牛乳の効果って?おすすめの摂取法と注意ポイント

牛乳が優秀な栄養源ということはおそらく万人が周知のこと。じつは、牛乳には丈夫な身体をつくる以外にも、体調や心のバランスを整えてくれるなどたくさんの働きがあるということもご存知でしたか。
  • 牛乳に含まれる栄養成分
  • 牛乳に期待できる主な効果
  • 牛乳のおすすめの摂取法
  • 注意点

をご紹介します。

牛乳に含まれる栄養成分

私たちが生きるために必要な三大栄養素であるたんぱく質、脂質、炭水化物。三大栄養素の働きを助け、さまざまな身体機能を調整するビタミン、ミネラル(カルシウム、リン、カリウムなど)。その両方がバランスよく含まれる食品、それが牛乳なのです。牛乳の栄養成分について詳しくみていきましょう。

カルシウム

カルシウムの補給に最適と言われている牛乳。牛乳は、もともとカルシウム含有量が多いうえに、カルシウムの消化吸収を高めるリンが効果的な比率で含まれているため、吸収効率が優れています

カルシウムは丈夫な骨や歯を作る成分として有名ですが、ほかにも神経の伝達やホルモン分泌、免疫機能の維持などに深く関わっている大切な成分です。食事からとることが難しく、日本人は慢性的なカルシウム不足と言われています。

牛乳なら200ml飲むことで、成人が一日に必要なカルシウム摂取推奨量の約1/3を補うことが可能です。

ビタミン類

ビタミンCは少ないものの、それ以外のほとんどのビタミンが含まれており、特に豊富なのがビタミンA(レチノール)とB2です。この2つのビタミンはレバーやウナギに多く含まれますが、毎日摂取することを考えると、牛乳は身近で手軽といえるでしょう。

ビタミンAは活性酸素の発生を抑え、細胞の老化を防ぐ働きがあるため、アンチエイジングには欠かせません。またビタミンB2には、細胞の代謝を促進し髪や肌を健康的に保つビタミンとして知られています。脂質をエネルギーに変換するため、肥満の予防や解消にも良いとされる成分です。

たんぱく質

身体の筋肉や臓器をつくる主成分であるほか、酵素、ホルモン、免疫細胞の原料ともなる生命機能に欠かせないたんぱく質。コラーゲンもたんぱく質の一種で、骨や皮膚など細胞同士をつなぎ合わせる働きがあります。さらに皮膚の弾力性をアップや保水効果が期待できるため、アンチエイジングにも欠かせません。

たんぱく質を構成する20種類のアミノ酸のうち、必須アミノ酸と呼ばれる8種類(幼児は9種類)は体内で合成することができないため、食品から摂取する必要があります。牛乳のたんぱく質には、人が体内で作ることのできない8種類の必須アミノ酸が含まれているのです。なかでも日本人の食生活では不足しがちなリジンが豊富に含まれています。

カリウム

血管の健康を保ち、体内の余分な塩分を排出するカリウム。

WHO(世界保健機関)のガイドラインを見ると、カリウムは現代日本人の食生活では不足しがちな栄養素です。

野菜や果物で摂取しようとすると大量に食べなければいけないうえに、摂取カロリーも高くなってしまうのが難しいところ。牛乳なら普段の食事ごとにコップ1杯200mlをプラスするだけで、1日の不足分が補えます。

牛乳に期待できる主な効果

学校の給食で毎日飲んでいた人も多い「身体にいい」イメージがある牛乳。栄養バランスに優れているだけでなく、期待できる効果も優秀なのです。毎日の身体づくりから体調管理、健康、美容まで私たちのトータルサポートをしてくれる牛乳の働きをみてみましょう。

血糖値上昇を抑えられる

朝食にたんぱく質を豊富に含んだ牛乳を飲むことで、食後の血糖値の上昇を抑えられると言われています。朝食でたんぱく質を摂取することにより、昼食以降の食欲もセーブでき、一日を通して血糖値の上昇を抑えることが期待できるのです。

牛乳に含まれるたんぱく質は、「カゼイン」と「ホエイプロテイン」(乳清たんぱく質)の2種類。乳清たんぱく質を摂取することにより、朝食後だけでなく昼食後も血糖値の上昇を抑制する傾向があることがわかっています。朝食にコップ1杯の牛乳をプラスするだけという簡単な食事改善法に今、注目が集まっています。

食欲も抑えられる

朝ごはん

牛乳についての研究が進むにつれ、明らかになってきたのが牛乳に含まれるたんぱく質「カゼイン」と「ホエイプロテイン」(乳清たんぱく質)が「機能性成分」であるということ。

これらのたんぱく質を摂取することで、食欲を促進するグレリンの分泌が抑えられるうえに、食欲を抑えるホルモンの分泌が促進され、満腹感が得やすくなると言われています。さらに、乳清たんぱく質には、インスリンの分泌を刺激するGLP-1の生成を高めてくれる働きがあると考えられているのです。

炭水化物の吸収が遅くなる

牛乳に含まれるカゼインと乳清タンパクというたんぱく質には、炭水化物の体内への吸収を遅くする働きがあることもわかっています。糖質が体内でゆっくり消化・吸収されることにより、急激な血糖値の上昇を抑え、体内の脂肪細胞に変換されるのを抑えることができるのです。

さらに炭水化物がゆっくりと消化吸収されると、満腹感が続き、食べる量も抑えられるので、太りにくい身体をキープすることにもつながります。時間のない朝食を、炭水化物を多く含むパンやシリアルで済ませる人たちは、一緒に高たんぱく質の牛乳を摂取するように意識すると、炭水化物を急激に消化吸収する際に生じる眠気の改善が期待できるでしょう。

牛乳のおすすめの摂取方法

飲み方を工夫することで、牛乳のパワーを効率よく引き出すことができるかもしれません。知っておくだけで簡単に取り入れられるものばかりですので、ぜひ試してみてくださいね。

朝食の前にゆっくりと飲むとダイエット効果が高い

脂肪吸収を抑え、ご飯を食べすぎないようにするために、起床後にゆっくり噛むように飲むことで空腹感を和らげることができると言われています。一日のはじまりに飲むことで空腹感を覚えにくくなることから、ダイエット効果も見込めるでしょう。

朝食でたんぱく質を摂取することにより「セカンドミール効果」が得られ、昼食以降の食欲も抑えられることがわかっています。「セカンドミール効果」とは、一日のはじめにとる食事が、それ以降の食事の血糖値にも影響を及ぼす現象のこと。

また、カルシウムの血中濃度が高まると、カルシウム調整ホルモン(副甲状腺ホルモン)などの働きにより、脂肪細胞内に含まれるカルシウム濃度が下がります。このことにより、脂肪の合成を抑制し分解を促進するといった効果が期待できるのです。

眠る前にホットミルクを飲むと睡眠の質が向上する

牛乳のたんぱく質が消化酵素によって分解されると「オピオイドペプチド」、牛乳に含まれる必須アミノ酸「トリプトファン」。この2つのアミノ酸に睡眠の質を向上させる働きが期待できます。

「オピオイドペプチド」は中枢神経や末梢神経に作用し、鎮静的に働くため眠りを誘う効果があると言われています。「トリプトファン」は体内で消化吸収されると、鎮静効果や誘眠効果が期待できる神経伝達物質である「セロトニン」に変換されるのです。

また、変換された「セロトニン」のうちの何割かは睡眠ホルモン「メラトニン」になると言われています。質のよい睡眠は、痩せホルモンとも呼ばれる成長ホルモンの分泌を促しますから、女性にとって嬉しいものばかり。ぜひ寝る前は身体を冷やさない、ホットミルクでお休みくださいね。

イライラした時に飲むと交感神経の働きを抑制できる

ストレスによるイライラや不安、緊張している場合は、自律神経が交感神経優位のときに起こりやすいです。牛乳のカルシウムには、交感神経の働きを抑制する作用も期待できます。

また、牛乳に含まれる必須アミノ酸「トリプトファン」が体内で消化吸収されてできる神経伝達物質「セロトニン」。「幸せホルモン」とも呼ばれるこの物質は、自律神経の調整機能に働きかけ、心のバランスを整えると言われています。

特に、ストレスや疲労が溜まるとセロトニンの分泌量が減少し、働きが制限されると言われているので、ストレスを感じたときほど、意識的に牛乳を飲むとよいいでしょう。

運動後30分以内に飲むと筋力アップ

筋トレやジョギングといった運動のあとにコップ1杯の牛乳を飲むことで、傷ついた筋肉細胞の修復に必要なたんぱく質を補給できます。筋力アップが期待できるほか、代謝アップも促してくれるので、続けることで疲れにくい身体づくりもできます。

筋肉はたんぱく質を構成するアミノ酸から合成されるため、効率的に摂取することで筋力アップと維持の両面が期待できるのです。運動終了から30分以内のゴールデンタイムには、体内のたんぱく質合成能力が非常に高くなっているため、タイミングよく吸収速度の速い牛乳でたんぱく質を摂取しましょう。

牛乳を摂取するときの注意点

栄養満点でどんどん飲みたい牛乳ですが、飲み方には注意したい点がいくつかあります。気軽で手軽に飲むことのできる牛乳ですから、自分にあった方法やペースで上手に取り入れましょう。毎日、長くつきあっていきたいですね。

パックに直接口をつけて飲まない

これまで見てきたとおり、栄養価が高い牛乳。じつはそれゆえ、雑菌が繁殖しやすいという弱点も持ち合わせています。つまり牛乳に含まれる栄養をエサにあっという間に菌が増えてしまうのです。

驚くべきことに、私たちの口の中には排水口やまな板に比べ、600倍も多くの菌がいると言われています。ついつい面倒で、冷蔵庫の前に立ちはだかってパックから直接ぎゅーっとやってしまいがちですが、明日の自分のためにも、パックから直接飲むのはやめましょう。

牛乳を飲み過ぎるとお腹の調子が悪くなることがある

牛乳を飲み過ぎるとお腹がゆるくなるとかゴロゴロするという人は、牛乳に含まれる乳糖を分解する酵素ラクターゼが少ない可能性があります。そもそも農耕民族である私たちの小腸には、ラクターゼが少ない傾向にあるようです。

牛乳をおいしく上手に飲むために、一度に大量に飲むのではなく、数回にわける、温めてゆっくり飲むなど、ご自分にあった飲み方を工夫してみてくださいね。毎日飲む習慣をつけることでも、乳糖の分解や代謝の増進が期待できるそうです。

まとめ

「完全栄養食品」と言われる牛乳には、身体をつくるだけでなく、身体面、精神面のバランスを整えるなどたくさんの効果が期待できることがわかりました。牛乳は身近にあって摂取するのも手軽。よりヘルシーでハッピーな毎日のために、牛乳習慣をプラスしてみませんか。