たけのこ調理の基本!あく抜きの方法をベテラン調理師が教えます

和食に欠かせない食材の1つ、たけのこ。

しかし、たけのこは処理が面倒くさそう…と敬遠されがちな食材でもあります。

今回は、調理師として10年以上キャリアを積んでいるKKさんに、

  • たけのこのあく抜きの必要性
  • たけのこのあく抜きの方法
  • たけのこの切り方
  • 正しい保存方法

について伺ってみました。これを読めばきっとたけのこへの苦手意識がなくなるはずですよ。

たけのこのあく抜き、なぜ必要?

たけのこを調理する際にハードルの高さを感じさせるのが、あく抜きです。

旬を迎えたおいしそうなたけのこが丸ごと並んでいても、あく抜きの手間を考えるとすでにあく抜きされたパックで売られているものについ手が伸びてしまう…なんていう方も多いかもしれません。

そもそも、たけのこにはなぜあく抜きが必要なのでしょうか?

調理師・KKさん
たけのこのあく抜きの必要性の1つめは、たけのこのあくによって感じられるえぐみを取ることにあります。えぐみとは、たけのこを食べた際に舌がピリピリしたり、喉の奥がチクチクするようなあの感じです。

えぐみがあることで、たけのこ本来のおいしさを感じられなくなってしまうためあく抜きは必要なのです。

2つめは、えぐみの成分が増加するのを防ぐためでもあります。

えぐみを感じさせる成分は、たけのこを掘ってから日に日に増していく特徴があります。そのため、たけのこは掘りたてのものを早い段階であく抜きすることが好ましいです。

たけのこのえぐみの成分とは

たけのこのあく抜きを必要とさせているえぐみ。このえぐみはどのような成分なのでしょうか。

 

【たけのこのえぐみを作る主な成分】

・シュウ酸

・ホモゲンチジン酸

 

たけのこのえぐみの原因となっているのは、主に上記にあげたシュウ酸とホモゲンチジン酸の2つです。

シュウ酸はたけのこが成長するにつれ減少していく成分で、ほうれん草にも多く含まれているものです。このシュウ酸はカルシウムと一緒になることでえぐみを感じにくくなる特徴を持っています。

ホモゲンチジン酸は、たけのこの中のチロシンが酸化することによりできあがる成分です。ホモゲンチジン酸はアルカリ性の水で取り除ける成分です。

たけのこのあく抜きは絶対に必要?

たけのこをおいしく食べるために必要なあく抜きですが、調理法によってはしなくても大丈夫な場合もあります。

その方法とは、油を使った調理。炒め物や揚げ物のような調理では、油でコーティング剤となってえぐみを感じにくくしてくれるのです。しかし、これは新鮮なたけのこの場合に限ったほうがいいでしょう。

採取されてから時間のたったたけのこはえぐみが増しています。油での調理では、えぐみを取り除くわけではないので、味に敏感な方だとやはりえぐみを強く感じておいしく食べられない可能性もあります。

たけのこのあく抜きの方法とコツ

たけのこを調理する際には、やはりあく抜きを済ませておくのがベターです。

しかし、たけのこのあく抜きの方法がわからない…という人が多いのも事実。ここでは、たけのこのあく抜きの方法について調理師のKKさんに教えていただきましょう。

たけのこのあく抜きの方法① 米ぬかと茹でる

調理師・KKさん
たけのこのあく抜きの代表的な方法といえるのが、米ぬかと一緒に茹でるという方法です。

大きな鍋に水と米ぬか、皮付きのたけのこを入れて水から茹でます。

竹串がすっと通る硬さまで茹でたら、そのまま汁ごと冷まします。

米ぬかの成分によって、えぐみの原因である成分が中和、抑制されるという効果が期待できます。

【用意するもの】

たけのこ

米ぬか・・・一握り程度

たけのこが十分に入る鍋

 

【やり方の詳細】

①たけのこの根元の硬い部分と穂先をあらかじめ切り落とし、縦に2〜3cm程度の切れ込みを入れておく。

②鍋にたけのこ、米ぬかを入れ、たけのこが十分浸かる程度の水を注ぐ。

③火にかけ、沸騰したら落し蓋をして火を弱めます。煮汁が吹きこぼれない程度に、常にぐつぐつしている状態を保つよう気をつけましょう。

④たけのこを茹でている間、水が減りすぎていないか30分に1回くらいチェックしましょう。減っていたら足します。

⑤60〜120分茹でます。

⑥竹串を刺し、すっと通るようになったら火を止めそのまま冷まします。

 

たけのこのあく抜きの方法② 重曹を入れて茹でる

調理師・KKさん
たけのこのあく抜きの方法の2つ目は、重曹(ベーキングパウダー)と一緒に茹でるという方法です。

重曹は必ず食用のものを使用してください。茹で方は基本的に米ぬかの時と同様です。

【用意するもの】

重曹(ベーキングパウダー)・・・水1リットルに対し小さじ1程度

たけのこが十分に入る鍋

 

【やり方の詳細】

①鍋に水と重曹を入れ沸騰させます。

②皮をむいたたけのこを鍋に入れ、30分程度弱火で茹でます。その際、水が減ったら適宜足すようにしましょう。

③竹串を刺してすっと通ればOKです。火を止め、そのままの状態で冷まします。

たけのこのあく抜きの方法③ 大根おろしの汁に漬けておく

調理師・KKさん
あく抜きの3つ目の方法は、大根おろしの汁に漬けておくというもの。

上記2つと異なり茹でずにあく抜きをする方法になります。

生のたけのこの皮をむき使いたい大きさにカットしたら、ボウルや鍋に水と大根おろし汁、塩、たけのこを入れて1時間ほど浸けおきます。茹でる方法よりもたけのこの風味をしっかり残しつつえぐみを取る方法です。

【用意するもの】

大根

たけのこを入れるボウルや鍋

 

【やり方の詳細】

①大根をおろし、サラシやキッチンペーパーなどを使い水分を絞ります。

②ボウルまたは鍋にに大根おろし汁と倍量の水、塩を適量、使いたい大きさにカットしたたけのこを入れます。

③1〜2時間浸けておきます。

調理に幅が出るたけのこの切り方のパターン

あく抜きが済んだら、あとは調理するだけ。

ここではたけのこの切り方のパターンについてKKさんにご説明していただきます。

穂先の切り方のパターン

調理師・KKさん
たけのこの先端部分、穂先の切り方は主に2パターンです。

【薄切り】穂先を縦半分にして、2〜3mmほどにスライスする方法

【くし切り】穂先を放射線状にカットし、形を生かす方法

柔らかな食感がある穂先は、素焼きや炊き込みご飯のような素材の風味や食感を生かす調理に向いています。

根の方の切り方のパターン

調理師・KKさん
もう1つは根の方の切り方です。主に4パターンです。

【短冊切り】4〜5cmの長さ、1cmほどの幅のものを2〜3mmにスライスする方法

【いちょう切り】たけのこの繊維に沿って十時に切り、端から一定の厚さでスライスする方法

【輪切り】たけのこの繊維を断つように1cmほどの厚さでスライスする方法

【細切り】4〜5cmの長さ、5mmほどの幅のものを2〜3mmにスライスする方法

食感がしっかりしている根の部分は煮込み料理や炒め物のような、しっかし味を染み込ませるような調理におすすめです。

作る料理に合わせてちょうどいい切り方をチョイスしましょう。

たけのこの正しい保存方法

最後に気になるのは、あく抜きをした後の保存方法です。

できるだけ長くフレッシュな状態でたけのこを楽しむためにはどのような保存をすればいいのでしょうか?

調理師・KKさん
生のたけのこを手に入れた場合、保存するためにはまずあく抜きを行う必要があります。理由は先にも書きましたが、収穫後のたけのこは時間が経てば経つほどえぐみが増していきます。なので、購入後はなるべく早い段階であく抜きをしましょう。保存はそれからです。

茹でてあく抜きしたたけのこの場合

調理師・KKさん
茹でてあく抜きをしたたけのこを保存する場合は、あく抜きの後に皮を剥いて水につけた状態で密閉容器に入れておくだけで大丈夫です。

ポイントは、数日にわたる保存の場合は毎日容器内の水を取り替えること。保存の間にも少しずつあくが流れ出ているため、毎日水を変えることでえぐみの少ないたけのこを味わうことができます。冷蔵庫に入れて、だいたい5日〜1週間ほど持ちます。

さらに長期にわたって保存が必要な場合は冷凍保存もOKです。だいたい1ヶ月以内には食べるようにしましょう。

たけのこは冷凍期間が長すぎると冷凍やけを起こしたり、内部の水分が抜けでてスカスカした食感になってしまいます。

風味豊かなたけのこをおいしく食べるためにも、冷蔵・冷凍に関わらずなるべく早く食べきることをおすすめします。

大根おろし汁であく抜きしたたけのこの場合

調理師・KKさん
大根おろし汁を使ってあく抜きをした場合は、基本的に保存がきかないと考えましょう。

なので、大根おろし汁でのあく抜きをする場合には、必ずその日使いきれる量をあく抜きするようにしましょう。

さいごに

春の味覚であるたけのこ。

パックの状態であれば1年を通して楽しむことができますが、やはり旬の生のたけのこは風味が違います。

難しそうだと思われていたあく抜きも意外と簡単にできるものなので、生のたけのこを手に入れた際にはぜひ今回ご紹介したようなあく抜きの方法を試してみてください。