集中力がない人に共通している特徴
集中力が持続しないのは、計画性を持って仕事を進められていないことや、疲れていてパフォーマンスが落ちていることなどが原因です。集中力のない人にはどんな共通点があるのか、順番に見ていきましょう。
複数の事柄を同時に進行させている
一つの物事に集中しにくい環境では、コンディションが万全であっても集中力は長続きしません。複数のタスクを同時進行させようと思っても、もう片方の進捗が気になって集中できず、どちらも中途半端になってしまいます。
スケジュール管理が煩雑になり、そちらにも気をとられてしまうため、作業はできるだけシングルタスクを心がけましょう。優先順位を決めて一つずつこなしていったほうが集中しやすいです。
細かいことを考えすぎている
細かいことにばかり気をとられてしまうのも、集中力が続かない原因です。とくに完璧主義の人は細部が気になってしまい、本筋とは関係がないところまであれこれと気が散ってしまうことがあります。
細かいことに集中力を使ってしまい、重要な部分で集中力を保てなくなってしまっては意味がありません。作業の全体を見通して、力を入れて集中するべきところを見極めれば、散漫にならずに済みます。
失敗が怖くて集中できていない
「失敗するのではないか」という不安が大きい人も、集中力が途切れがち。作業中も常に最悪の場合を気にしてしまうため、作業に身が入らないのです。
ネガティブなことを考えて落ち着かなくなってしまうと、かえってミスもしやすくなってしまいます。良い結果が訪れることを期待して鷹揚に構えていたほうが、集中力を高めることができます。
休憩を適度にとっていない
集中できないのは脳が疲れているためという可能性もあります。頭をスッキリと働かせるためには、適度にリフレッシュすることが大切。休憩もとらずに根をつめていると、どんどん集中力は落ちていってしまいます。
やる気があっても体が疲れて思うように集中が続かないケースもあるため、「まだやれる」と思っても定期的に休憩は必要です。休憩もとらずに頑張りすぎていないか確認してみてください。
作業している内容を理解していない
作業の理解度が足りないと、仕事中、何度も疑問が生じてしまいます。進め方がわからなくなるたびに手が止まり、集中力も切れてしまうでしょう。
また、意味もわからず、ただ指示されたとおりに作業をするのはつらいものです。力の入れどころもわからないので、ずっと気を張っていなければならず、すぐに疲れてしまいます。まずは作業の流れや意味について確認する工程が大切です。
仕事に緊張感を持っていない
本人に「集中して仕事をしよう」という緊張感がないケースもあります。「重要な仕事ではないから失敗しても大丈夫」と考えてしまうと、どうしても気は抜けてしまいます。
仕事に失敗することにリスクがあると自覚していれば、自然と追い込まれ、集中力も高まるでしょう。プレッシャーを感じすぎるのも問題ですが、自分がたるんでいる自覚がある場合は、追い込むことで緊張感を高めるのも良い方法です。
計画を立てるのが苦手
無計画に仕事をしていると、終わりが見えず、疲れがたまってしまいます。事前に計画を立てて、その作業をどれだけやり、次に何をするのかがわかっていると、集中する時間もつくりやすいでしょう。
手あたりしだいに取りかかるのではなく、具体的な目標を立てて、それに向けて細かな段取りをつけるようにしてください。仕事が整理されれば、集中もしやすくなります。
睡眠不足
睡眠時間が足りていないときも、頭がぼんやりして集中力が削がれてしまいがち。脳の休息が十分にとれないので、日中の活動に影響が出てしまうのです。睡眠が不十分だと、本人の自覚なく作業効率や認知能力が落ちると言われています。
また、睡眠不足は集中力の低下だけではなくて、病気のリスクも高めます。健康へ及ぼす影響も大きいため注意しましょう。
集中力を高める方法
では、集中力を高めるにはどうしたら良いのでしょうか。大切なのは、生活リズムをきちんと整えること、仕事の進め方に気をつけること、そして作業中適度にリフレッシュすることです。
今からでも取り組める、具体的な方法を紹介するので参考にしてみてください。
質の高い睡眠をとる
集中力は睡眠と大きな関係があるとされています。睡眠をしっかりととらないと、脳がエネルギー不足に陥って集中するための体力が持ちません。
質の高い睡眠のためには、まず睡眠時間を確保しましょう。毎日7~8時間程度の睡眠が良いとされています。さらに熟睡できるような環境を整えることも大切です。寝る前1時間はパソコンやスマホなどをさわらずに目を休める、半身浴をして体温を上昇させてからベッドに入るなどがおすすめです。
作業中は水分をこまめにとる
水分不足も頭の働きを鈍くし、疲れやすくすると言われています。作業をしているときには、こまめに水分補給を心がけることで集中力が持続しやすくなると言われています。イースト・ロンドン大学とウェストミンスター大学の研究者らが行った実験によると、集中したい作業に入る前に、500mlの水を飲んでおくと効率がアップしたという研究結果もあります。
水分不足になっていることは、意外と自分では気がつかないものです。コーヒーやお茶など、利尿作用がある飲み物を飲みながら仕事をする人は、気がつかないうちに水分が足りなくなっていることも。健康のためにもこまめな水分補給が大切です。
姿勢を良くする
姿勢が悪いと余計な力が入るため、骨や筋肉に負担がかかり、気がつかないうちにストレスがたまってしまいます。正しい姿勢をとると、胸が開いて楽に呼吸をしやすくなります。
深い呼吸ができるようになるので、脳へもきちんと酸素がいきわたるでしょう。デスクワークの人はイスに深く腰掛けて、ピンと背筋を伸ばした良い姿勢を心がけてください。
定期的にトイレなどに行き席を立つ
きりの良いタイミングで定期的に席を立つことも、集中力を持続させるポイントです。人間の集中力は長くても1時間程度しか保てないと言われています。その後はどうしても効率が落ちてしまいますが、席を定期的に立つことで、集中力をいったんリセットすることができるのです。
席を立つのは作業が詰まってしまったときや、難しい問題に悩んで手が止まってしまったときなどにもおすすめ。体を動かし、目線を変えることで気分を一新できます。
指回し体操
指先と脳は直結していると言われています。作業の前に指先に神経を集中させることで、集中力を高める効果が期待できます。
指回し体操のやり方は簡単。
1.まず、両手の指の先をあわせて、指と手のひらで球体をつくるようにします。
2.その状態で人差し指を離して、左右の指を、リールを巻くようにくるくると回しましょう。
3.10秒ほど続けたら中指、薬指と指を変えて同じように回します。
デスクに座ったままでも気軽にできるため、仕事を始める前や仕事の最中に試してみましょう。
お茶やコーヒーなどカフェインを摂取する
コーヒーを飲んだグループと飲まないグループの作業成績を比較した研究で、適度なカフェインを摂取することで集中力がアップし、生産性が高まるということがわかったとされています。カフェインが持つ中枢神経を活性化させたり、筋肉の働きを活性化させたりする働きによって、脳の情報処理能力が高まるためだと考えられています。
お茶やコーヒーには豊富なカフェインが含まれているため、集中したい日に試してみてはいかがでしょうか。また、眠気を覚ます効果も期待できるため、昼寝の前に飲んでおくと仮眠からスッキリ起きられます。ただし、カフェインの摂りすぎや、大量に砂糖が含まれている市販のコーヒーには気をつけましょう。トイレが近くなったり、かえって集中力を落としたりする可能性があります。
大きな目標とは別に簡単にクリアできる小さな目標を設定する
目標が遠いと達成度がわかりづらく、モチベーションが下がってしまいます。緊張感がなくなり、集中力も落ちてしまうでしょう。これを防ぐため、大きな目標を立てるだけではなくて、それに至るまでの小さな目標を設定するのがおすすめです。ゴールが近いため、短いスパンで集中して作業することができます。小さな目標を積み重ねるうちに、大きな目標が近づいているはずです。
小さな目標の設定は、その日のうちにクリアできるような目標が望ましいでしょう。「10分本を読む」「5件訪問する」など、やる気さえ出せば必ず達成できる程度の難易度が理想です。
仕事は細かくタスクにして作業の進行状況をチェックする
仕事は細かなタスクに分けることで、見通しが良くなります。何時間もかかるタスクを連続して集中してこなすのは難しいですが、細かなタスクであれば集中力も続きやすいです。
また、それぞれのタスクの進行状況をチェックしやすくなり、仕事を進めやすくなるのもメリット。段取りをつけて仕事をするためにも、タスクを細分化して進み具合をチェックすることは大切です。
まとめ
集中力がないことに悩んでいる場合、仕事の進め方や体調に問題があるのかもしれません。
タスクを整理して一つのタスクに集中しやすくする、体の不調を招く習慣を改善するなど、ちょっとした工夫をするだけでも、集中力を高めることは可能です。紹介した情報を参考に、ぜひ集中力を高める方法を実践してみてください。