ホウレンソウのあく抜き方法・保存方法・選び方・レシピなどまとめ

鉄分や葉酸、ビタミンCやカロテンなど栄養素が豊富に含まれているホウレンソウ。緑黄色野菜の中でも圧倒的な栄養価を誇り、緑黄色野菜の王様と称されています。今回は調理師とナチュラルフードコーディネーターの資格ホルダーで、介護施設の現場で調理師を務めるSKさんの情報を基に、ホウレンソウのあく抜き方法などについてまとめました。

ホウレンソウのあく抜き方法

ホウレンソウのあくの主成分はシュウ酸であり、特有のえぐみを持っています。多量に含まれてはいるものの、水溶性の成分のために、茹でて水にさらせばかなりの量を取り除くことが可能です。以下の手順でホウレンソウのあく抜きをしましょう。

①流水でホウレンソウの葉や茎のあいだを丁寧に洗う

②ホウレンソウの重量の約6倍ほどの水を沸騰させ、塩を少し入れておく

③しっかりと洗ったホウレンソウを根元と茎、葉の部分に切り分ける

④根元と茎を鍋に入れて約30秒茹でたあと、葉の部分を入れてもう30秒ほど茹でる

⑤茹であがったらホウレンソウを鍋から取り出し、冷水に浸して粗熱を取る

⑥取り出したら絞るなどして水気を取る

これで完成です。ほかの調味料や薬味、具材とあわせておひたしにするなど、美味しく食べましょう。後述するおすすめレシピもぜひ試してみてください。

ホウレンソウのあく抜きのコツやポイント

ホウレンソウを調理すると、いつも時間が経つと変色して見た目が悪くなるという苦い経験をしていないでしょうか。該当する方は、以下のコツやポイントを押さえたあく抜きができていないのが原因かもしれません。

根元と茎、葉の部分に切り分けて茹でる

切り分けることによって、小さな鍋でもあく抜きが可能です。さらに、洗ったときに汚れを落としやすくもなります。ただ、洗いすぎると汚れだけでなく栄養素まで流れていってしまうため、気をつけなくてはいけません。そのほか、根元と茎、葉の部分と分けて茹でると、普通に茹でるより早くあく抜きができるため、効率的です。

たっぷりのお湯で一気に茹でる

ホウレンソウをお湯に入れると、水温が少し低下します。たっぷりのお湯で茹でると、水温の変化を防ぐことが可能です。ただし、茹ですぎは良くありません。茹ですぎるとほうれん草の栄養分も流れ出てしまい、シャキッとした食感も失われます。これがホウレンソウを一気に茹でる理由です。沸騰させたお湯で、より強い火力でサッと茹でることによって、きれいにあく抜きできます。

CHECK!
ホウレンソウに含まれているビタミンCは、茹で時間2分だけで残存率が60%にまで低下、5分間では40%にまで低下します。

お湯に少し塩を入れておく

目安の量として、1リットルのお湯に対し塩を小さじいっぱい程度入れましょう。少量の塩を加えると、塩に含まれているナトリウムによって、ホウレンソウの緑色色素であるクロロフィルが安定化します。その結果、変色を防止して色鮮やかな仕上がりになるのです。

冷水に浸す

クロロフィルを変色させる酵素の作用を止めるために、冷水に浸して急速に冷やし、あく抜きをします。すると、ホウレンソウの鮮やかな緑色を残せるのです。粗熱が完全にとれる途中でぬるくなった場合には、水を交換しましょう。

しっかり水気を取る

粗熱が取れたらホウレンソウを水から取り出して水気を取ります。このとき、力いっぱい絞ってはいけません。茎が潰れたり葉を傷つけたりする原因になってしまうためです。水が滴ってこなくなるまで、軽い力で水気を取りましょう。巻きすを使用すれば、ホウレンソウを傷つけずに全体の水気が取れやすいためおすすめです。

生食可のホウレンソウと茹で必須のホウレンソウの違い

ホウレンソウには、生食用として販売されている品種もあります。普通の茹でる作業が必要とされているホウレンソウとは、一体なにが異なるのでしょうか。ここで違いをチェックしておきましょう。

シュウ酸含有量の違い

生で食べられるホウレンソウには、シュウ酸がほとんど含まれていません。そのため、あく抜きをする必要がないのです。あく抜きをしなければ茹でたり水にさらしたりしないため、水溶性の栄養素が流れ出ないというメリットがあると考えることもできるでしょう。味にはくせがなく、サラダで使えば彩が良くシャキシャキとした食感が楽しめます。茎が赤いのも特徴のひとつです。

シュウ酸のなにがいけないの?

ホウレンソウのあく抜きをしないとシュウ酸によるえぐみが強く出て、食味が良くありません。また、カルシウムや鉄分の吸収を阻害する存在でもあります。さらに大量摂取による結石や骨粗しょう症のリスクも指摘されているため、生食用として販売されているもの以外は、あく抜きはするに越したことはありません。

ホウレンソウを使ったおすすめレシピ

簡単にできる、アレンジがききやすい、低コスト、そして美味しく食べられる。これらの嬉しい要素を兼ね備えた、ホウレンソウとジャガイモの和風スープパスタのレシピをご紹介しましょう。

【材料】

A
茹でたホウレンソウ200グラム
茹でたジャガイモ100グラム
生クリーム1パック、

ほんだし

B
茹でたパスタ
コショウ
粉チーズ(お好み)
めんつゆ(お好み)
温泉卵

【手順】

①Aをミキサーにかけながら塩・ほんだしで味を調える

②茹でたパスタの上に、ミキサーにかけたAをかける

③Aをかけたパスタの上に温泉卵を乗せて完成

途中でめんつゆをかければ和風感が増し、粉チーズをかければ洋風感が増します。お好みで和洋に変化させて食べられます。また、パスタに使用しなくてもスープとして食べられるほか、コンソメと絞ったヨーグルトを追加し、チーズをのせて焼けばグラタンにすることも可能です。

ホウレンソウの保存方法

1回で使いきれなかったホウレンソウを日持ちさせるのであれば、冷蔵保存か冷凍保存が良いでしょう。庫内にただ入れておくのではなく、入れ方を工夫することによって、品質の低下を上手く防げます。

冷蔵保存のやり方

湿らせた新聞紙でくるみ、ビニール袋に入れて、冷蔵庫の野菜室に葉を上にして立てて置きましょう。寝かせた状態で置いておくとストレスがかかり、ホウレンソウから生じるエチレンガスによって品質の低下を助長してしまいます。

冷凍保存のやり方

生の状態で冷凍保存する場合は、チャックの付いた冷凍用保存袋に洗って水気を切ったホウレンソウを入れます。そして、できるだけ袋の中の空気を抜いてチャックを閉め、冷凍庫に置きます。

茹でたあとで冷凍保存する場合は通常に比べてかために茹でて、冷水にさらして水気を取ります。その後ラップでくるみますが、1回分ずつの量を小分けにすると使いやすいです。そしてチャック付きの冷凍用保存袋に入れて、袋の中の空気をできるだけ抜いてチャックを閉め、冷凍庫内に置いておきます。

ホウレンソウの選び方

せっかくホウレンソウを購入するのであれば、鮮度が高く美味しいものを選びたいと思う方もいるでしょう。根元や茎、葉に注目してみると、品質の良し悪しを把握できます。どういう特徴を持つものが良品なのか、見ていきましょう。

根元・茎の見方

乾燥じわが生じていない、みずみずしさのあるホウレンソウは鮮度が高いです。切り口が細くなくしっかりしていれば、よく生長していると判断できます。茎についても太いもののほうが良いです。そのほか、根元の赤みが強いものは甘さやうまみが豊富に蓄えられているため、美味しく食べられるでしょう。

葉の見方

葉の色ツヤが良く、ピンと張っていて、薄くないホウレンソウであれば、それは鮮度が高い証拠といえます。また、葉が根元付近からすき間なく生えていて、量感のあるホウレンソウは、育ちが良いことを示しているためおすすめです。

CHECK!
ホウレンソウは通年食べられる食材ですが、旬の時期は11~2月です。栄養価は夏場に比べて冬場のほうが高いですが、夏場のホウレンソウはくせが少なくやわらかいという特徴を持っています。

まとめ

ホウレンソウに含まれるシュウ酸は摂り過ぎると結石や骨粗しょう症の原因となり、えぐみが強く味も悪いために、しっかりとあく抜きして取り除きたいところです。今回ご紹介した内容を実践すれば、色や栄養素を損なわずに、鮮度の良いものを美味しく食べられます。ぜひ取り入れて、スキルアップしましょう。