも繋がっていくと考えられています。

ポリアミン

細胞の生まれ変わりになくてはならない成分です。新陳代謝が活性化され、肌の老化を防ぐ効果が期待できます。また、ポリアミンは血管内の炎症を抑える働きがあることでも知られている成分です。したがって、美肌だけでなく動脈硬化の対策としても役立ってくれます。

レシチン

脳の情報伝達物質にもレシチンは欠かせず、集中力アップに効果的と考えられています。また、血中コレステロールなどの脂質と結合して、血中に分散させてコレステロールが血管壁に付着するのを防止する働きをする栄養素です。そのため、生活習慣病予防の効果が期待できます。

納豆の栄養素を活かせるおすすめの食べ方

納豆との相乗効果が見込めるなど、好相性な食品と一緒に摂る、食べるタイミングや納豆の種類に注目してみることによって、納豆の良さを上手く引き出せます。ここではおすすめの食べ方をご紹介しましょう。

相性の良い食品と組み合わせる

たとえば、疲労回復効果を期待して納豆を食べるのであれば、たまねぎやねぎが良いでしょう。ほかにも、腸内環境を整えるのを目的にするのであれば、キムチや漬物といった発酵食品との組み合わせや、オリーブオイルがおすすめです。青魚やゴマと一緒に食べると血流の改善や美肌効果が期待できるでしょう。

朝より夜に食べるほうが良い

青魚やゴマとともに摂った場合の効果は、夜眠っているときに作用するといわれています。納豆自体の血栓を溶かす働きは食後11時間前後とされ、脳梗塞の原因となる血栓が形成されやすいのも睡眠中です。朝食に食べるのが一般的な納豆ですが、この効果を期待して食べるのであれば、夕食のほうが適していると考えられます。

栄養価の高さで選ぶならひきわり納豆

納豆は粒の大きさによって複数の種類が存在します。食感が異なるだけでなく、栄養価にも違いがあるのです。栄養価はしっかり発酵することで高まります。納豆菌が付着することで発酵は進むため、表面積が大きいほど栄養価は高くなるのです。ひきわり納豆は大豆の皮を割って作るため、大粒や小粒に比べて表面積が大きく、ビタミン類など多くの栄養素を蓄えています。

納豆海鮮丼やじゃこキムチ納豆

先述した納豆と好相性な食品を使ったおすすめメニューで、納豆海鮮丼は刺身と一緒にご飯を乗せて、漬物を添えるだけで簡単にできます。じゃこキムチ納豆はちりめんじゃこやキムチ、ゴマと混ぜるだけで完成です。料理のバリエーションが多ければ飽きずに納豆を食べ続けられ、バランスのとれた食生活を送りやすくなるでしょう。

納豆の良さを消す避けたい食べ方

唇が日焼けしてしまった時のNG行為

栄養素が豊富で健康・美容効果が期待できる納豆ですが、食べ方を誤ると逆効果になってしまったり、栄養素を失わせてしまったり、風味が損なわれたりします。ここでは、避けたい食べ方について解説します。

摂りすぎる

納豆を食べすぎると、大豆イソフラボンやプリン体の過剰摂取に繋がってしまいます。大豆イソフラボンの過剰摂取は、過度に女性ホルモンが働くことによる、月経周期の乱れなどを招きかねません。一方、プリン体を多く摂ることによって尿酸値が高まり、通風を招きやすくしてしまいます。安全を意識するのであれば、1日に1~2パックにとどめておくのが良いでしょう。

熱を通す

納豆に特有の酵素であるナットウキナーゼは、熱が弱点です。また、同じく納豆に含まれるビタミンB群も、熱に強くありません。加熱すると栄養素に期待できる効果が失われてしまうため、納豆を高温で調理するのは避けたほうが良いでしょう。

卵白とあわせる

納豆と卵を混ぜて食べるのは定番ですが、混ぜるのであれば黄身だけにしておくほうが栄養素をしっかり吸収できます。白身も一緒に混ぜると、白身に含まれる成分のアビジンが、納豆に含まれる成分のビオチンと結びついて、栄養の吸収がさまたげられてしまうためです。

常温で置いておく

味が悪くなってしまうために、常温の環境で置いておくのはやめたほうが良いでしょう。なぜまずくなるのかというと、納豆菌が生きているために、常温で置いておくと発酵が進んでしまうためです。ツンとくる刺激臭が強まっていれば、発酵が進んでいるのがわかります。

まとめ

私たちにとって身近な存在である納豆は栄養価が高く、多くの健康・美容効果が期待できる割に手頃な価格で購入できる商品が多いため、毎日の食事に取り入れやすいです。そんな納豆の良さを活かす食べ方を押さえ、上手に栄養素を摂取しましょう。なお、発酵時間や温度を工夫し、納豆独特のニオイの大幅カットに成功した商品も出ているため、苦手な方はそちらを試してみてはいかがでしょうか。