シナモンの効果とは?正しい使い方も紹介します

世界最古のスパイスといわれるシナモン。薬として使われるほか、その独特の香りや風味は古今東西で親しまれてきました。古代ギリシアでは愛をかきたてる香りといわれ、好きな相手に贈っていたという話も。じつは、栄養成分にも優れ、美容や健康にうれしい効果が期待できるのです。
  • シナモンの栄養成分
  • シナモンに期待できる健康効果
  • シナモンに期待できる美容効果
  • シナモンの効果的な摂取方法
  • シナモンの注意点

を紹介します。香りだけではない、「スパイスの王様」シナモンの実力に迫ります。

シナモンの栄養成分

豊富な栄養素が含まれているシナモン。しかも、普段の食生活では摂取しづらいものをはじめ、私たちの身体にとって重要な役割をしている栄養素がズラリ。まずはシナモンの栄養成分にフォーカスしてみました。

カリウム

体内の余分な水分の排出を促進してくれるカリウム。生命を維持するうえで欠かすことのできない大切なミネラルの一種です。おもに細胞液内でナトリウムとバランスをとりながら細胞や血管の浸透圧を調整して血圧の正常値キープをサポートしています。

むくみを改善して身体全体をすっきりさせてくれるほか、血圧の低下や骨密度の増加、筋肉や精神の機能の正常化が期待できるといわれています。

カルシウム

カルシウムは体重の1~2%と生体内に最も存在するミネラル。体内でさまざまな働きをしているカルシウムは、毎日必要量を食事などで補う必要があります。

体内のカルシウムのうち、99%はリン酸カルシウムとして骨や歯などに存在し、残りはカルシウムイオンとして、血液、筋肉、神経などの軟組織に存在しています。血液中のカルシウムイオンは一定に保たれており、食事からの摂取が不足してしまうと骨からカルシウムが溶出してしまうこともあるのです。

ナイアシン

ナイアシンというのは、ニコチン酸とニコチンアミドの総称で水溶性ビタミンのひとつ。約500種類の酵素を活性化させる働きがあります。

たんぱく質や糖質、脂質の代謝によるエネルギー産生や、身体を構成する成分の合成に不可欠なビタミン。さらには、アルコールを分解する酵素とアルコール分解から生じるアセトアルデヒドを分解する酵素の両方を活性化する働きもあります。

ビタミンB群の仲間ですが、必須アミノ酸であるトリプトファンからも合成することが可能で、私たちはこれらをナイアシンとして利用しています。

亜鉛

亜鉛はおもに、骨、肝臓、腎臓、筋肉に存在し、新陳代謝やエネルギー代謝、免疫反応など、体内のさまざまな働きをサポートし、正常に保つよう働きかけるミネラルです。亜鉛は人間の身体に必要とされる必須ミネラルに含まれています。

具体的には、味覚を正常に保つ、抗酸化作用、免疫力や新陳代謝の活性化、皮膚や髪のトラブル改善、神経伝達物質の生成などが期待できます。重要な役割を担っていますが、体内では作り出すことができないことから、食事で摂取する必要があります。

ビタミンB群

代謝ビタミンと呼ばれるビタミンB群は、あらゆる酵素の補酵素として働き、私たちが生きるためのエネルギーをつくるのに不可欠な栄養素です。お互い助け合いながら働くため、まとめてビタミンB群と呼ばれており、一緒に摂るのが望ましいとされています。

体内に蓄積されないため、毎日必要量を食事から摂取しなくてはいけませんが、水溶性のビタミンで、水に溶けやすく熱に弱い性質をもつので、加工には注意が必要です。

シナモンに期待できる健康効果

桂皮(ケイヒ)として漢方薬に用いられるほど、健康にさまざまな効果が期待できるシナモン。よく使われる漢方薬の3割以上に何らかの形で桂皮が使われているといわれています。その豊富な栄養成分と特有の香りがもたらす効果を見てみましょう。

冷え性を改善する

シナモンには毛細血管を蘇らせ、維持、強化する効果が期待でき、血流をよくすることから冷え性の改善につながると考えられています。

シナモン独特の香りの素であるシンナムアルデヒドという成分には、Tie2(タイツー)と呼ばれる受容たんぱく質に働きかけ、毛細血管を保護し、修復するという働きがあります。さまざまな栄養素を身体の隅々まで運ぶ役割がありますが、老化やストレスによって脆くなってしまいます。

免疫力を向上させる

クスノキ科の常緑樹の樹皮を乾燥させて作られるシナモン。じつは食物繊維が多く含まれ、腸内環境を整える効果が見込めます。免疫細胞が集まる腸を健康に保つことは、免疫力の向上につながる重要なポイントです。

また便秘の改善にも効果が期待できるので、腸に溜まった老廃物を排出することで、より健全な腸内環境を保てるでしょう。さらにシナモンには血流をよくする働きもありますから、基礎体温向上による免疫力アップにも役立つとされています。

リラックス

シナモンの香りには心をリラックスさせる作用があり、アロマテラピーにも取り入れられています。

さらにシナモンの摂取により腸内環境が整うことで、幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」の分泌が促進されます。セロトニンはストレスによるイライラや不安、緊張を引き起こす自律神経の調整機能に働きかけ、心のバランスを整えてくれる物質。シナモンの香りに包まれると幸せな気分になってしまうのには、ちゃんと理由があったのですね。

アンチエイジング

古代エジプトではミイラの防腐剤として使われていたシナモン。シナモンには、クマリン、ケイ皮酸、オイゲノールといった抗酸化作用の強いポリフェノールが含まれているのです。

老化の原因をつくる活性酸素の働きを抑えてくれるシナモンを摂取することで、老化スピードを緩める効果が見込めます。

また、シンナムアルデヒドの毛細血管を修復や若々しい状態を維持する働きにより、身体の隅々まで栄養素がいきわたり身体の健康を保つことにつながります。

シナモンに期待できる美容効果

女性ホルモンに似た作用があるといわれるシナモンは、女性にとって、よりその効果、効能が実感しやすいといわれています。美しい肌や髪の毛、ダイエットにいたるまで、気になるシナモンの美容効果も見てみましょう。

脂肪燃焼効果によるダイエット

シナモンには脂肪細胞を縮小させる働きがあり、脂肪の燃焼を促進してくれると言われています。さらにシンナムアルデヒドが皮下脂肪細胞に直接働きかけることで、蓄えられている脂肪を燃焼させる効果が期待できるといわれているのです。

またシナモンに含まれるプロアントシアニジンは、インスリンの分泌を促し、血糖値を安定させる効果があるといわれています。そのことにより、血糖値が下がり、体内の糖質が脂肪へ変換されないようにサポートしてくれるのです。

肌の代謝を活性化して美肌になる

シンナムアルデヒドによって肌に栄養を運ぶための毛細血管が修復されることで、血流が改善され、肌のターンオーバーが整うと言われています。肌への栄養補給が活発になり、古い角質から新しい角質へと生まれ変わることで、肌トラブルの改善も期待ができるのです。

顔のくすみが明るくなったり、透明感が出たりといった効果も期待できます。とくに毛細血管が集中している目の周りのしわやクマ、シミなどの改善にも役立ちます。髪の毛にとっても、新陳代謝の促進による薄毛の解消やツヤがでるなどの効果が期待できます。

アンチエイジング

肌が老化によって起こるシミやしわなどの原因のひとつとして、毛細血管の老化が挙げられますが、前述のとおり、シナモンには毛細血管の修復をしてくれる働きがあります。

私たちの身体中に張り巡らされている毛細血管は、酸素や栄養分の供給と、老廃物や二酸化炭素を回収する働きを担っています。加齢に従って、毛細血管が劣化することにより、肌に栄養分が届かなくなるばかりか、老廃物が体内に溜まるようになってしまいます。

シナモンに含まれるシンナムアルデヒドが毛細血管の細胞同士を結び付ける働きをするため、毛細血管の健康維持につながるのです。

むくみを改善する

シナモンに含まれるカリウムには水分代謝を調整する作用があるといわれ、身体の余分な水分を排出する効果が期待できます。

またむくみの原因として、毛細血管が傷つくことにより、水分や老廃物が適切に排出できず細胞内に溜まってしまうことが挙げられます。シナモンには毛細血管の修復を促すTie2(タイツー)を活性化させる働きによって、むくみの原因となる毛細血管の炎症予防が見込まれています。

シナモンの効果的な摂取方法

シナモンロールやアップルパイなど、身近に使われているシナモン。香りをたのしむだけでなく、健康や美容をサポートする食品として、毎日、効果的に取り入れるには、どうすればいいのでしょうか。摂取量や摂取の仕方をまとめました。

1日0.6~3gを目安にする

シナモンの摂取量は、1日あたり0.6g~3g、つまり小さじ1/4杯~1と1/2杯が適量といわれています。メーカーにもよりますが、市販されているビン入りのシナモンパウダーは一振りが約0.1gともいわれていますので、目安にするといいでしょう。

シナモンはあくまでスパイスとして補助的に使うことを考えると、1日あたり0.6g~3gという摂取量は現実的な量といえます。シナモンの効果は摂取後、2~3時間で徐々に発揮されるものの、長時間持続されないのが難点。一度に摂ってしまうより、1日数回に分けて摂取するほうがより効果を得やすいといわれています。

シナモントースト

いつものトーストにシナモンを振りかけるだけなら、忙しい朝でも気軽に取り入れられますね。トーストを焼く前にシナモンを振りかけても、焼いてから振りかけてもOK。パンにはバターやはちみつを塗ってから、シナモンパウダーを振りかけるとシナモンパウダーが飛び散ったり、吸い込んでむせたりしてしまうのを防げますよ。

さらにシナモンパウダーに砂糖を混ぜてシナモンシュガーにしたり、スライスしたバナナやりんごをトッピングしたりすることで腸内環境を整える効果が期待できるため、おすすめです。

シナモンコーヒーなどドリンクにシナモンを入れる

紅茶

カプチーノにシナモンが入っているのをよく見かけますが、コーヒーとシナモンは相性がいいのです。スパイシーでほんのり甘い香ばしさがコーヒーの苦味に溶け合い、カプチーノ以外のコーヒーでもおいしくいただけます。

コーヒー以外でも、ホットミルクにプラスすることで安眠効果が期待できます。またココアに含まれるポリフェノールの活性酸素を除去する働きが、シナモンの毛細血管の修復をサポートしてくれます。さらに、豆乳のイソフラボンの毛細血管への働きかけで、シナモンとの相乗効果が期待できます。冷え性の人には、ホットワインにシナモンがおすすめですよ。

シナモンを摂取するときの注意点

シナモンの効能!摂取方法から副作用まで

手軽に使えておいしくて、健康に美容にいいことづくしのシナモンですが、摂取には少し注意が必要です。量や摂取を控えたほうがいい人など、摂取するときのポイントをまとめましたので、上手に摂取してシナモン効果を活用しましょう。

過剰摂取をすると肝障害のリスクがある

シナモンに含まれる特有の甘い香り成分であるクマリンは過剰摂取することにより、肝障害を引き起こす恐れがあるといわれています。

クマリンには抗菌作用、記憶力や集中力アップ、更年期障害の改善にも役立つなどメリットが多いのですが、一方で肝毒性を持ち合わせているのです。

クマリンは一般的に日本でシナモンとして使われている「カシア」に多く含まれ、ヨーロッパで使われている「セイロンシナモン」にはほとんど含まれていないといわれています。過剰摂取が心配な人は、そちらの品種を選んでみるのもよいかもしれません。

のどの粘膜の腫れなどアレルギー反応が出る人もいる

まれではあるものの、シナモンを食べてアレルギー症状を発症する人がいます。これはシナモンに含まれる仮性アレルゲンのサリチル酸によるものといわれています。サリチル酸が組織に直接作用することでアレルギーのような症状を引き起こすのです。

寝不足、疲労やストレスが溜まっているなど、免疫が低下していると症状が出やすいともいわれています。おもな症状としては、じんましん、皮膚の赤み、発疹、かぶれ、口内のかゆみや痛み、くしゃみ、鼻水、目の充血といった粘膜系。そして、腹痛、胃痛、下痢といった消化器系です。シナモンを食べて、このような症状が出た場合は、病院に行くことをおすすめします。

妊娠中は控える

妊娠中にシナモンに含まれるシンナムアルデヒドを摂取すると、胎児に悪影響を及ぼす恐れがあるといわれています。妊娠中はシナモンのサプリメントを摂取したり、シナモンを大量に摂ったりすることは避けたほうがいいようです。

ただ、料理やお菓子の香りづけとして食べる分には問題ないとのことなので、かかりつけ医と相談しながら、少量をたのしみましょう。

まとめ

今まで何気なく食べていたシナモン。じつは豊富な栄養成分を含み、その効果や効能は健康や美容において、取り入れたいものばかり。

お菓子やドリンク、料理と摂り方も手軽で幅広く、すぐにでも始められそうなのがうれしいですね。