日焼け止めのSPFとは
日焼け止めは、どれぐらい効果があるか指標が必要です。その1つにSPFがあり、紫外線をどれぐらい防げるのか、数値によって表されています。日焼け止め製品であれば、多くにSPFの数値が書かれています。
サンプロテクションファクター(Sun Protection Factor)の略
日焼け止め製品に書かれているSPFとはSun Protection Factorの略であり、日本語では紫外線防御効果という意味です。紫外線の中でもB波を防ぐ指標となっており、数値が大きいほど日焼け止め効果は高いです。紫外線B波は、短時間で肌に赤みや炎症を起こさせて肌を黒くするので、赤みなどを防ぐのに役立つと言われています。
ちなみに、紫外線には、A波、B波、C波と3つあります。B波は、レジャー紫外線とも呼ばれており、肌を赤くさせ炎症を引き起こすとともに、シミやそばかすの原因になると言われています。
紫外線B波の防止効果を表す目安の数値
SPFの数値は最大で50+です。1~50+までの数値で紫外線B波を防止する効果が表現されており、何も塗らない場合に対してどれぐらい紫外線を防げるのか、その時間を表します。
SPFは1で紫外線を約20分間防止でき、日焼けを20分間遅らせると言われています。つまり、SPF1の日焼け止めを塗って紫外線を浴びれば、20分間までは日焼けしないと言われています。SPFが2であれば40分程度、50であれば20分×50で1000分程度防止可能です。
数字が大きいほど効果が高くなる
SPFは数字が高いほど効果的です。SPF30であれば、600分程度、つまり10時間程度は紫外線B波を防ぐと言われています。
ただし、人によって日焼けに対する耐久力は違います。肌色や人種によっても変化し、色白だと15分程度で肌が赤くなる人もいますし、色黒だと25分程度で日焼けするような人もいます。
人によって紫外線を浴びても日焼けまでの時間は違うのです。そのため、SPFは数値が高いほど効果がありますが、SPFが同じでも、人によってその効果は違ってくるので注意してくださいね。
日焼け止めのPAとSPFの違いとは?
SPFは説明の通りサンプロテクションファクター(Sun Protection Factor)で、紫外線B波を防ぐ効果を表します。さらに日焼けに対する効果としてあるのが、プロテクショングレイドオブUVA(Protection Grade of UVA)です。PAも日焼け止め製品には書かれており、こちらは防止効果を+の数で表します。
PAはプロテクショングレイドオブUVA(Protection Grade of UVA)の略
PAもSPFも紫外線を防止する効果です。SPFが紫外線B波を防ぐのに対し、PAは紫外線A波を防ぎます。肌の奥深くまで届き、コラーゲンなどを傷つけ、しわやたるみ、肌老化などを起こすと言われているのが紫外線A波です。
日焼け止めとして使うならば、SPFはシミやそばかすなど肌の表面の変化、PAはしわやたるみなどアンチエイジングを目的として使います。
紫外線A波はB波ほど有害ではないと言われていますが、窓ガラスや雲を突き抜けて降り注ぐので、室内や曇りの日でも注意した方がよいでしょう。室内にいるなら、カーテンやUVカットシートである程度防げます。
PAは紫外線A波の防止効果を表す目安の数値
PAはSPFと違い数値では表されません。+によって表現され、++++、+++、++、+の4段階あります。++++が極めて高い効果がある、+++が非常に効果がある、++がかなり効果がある、+が効果がある、です。
効果があるという曖昧な表現ですが、日光を直接的に強く長時間浴びるときほど+の多い日焼け止めを使いましょう。目安としては、買い物やゴミ出しならば+、屋外レジャーや軽いスポーツなら++、炎天下のレジャーや海水浴、長時間屋外での活動なら++++の日焼け止めを使うのがおすすめです。
SPF の数値の選び方
SPFを基準に日焼け止めを選ぶなら、基本の選び方はどんな場所で使うかです。日光に長時間当たるのか、日光の強さはどうかを考えて選びます。
SPF10~20: 1時間程度の外出に
1時間程度の外出、通勤や買い物、ウォーキングであればSPF10~20程度の日焼け止めで大丈夫です。日頃から日焼けを気にする人は、家の中でも使いましょう。紫外線は窓ガラスを通過するので、洗濯物を干すときや庭の草むしりなどでも、SPFの数値の低い日焼け止めを使うようにしましょう。
SPF20~30:屋外で軽く活動するときに
屋外で数時間活動するときは、SPF20~30程度の日焼け止めを使います。長時間活動すると汗で日焼け止めは流れるので、定期的に塗り直してください。数時間程度外出する場合は、日傘や帽子を使っても日焼け止めを塗りましょう。
SPF30~50:海や山などのレジャーに
海や山でのレジャーだと、1日中日光を浴びるのでSPF30以上の日焼け止めを使います。水に強いウォータープルーフタイプがありますが、それでも日焼け止めは流れ落ちるので、休憩時などに塗り直してください。また、これぐらいの数値の日焼け止めになると肌への負担が大きいので、1日の終わりはしっかりスキンケアをしましょう。
用途に応じて使い分けるのがポイント
日焼け止めは用途に応じて選びましょう。必ずしもSPF数値の高い日焼け止めを使わないといけないということはなく、日光に当たる時間が短いならば数値の低い日焼け止めでも十分です。
日焼け止めは効果が高いほど肌への負担が強く、効果が高い日焼け止めほど肌を傷めてしまうと言われています。最近はスキンケアUVという保湿剤などの入った日焼け止めもあり、肌のことを考えるならこのような日焼け止めも併用するとよいでしょう。 スキンケアUVにはコラーゲン、ヒアルロン酸、セラミドなどの保湿成分や美容成分が入っています。
日焼け止めの選び方
日焼け止めは、SPFとPAによって効果の程度が表されています。これらの数値を見て、自分の目的に応じて製品を選ぶのは1つの選び方です。しかし、人によっては日焼けしやすい、日焼けしにくいという肌の強さもあります。そのため、自分の肌質も考えて選ぶと適した日焼け止めを選びやすいです。
肌が赤くなるタイプ:SPFを重視して選ぶ
日焼けすると肌が赤くなる人は、肌が白くメラニン色素が少ない人です。メラニン色素を作る能力が低く、日焼けしても炎症を起こすために赤くなると言われています。
日焼け止めを使うなら、紫外線B波をメインに予防し、SPFを重視して選ぶことがおすすめとなります。
肌が黒くなるタイプ:SPF とPAの両方を重視する
メラニン色素を作る能力が高い人は、肌が黒くなります。日焼けを繰り返すと、肌がゴワつき乾燥しやすくなります。このようなタイプの人は、日焼け止めを使うならば紫外線のA波もB波も防ぐ製品を使いましょう。SPFとPAともに重視し両方の効果のある日焼け止めを使ってください。
敏感肌は紫外線散乱剤を使用した日焼け止めがおすすめ
敏感肌や乾燥肌の人でも、直射日光を浴びるようなときは日焼け止めが欠かせないでしょう。肌が弱いなら、肌に異常を起こす紫外線B波を予防するSPFの効果の高い日焼け止めを使ってください。
肌が弱い人向けの日焼け止め製品もあります。刺激が少なく肌に負担の少ない、紫外線散乱剤を使用した日焼け止めです。
散乱剤は、化学変化によって紫外線を防止するのではなく、肌をコーティングして紫外線を予防します。そのため肌への負担が少なく、敏感肌や乾燥肌の人にもおすすめです。拡散剤は化学変化が起きにくく、効果が続きやすいという特徴もあります。
顔用と体用で使い分ける
日焼け止めには顔用と体用の2つあります。顔は皮膚が薄く、体は皮膚が厚いので、それを考えて日焼け止めも作られているのです。このために、顔用と体用の日焼け止めは、それぞれの部位に使った方がよいでしょう。
顔用は、保湿などのスキンケア効果があり、皮膚を滑らかに見せるメイクアップ機能もあります。体用は多少刺激がありますが、紫外線防止効果が高く、付け心地がよいです。顔より体は肌の面積が多いので、体用の方が日焼け止め製品の容量は多いです。
メイクをして顔に日焼け止めを塗るなら、顔用の日焼け止めを使いましょう。最近は、顔用・体用と両方表示されているタイプもあり、このような製品は顔と体のどちらに使っても構いません、
小まめに塗り直すのがコツ
日焼け止めはどんなに塗っても流れ落ちてしまうので、日焼け止め効果を持続させるなら、こまめに塗り直しましょう。
日焼けをなるべく防ぎたいなら、日焼け止めを重ね塗りするのがおすすめです。特に、頬や鼻など日光を浴びすい場所は念入りに塗ってください。1度だけ塗ると、どうしてもムラができてしまいます。そのため2度3度と重ね塗りしてムラを作らないようにして、時間が経ったらこまめに塗り直しましょう。
お化粧をするならば、まずはスキンケアして、次に日焼け止め、そしてメイクします。化粧水などでお肌のお手入れをして日焼け止めを塗り、最後にメイクしてください。
まとめ
日焼け止めは製品によっても効果が違います。必ずしも日焼け止め効果の高い製品がよいとは言えず、日光をどれぐらい浴びるのか考えて使う製品を選びましょう。
人によっても色白や肌黒の人、さらに日焼けに強い人や弱い人がいます。自分の肌の強さに応じても、どのような日焼け止めを使えばいいか変わってきます。また、日焼け止めには顔用と体用があるので、それぞれの場所にあった日焼け止めを使いましょう。