小さな紫色の花が可憐なラベンダー
ラベンダーと言えば、鮮やかな紫色の花を咲かせることが知られています。意外に思う方もいるかもしれませんが、実はシソ科の植物で、ラベンドュラ属となります。また、ラベンダーの香りは芳香剤や入浴剤などにもよく使われていますね。
シソ科の植物で鮮やかな紫色の花を咲かせる
シソ科、ラベンドュラ属の総称がラベンダーです。30cmから90cmほどに成長する植物で、鮮やかな紫色の花を咲かせるのが特徴と言えるえしょう。
どこでも育てられると思っている方も多いでしょうが、実は高温多湿な環境を苦手としています。乾燥した地域で育てやすい特徴があり、もっとも育てるのに適しているのは北海道と言われています。
ラベンダーの香りはリラックス効果や安眠効果が期待できる
ラベンダーの香りは、よく入浴剤や芳香剤などに使用されます。どうしてラベンダーなのか、と不思議に感じた方もいるでしょうが、実はラベンダーの香りにはさまざまな効果があると言われています。ラベンダーの香りはリナロール、酢酸リナロルなどが主成分となっており、緊張をほぐしてリラックスさせる効果が期待できます。
鎮静や安眠などに効果が期待でき、心に安らぎをもたらしてくれます。頭痛や胃痛、月経痛などの痛みをの緩和、自律神経のバランスを整える働きもあるようです。
ラベンダーの種類と特徴
ラベンダーと一口に言っても、実はいろいろな種類があることをご存じでしょうか。そこで、ここでは代表的なラベンダーの品種を集めてみました。それぞれの特徴もご紹介するので、興味がある方はぜひご覧ください。
イングリッシュラベンダー
ラベンダーの中で、代表的な品種と言えばイングリッシュラベンダーです。北海道でよく栽培されている品種となります。
寒さに強く、ラベンダーの香りが強いのも大きな特徴と言えるでしょう。花からたくさんの精油が採取できるため、香料として利用されることが多いです。
ラバンジン系ラベンダー
鮮やかなパープルカラーが印象的なラベンダーです。スパイクラベンダーとイングリッシュラベンダーを交配して作られた品種で、耐暑性に優れていることが特徴と言えるでしょう。また、暑さに強いだけでなく、寒さにも強いため、さまざまな環境下において育てやすい品種と言えます。初心者向けかもしれませんね。
フレンチラベンダー
ウサギの耳を彷彿とさせる見た目が印象的なラベンダーです。可愛らしい見た目が人気ですし、耐暑性にも富んでいます。寒さにはやや弱い部分はあるものの、寒い場所で栽培できないということはなく、枯死するようなことも少ないです。
見た目のバランスが良く、数あるラベンダーの品種の中でも香りが優しいというのも特徴でしょう。
イタリアンラベンダー
イタリアンラベンダーも、フレンチラベンダーのようにウサギの耳のような苞をつけます。見た目が可愛いことから観賞用として人気があります。ラベンダー特有の香りがほとんどしないことが大きな特徴です。そのため、ラベンダーは育てたいものの、香りが苦手、という方にとっても最適な品種と言えるでしょう。
レースラベンダー
レースラベンダーは、細かく切り込みの入った葉がレースのように見えることから、こう名付けられました。観賞用として開発された、園芸種となります。
暑さや寒さに弱いという特徴があるので、初心者向きではありません。どちらかというと上級者向けの品種となります。
ラベンダーを育てるための基礎知識
ラベンダーを育てるには、知っておくべき知識もいくつかあります。意気揚々と育て始めたはいいものの、すぐに枯れてしまった、ダメになってしまった、となっては悲しいですよね。ここでは、ラベンダーを育てるための基礎知識をご紹介します。
乾燥気味で育てるのが基本
ラベンダーは、乾燥した地域を好み高温多湿を苦手とする、という特徴があります。北海道でよく栽培されているのも、こうした理由からですね。そのため、育てるときは日当たりが良く風通しもいい場所で育てなくてはなりません。ただ、真夏の日差しには弱いので、暑すぎる時期には日陰に移動させてあげましょう。
水はラベンダーの根元の土全体に
花や葉に直接水をかけるのではなく、土に水をやるようにしましょう。根元の土全体を湿らせてあげる感じです。
ラベンダーは乾燥を好むので、水やりをする前に土が乾燥しているかどうかも確認しなくてはなりません。乾燥していないのに水を与えてしまうと、多湿状態になってしまいます。
苗からスタートすると育てやすい
種まきからスタートするとなると、ある程度高度な知識や経験も必要になります。初心者だと失敗してしまう可能性も高いので、苗からスタートすることをおすすめします。
苗からだと、花を咲かせるまでそこまで長い期間は必要ありません。ラベンダーの苗と植木鉢、培養土、鉢底石などがあれば、ラベンダーを育てられます。
土は水はけのよいタイプを選ぶ
ラベンダーは乾燥を好む性質を持つので、水はけのよいタイプの土を選ぶのが基本となります。水はけの悪い土を選んでしまうと、必要以上に土が水分を含んでしまい、ラベンダーに悪影響を及ぼしてしまいます。
また、ラベンダーの原産地の土壌は弱アルカリ性なので、土を選ぶときには弱アルカリ性の土を選ぶのもポイントです。
肥料はそれほど必要ない
基本的に肥料はそれほど必要なく、与えなくても育てられます。肥料を与えるのなら、3~4月、9~10月ころに与えるようにしましょう。緩効性肥料を与えることで、新芽や花芽の増加が期待できます。また、根張りの強化、樹勢の回復といった効果も期待できるでしょう。
苗の植え付けに適しているのは春と秋
春や秋なら気候的に、ラベンダーの植え付けに適しています。春だと4~5月ころ、秋なら9~10月ころです。
室内で植え付けを行うのなら、ブルーシートや新聞紙などを敷いておくと、床を汚さずに済みます。
鉢の1/3くらいまで土を入れ、鉢の中心に置いた苗の周りを土で埋めていきます。
土で高さを揃えて苗を固定すればOKです。
根本の風通しが悪くなるので寄せ植えには向いていない
寄せ植えとは、複数の植物を一つの鉢で一緒に育てるようなことを言います。ラベンダーの性質上、寄せ植えには向いていません。
寄せ植えをするとワンシーズンで枯れてしまう可能性が高いので、枯れたら廃棄すると決めているのなら良いでしょう。大切に長く育てたいのなら、寄せ植えはしないことです。
夏は直射日光を避けて涼しい場所へ
ラベンダーは乾燥した場所を好むので、できるだけ日当たりの良い場所に置いて育てるのが基本です。しかし、真夏の直射日光は相当な熱量となりますし、ラベンダーにもよくありません。
そのため、日差しの強い夏場には涼しい場所に避難させてあげるのもポイントです。涼しい場所に移すときも、風通しが良いかどうかを確認してください。
冬は寒さを避けるために室内などに移動する
ラベンダーの品種によっては、寒さに弱いものもあります。そのため、ラベンダーを外で育てている場合は、寒さをしのぐために室内に移動させましょう。冬だとエアコンをつけることも多いので、部屋の中も乾燥しがちですが、基本的に乾燥はあまり気にしなくて大丈夫です。ただ、ストーブなどのすぐ横に置くのはNGとなります。
ラベンダーは植え替えを嫌う
ラベンダーは根が弱い植物です。とてもデリケートな植物なので、それが植え替えを嫌うと言われる理由です。根が傷ついてしまうと、最悪花を咲かせなくなる、枯れるといったことも考えられるでしょう。1~3年経ったラベンダーは植え替えの時期ですが、植え替えをするときにはできるだけ丁寧に行うようにしてください。
プランターや花壇などで育てることができる
ラベンダーは鉢のほかに、プランターや花壇でも育てることができます。たくさんのラベンダーを植えたい、育てたいという方は、プランターや花壇で育てることも検討してみましょう。ただ、近くにほかの植物を植えるのはダメです。寄せ植えに向いていない植物なので、最悪ワンシーズンでラベンダーが枯れてしまう恐れもあります。
ラベンダーの花の収穫について
ラベンダーの花にはさまざまな使い道があります。そのため、花が咲いたら収穫することをおすすめします。切り取ってドライフラワーやハーブティー、リース、サシェなどにも使えますよ。ここでは、ラベンダーの花の収穫についてお伝えします。
ラベンダーは5月から7月ごろに花を収穫することができる
ラベンダーの花を収穫するタイミングは、5月下旬から7月下旬くらいとなります。収穫の時期までに、どのような使い道をするか考えておくと良いでしょう。また、できるだけ数日間晴れが続くタイミングで収穫することをおすすめします。雨のすぐあとは乾燥させにくいですし、ドライフラワーなどに使用するなら特にそうです。
花の収穫はわき芽の3分目ぐらいから摘むのがベスト
これくらいの位置で摘むのがベストですが、収穫する位置で今後の成長やクラフトするときの使い勝手などが変わってきます。収穫した花を何に利用するか、といったことも考えつつ、ラベンダーの花を収穫するようにしてください。
ラベンダーの活用法
収穫した花は乾燥させてポプリにできる
収穫した花の代表的な使い道の一つとして、ポプリやサシェにすることが挙げられます。
収穫したラベンダーの花を乾燥させ、電子レンジに入れて水分を飛ばします。あまり高温で加熱してしまうと花びらが焦げてしまうため注意しましょう。
袋に入れてアロマオイルを数滴たらし、オシャレな瓶に詰めたらラベンダーのポプリが完成です。
ラベンダーシュガーにして紅茶やお菓子作りに
ラベンダーのほのかな香りが楽しめるラベンダーシュガーです。ラベンダーとグラニュー糖があればできるので、ぜひ試してほしいです。
乾燥させて半ドライになったラベンダーを細かく刻み、グラニュー糖と一緒に密封容器に入れます。
あとは一日おきに混ぜれば、約10日ほどでグラニュー糖に香りが移ります。
使うときにはミルでひいて粉状にしてください。
まとめ
ラベンダーの品種によって特徴があるので、まずはそれを理解したうえで手に入れてくださいね。また、香りのしっかりしたタイプのラベンダーなら、花を収穫していろいろなことに使えます。ここでご紹介したポプリやラベンダーシュガーもぜひ試してください。