なた豆茶に含まれる成分
なた豆の成分は、ほかに類を見ないユニークなもの。なた豆を焙煎してつくられたなた豆茶には、お茶として飲むだけでは摂取できない成分も含まれています。これだけの成分を一度に摂れるなた豆茶は優秀な健康茶ということができます。
カナバニン
なた豆から初めて抽出されたアミノ酸で、血流促進といった効果が見込まれています。血流促進によって、体にすみずみまで血液を行き渡らせることができます。体が温まり、冷えの改善に繋がるといわれています。
コンカナバリンA
コンカナバリンAはなた豆特有のたんぱく質で、免疫力アップや健康増進をサポートする成分といわれています。
ウレアーゼ
なた豆に豊富に含まれる酵素であるウレアーゼは、尿素をアンモニアと二酸化炭素に分解する働きがあり、デトックス作用に役立つとされています。
デトックス作用がうまく作用しないと身体にむくみが起こることも。しっかり摂取することがおすすめです。
アミラーゼ
でんぷんを分解して糖にする消化酵素で、消化を助け、胃腸の働きを整えるとされています。
別名ジアスターゼとも呼ばれ、大根やカブ、ヤマイモなどにも多く含まれています。消化を助けるとして、脂っぽい料理に大根おろしを添えるのをイメージする人もいるかもしれません。あれは大根おろしに含まれるアミラーゼの働きを期待したものです。
サポニン
糖から構成される配糖体の総称がサポニンです。コレステロール除去や血流促進作用、高い抗酸化力があり、免疫機能の改善などが期待できます。
脂肪の吸収を遅らせ、吸収された糖質が脂肪へ合成されることを抑制する働きもあるといわれています。さらに利尿作用といったデトックス作用にも期待ができます。
ポリフェノール
抗酸化作用が強く、活性酸素といった有害な抗ストレス物質を無害な物質に変換する作用があると言われているポリフェノール。
なた豆の種子を紫外線から守るさやの部分に多く含まれており、アンチエイジング(エイジングケア)に適した成分です。水に溶けやすい性質があるため、比較的短時間で作用するものの、効果は長時間持続しないため、毎日こまめに摂取する必要があります。
ビタミン
人が健全に成長し、健康を維持するための潤滑油として不可欠なビタミン。体内で生成することはほぼ不可能なため、食べ物から摂取する必要があります。
なた豆茶に豊富に含まれるビタミンBは代謝ビタミンと呼ばれ、生きるために必要なエネルギーをつくるために必要です。また、コラーゲンをつくるのに不可欠で美容に効果的とされているビタミンCも含まれています。
ミネラル
私たちの身体の臓器や組織を円滑に働かせるために必要なミネラル。なた豆茶には亜鉛、カルシウム、カリウム、リンなどが含まれています。
亜鉛は新陳代謝やエネルギー代謝、免疫反応など、体内のさまざまな働きをサポートし、正常に機能するように調整します。
食物繊維
人の消化酵素で分解されない食物中の総体と定義されている食物繊維。排便をスムーズにし、体内の有害物質を吸着して排出させるほか、生活習慣の改善に役立つともいわれています。
大腸内の細菌により発酵、分解されることで、ビフィズス菌など善玉腸内細菌のエサになるため、善玉菌の増加を促し、腸内環境の改善へ導いてくれるでしょう。体内には吸収されないものの、健康を保つうえで重要な役割を果たしているといえます。
なた豆茶の効能
さまざまな成分が含まれているなた豆茶。それだけに効能も幅広く、毎日飲み続けると健康や美容、ダイエットにとうれしいことばかり。おいしいだけじゃない、なた豆茶に期待できる効能をまとめてみました。
むくみの予防・改善
コンカナバリンAは、腎臓のろ過機能の回復を助ける作用があります。また、なた豆には、亜鉛、鉄、マグネシウムなどのミネラルや良質なたんぱく質が豊富に含まれており血行促進や水分の代謝を高める効果などが期待できます。
またなた豆茶の利尿作用は、身体に溜まった余分な水分の排出を助けてくれるでしょう。ただ、過剰に摂取するとせっかく摂取した水分も排出してしまうため注意しましょう。
口臭の予防・改善
なた豆は歯磨き粉に利用され、口臭に効果があるといわれています。コンカナバリンAには、免疫力を高める働きがありますから、口腔内の善玉菌や悪玉菌といった細菌のバランスを整えてくれるのです。
ダイエット効果
なた豆に豊富に含まれているサポニンには、食事によって体内に吸収された糖質が、脂肪へと合成されることを抑制したり、脂肪の吸収を遅らせたりする作用があります。このことにより、高脂肪食の摂取による体重増加を抑える効果が期待できます。
また、コンカナバリンAには、ゆっくりと腸内に働きかけ、溜まった宿便を排出してくれる働きがあるといわれています。
なた豆茶の効能が得られる使い方
栄養豊富で効能も高いなた豆茶は、温かくても冷たくてもおいしく飲めるとお茶としても人気。飲み続けることで免疫力がアップして体質改善にもつながりますから、より効果的に飲み続けられるといいですね。より効能を得られる使い方を挙げてみます。
白なた豆茶ではなく赤なた豆茶を飲む
なた豆茶の原料としておもに使用されているのが、赤なた豆と白なた豆。違いは、赤なた豆のほうが、サポニン、コンカナバリンA、カナバニン、ポリフェノール(タンニン)といった成分が多く含まれていること。なた豆茶の成分による効能をより実感するには、赤なた豆茶を飲むのが正解というわけです。
また味も大きくは変わらないものの、赤なた豆茶は香ばしく、白なた豆茶はすっきりしているという傾向があるようです。
お茶に飽きたらなたサプリメントを服用する
すっきりして飲みやすくノンカフェインなので、麦茶代わりに飲んでいるという人も多いなた豆茶。でもお茶を飲み飽きたというときは、サプリメントを活用するのも一つの手です。飲むときは、用量や用法を必ず守って服用するようにしましょう。
なた豆茶を摂取するときの注意点
豊富な栄養素が含まれているなた豆茶を摂取する際の注意点をまとめてみました。商品によっても異なるので、メーカーサイトや商品パッケージに記載されている内容をよく読んで、長く飲み続けられるものを選んでくださいね。
豆類のアレルギーがある人は要注意
大豆アレルギーなど豆類にアレルギーのある人は、念のためメーカーサイトをチェックし、かかりつけ医に相談をするようにしましょう。また種類によっては、黒豆や菊の花などブレンドされているものがあり、それぞれ成分も異なりますので、アレルギーのある人は飲む前に成分表を忘れずにチェックしてください。
原産地や品質・安全性を考慮して選ぶ
なた豆茶に使われているなた豆には、国産のものとおもに中国や中南米のものが使われているようです。輸入されたなた豆には、安価な分、残留農薬などの心配があるものも。検査を受けた品質のよいものを見極めましょう。
また原料がなた豆100%のものと、黒豆、ハブ茶、桑の葉なといった別の原料が含まれているものがあります。味や効能を考えて自分にあったものを選んでみてくださいね。
自作はアミグダリンというタンパク毒があるのでNG
じつはなた豆にはアミグダリンというタンパク毒があり、摂取により体内でシアン化水素がつくられます。これは細胞の呼吸に影響を及ぼし、副作用として嘔吐、頭痛、めまいといった症状を起こす場合があると言われています。
商品化されているなた豆茶は、製品化の過程で毒素を除去しているため問題ありませんが、自作でなた豆茶を作ったり、豆そのものを摂取したりするのは避けたほうがいいです。
まとめ
さまざまな栄養成分を含み、花粉症をはじめとした幅広い効能が期待できるなた豆茶。さらに飲み続けることで免疫力アップに期待も。カフェインフリーで飲み方も簡単だから、気軽に始められるのがうれしいですね。健康維持や気になる体質の改善を目指して、毎日の水分補給をなた豆茶に置き換えてみるのもいいかもしれません。