気をつけて!こんな衣類は色落ちしやすい
色移りしやすい衣類は多くはありませんが、日常的に着るアイテムのなかにも潜んでいます。特に、色が濃い衣類とほかの洗濯物と混ぜてしまうと、すべてに色移りしてしまうことにもなりかねません。具体的にはどのような衣類に注意すべきかご紹介します。
デニム生地の衣類
デニム生地には染料が多く使われていることもあり、他のものと一緒に洗濯機で回してしまうと、ほぼ確実に色移りをすると言われています。白い洋服だけではなく、柄物にも色移りをするので気をつけましょう。
もし色移りをしてしまっても、すぐに洗い落とせばキレイになるかもしれません。しかし染料は時間が経てば経つほど繊維に沁み込んでいきます。万が一手遅れになると、なかなか青みはとれないでしょう。
コインランドリーを使っている、あるいは洗濯・乾燥が一体型になった洗濯機の場合、すっかり乾いたあとに色移りに気づくケースも起こりがちです。デニムとそのほかの洗濯物は一緒に洗おうとせず、洗濯カゴを別々にするなどの工夫をしてみてください。
天然繊維を濃い色に染めた衣類
天然繊維を濃い色に染めた衣類も、高い確率で色移りします。デニム生地と同様に強く染料が入っており、色・柄のある衣類にも色を移してしまうでしょう。特に赤やピンク、青など派手な色合いのものは分けて洗ったほうが賢明です。
もちろん、簡単に色落ちするように作られているわけではありません。雨に濡れる、汗を掻く程度で色移りはしませんが、比較的水には弱いところが難点です。激しく揺らしたり、回転させたりする洗濯機は水の勢いが強く、どうしても色移りが起こります。
お気に入りの衣類を色落ちさせないコツ
なかにはお気に入りの衣類が、素材的に色移りしやすいということもあります。とはいえ衛生面を考えると、一生洗わないわけにもいかないでしょう。お気に入りの衣類を色落ちさせないためには、どうすればいいのでしょうか?多少の手間はかかりますが、状態を長持ちさせたい方は実践してみてください。
洗濯は中性洗剤を使う
自宅に洗濯用洗剤はいくつ置いているでしょうか?衣類によって洗剤を使い分けること、これが色落ちをさせないコツです。特に色落ちに関しては中性洗剤がおすすめ。一般的なアルカリ性の洗剤は汚れを落とすパワーが強いぶん、色落ちもしやすいという特徴を持っています。
そのため家庭では、中性洗剤と弱アルカリ洗剤の洗剤を使い分けるのがベストです。漂白剤や柔軟剤と合わせて、5種類~6種類ほど用意するのが理想的。色落ちをさせないための目安として、衣類のタグに「中性洗剤使用」と書かれているかどうかを確かめましょう。
大抵のものには中性洗剤を使うようにと書かれていますが、もし書かれていなくても色落ちが心配な場合、中性洗剤を使用するようにすれば間違いはありません。「中性洗剤使用禁止」という記載がないかだけは、しっかり確認しておいてください。
お湯で手洗いをする
色落ちをさせないためには、お湯で手洗いをするようにします。汚れがひどい場合、つけ置きをする人もいるはず。このときは「水」につけ置きをしましょう。洗浄力はお湯のほうが高いのですが色落ちしやすく、水のほうが色落ちをしにくいと言われています。
つけ置きせずに手洗いですぐ洗う場合は、汚れをしっかり落とせるお湯で洗いましょう。その場で洗うくらいの時間であれば、お湯を使っても色落ちはしません。ただし熱湯は衣類を痛めてしまうため、ぬるま湯くらいの温度に調節します。
紫外線を当てないように陰干しをする
色落ちをしやすいものは陰干しが原則です。ジーンズやTシャツの場合は裏返した状態で洗濯をして、そのまま裏返しで干すのが基本。表に向けたまま洗って干してしまうと、色落ちや色移りがひどくなるので気をつけましょう。
色止剤を使用する
色落ちや色移り防止として、色止剤を活用するという方法もあります。名前の通り、繊維についた色素を落ちにくくしてくれるものです。最初に色止剤を使うことで、そのあとはほかの衣類と一緒に洗濯をしても、ほとんど色移りが気になりません。ただし全く色が落ちないわけでなく、「起きにくくなる」ということを覚えておきましょう。
色止剤を使える衣類は、素材や染め方によっても異なります。色止剤ならなんでも良いというわけではないため、手持ちの服に適したものを選ぶようにしましょう。
色移りをした衣類を復活させる方法
色移りをした衣類が復活する方法をご存知でしょうか?単純にもう一度洗濯機を回すだけでは、うっすらと染料が残ってしまいます。しかし適切な対処法をとることで、元の色を取り戻すことも不可能ではありません。実際の方法を見ていきましょう。
1.すぐにお湯で洗い流す
色移りに気づいたら、すぐにお湯で洗い流します。色移りをした直後であれば、しっかりとお湯で洗い流すことで移った色が消えるかもしれません。使うのは水ではなく、お湯にしましょう。染料が浮きやすくなることで、比較的キレイに落とせるようになります。
2.洗濯機に40度~50度の熱めのお湯をためる
お湯で色移りを落とす場合、まず40度~50度くらいの熱めのお湯を洗濯機にためましょう。色移りをした衣類が少ない場合は、桶やバケツでも構いません。3着以上なら洗濯機で行ったほうが効率的。狭いバケツなどにぎゅうぎゅうに衣類を詰め込んでしまうと、お湯によって浮いてきた染料が別の場所に移ってしまう可能性があるためです。
3.重曹を入れる
お湯のなかに重曹を入れましょう。ただし元が真っ白な衣類の場合のみ、重曹ではなく漂白剤を入れてください。白以外で漂白剤を使ってしまうと、本来の色まで漂白してしまうので注意が必要です。色物や柄物だった場合は重曹、真っ白な衣類の場合は漂白剤と覚えておきます。
4.衣類を入れ時々かき混ぜながらつけ置き洗いを行う
衣類を入れたあとは、ときどき混ぜながらつけ置き洗いを行ってください。混ぜると言っても、勢いよく混ぜるのではなくある程度ゆっくりで構いません。勢いよく混ぜてしまうと疲れるだけではなく衣類自体を痛めてしまう可能性があるからです。
5.色が抜けたら一旦洗濯機から出し洗濯機に新たに水を張る
色が抜けたのを確認したら、一度洗濯機から衣類を取り出しましょう。そのまま水を抜いて洗濯機内を水洗いしたあとに、新しい水を張ってください。ここで気をつけたいのは、抜いた直後の洗濯機内に水を張らないことです。色移りの成分や重曹、漂白剤が残っている可能性があるので入念に水洗いをします。
特に肌が弱い人は、洗剤や重曹などが衣類に残っていることで、かぶれてしまう可能性もあります。小さな子どもがいる場合も、上記が残ったままでは不安です。洗濯機内のすすぎは忘れないようにしましょう。
6.衣類を再び洗濯機に戻しすすぎを行う
キレイな水を張ったら、再び洗濯機内に衣類を戻してすすぎを行ってください。衣類を洗濯機内に入れるときに、色移りしている部分が残っていないかを確認します。色移りが残っている衣類があればバケツなどに入れて、洗濯機ですすぐ衣類と、つけ置き洗いをする衣類とで分けてもいいかもしれません。
ただし、その際はすすぎを自分の手で行うか、もう一度洗濯機を回す必要があります。やりやすい方法を選びましょう。
まとめ
ちょっとした油断から、衣類の色移りや色落ちを招いてしまうことがあります。特にデニムや天然繊維を濃い染料で染めたものなどは、ほかの洗濯物すべてを台無しにしてしまう可能性もあるため要注意です。
色落ちをさせないためには、中性洗剤や色止剤を使うなどの工夫をしてみましょう。手間こそかかりますが、そのひと手間でお気に入りの洋服を長くキレイな状態で着続けられます。
色移りを元に戻せるかどうかは時間との勝負です。色移りや色落ちに気づいたときは「あとでやろう」ではなく、その場で応急処置をするようにしてください。このときスピーディに対処できるかどうかで、元に戻せるか戻せないかは決まってきます。