赤ちゃんがしゃべるまでの時期
「早くしゃべれるようにならないかな」と思ってしまうのは親として当然のこと。しかし、赤ちゃんがしゃべり始めるまでの時期は個人差があります。ここでは、赤ちゃんがしゃべるまでの時期についてお話しましょう。
おしゃべりするまでの時期には個人差がある
赤ちゃんはみんな同じように見えてしまうかもしれませんし、生まれたばかりのころは差がないように思えます。しかし、実際には生まれたときから差がありますし、しゃべれるようになるまでの時期も個人差があります。
割りと早い段階で喋れるようになる赤ちゃんもいれば、のんびりと成長していく赤ちゃんもいるということです。「うちの子供はなかなか喋ってくれない」と不安に感じる方もいるでしょうが、成長には個人差があることを覚えておきましょう。
生後4ヶ月ごろ:クーイング
生後2ヵ月ころから、赤ちゃんは言葉を発するようになります。もちろん、はっきりとしゃべることはまだできないので、唸っているような印象を受けるかもしれません。4ヵ月ころになると、「あーあー」や「うーうー」といった言葉を発するようになります。
これを、クーイングと呼びます。まだこの時期は母音しか発声することができませんが、成長するにしたがって子音も出せるようになります。クーイングをし始めただけでも、ママやパパは嬉しいものですよね。
生後6ヶ月~8ヶ月ごろ:喃語が始まる
このころから始まるのが喃語です。クーイングはこれといって理由のない発声と言えますが、喃語は赤ちゃんが自らの意思で発している声です。赤ちゃんの意思があるかないか、という部分が大きなポイントになりますね。
まだ明確な意思を持って発声していないということもありますが、次第に意思表示をするために発声するようになります。「お腹すいた」「遊んでほしい」といった意思表示ですね。
生後10ヶ月:欲求を伝え始める
このころになると、かなりしっかりと声を出せるようになっています。しかも、主に食事に関する意思表示を声で発するようになるのです。おっぱいを飲みたいときに「んまんま」と言ったり「まーまー」と言ったりしますよね。
つまり、これくらいの時期は自分の欲求を声に出して伝えるようになるということです。成長の早い赤ちゃんだと、このころにはもっとほかの言葉も使えるようになっていることもあります。
1歳:初語が出始める
このころになると、いろいろな言葉を覚えていることも多く、自らの意思でしゃべるようになります。また、自分の名前を理解できるのもこのころだと言われており、ママやパパが呼んだときにリアクションしてくれるようになります。
物と言葉の意味が一致し始めるのもこの時期でしょう。例えば、にゃーにゃーは猫、わんわんは犬といった具合ですね。日に日にいろいろな言葉を覚えて発する赤ちゃんが、可愛くて仕方のない時期ですね。
上手なおしゃべりを促すために
早く上手におしゃべりできるようになってほしい、と思っているママはたくさんいると思います。そこで、ここでは赤ちゃんの上手なおしゃべりを促すための、ポイントをまとめてみました。ぜひチェックしてくださいね。
自然に話しかけてあげる
普段から言葉でコミュニケーションをとることが大切です。赤ちゃんは周りの大人が口から発する言葉や、テレビから聞こえてくる音を耳に入れることで言葉を増やしていきます。
あくまで、自然に話しかけてあげるということがポイントになります。いくら早くしゃべって欲しいからといって、必要以上に話しかけたりすると、赤ちゃんもストレスを感じてしまいます。
固有名詞を使う
固有名詞を使うことで、語彙を増やしていけます。「あれ」や「これ」などはなるべく使わずに、できるだけ物の名前を口に出して話しかけるようにしましょう。なるべく早い段階からそうすることをおすすめします。
例えば、赤ちゃんは車のことを「ぶーぶー」と言うことが多いですが、いつまでもそれだと困ってしまいますよね。はじめのうちはいいですが、早い段階で「車が走っているね~」のように固有名詞を入れることで、ぶーぶーがイコール車だということも認識できるようになります。
子供が集まる場所へ出かける
もっともポピュラーなのは公園でしょうか。子供が集まる場所に出かけることで、子供が発する言葉を耳に入れることができます。子供の声の周波数でさまざまな言葉を聞くことで、たくさんの単語もインプットされるでしょう。
絵本を読んであげる
絵本を読んであげるのもおすすめですね。赤ちゃんは成長するにしたがってきちんと声を発することができるようになりますが、語彙が少ないとしゃべれません。絵本を読んであげるのは、語彙を増やすのに役立ちます。
1歳くらいなら、一緒に絵本を見ながら読んであげるといいですね。そうすることで、本の中で示されているものと、言葉の繋がりを理解できるようになります。
しゃべるのが遅い?でも気にしないで
「友達の赤ちゃんはもう言葉を話しているのに、うちは遅い」と気にしていませんか?もしかすると何か病気なのでは、障害があるのでは、と不安になる方もいるでしょう。しかし、赤ちゃんの成長は個人差があるので、あまり気にすることはありません。
喃語が少なくても大丈夫
生後4~5ヵ月くらいになると、喃語が増えてくるものです。それまでは「あー」や「うー」といった母音しか出すことができませんが、次第に「ばー」や「ぷー」といった子音も出せるようになってきます。
喃語が少ないと心配になってしまうと思いますが、喃語の発生とおしゃべりはあまり関係がないといわれています。そのため、喃語が少ないからといっておしゃべりを始めるのが遅くなる、ということはありません。
しゃべるのが苦手な子も大勢いる
大人でもしゃべるのが得意な人もいれば、苦手な人もいますよね。赤ちゃんもそれと同じで、おしゃべりが得意な子もいればそうでない子もいます。「うちの子は特別遅い気がする」と思ってしまう方もいますが、実際にはもっとしゃべれるようになるまで遅い赤ちゃんはたくさんいますよ。
男の子は女の子よりしゃべり始めるのが遅い
男性と女性では脳の構造が違うといわれています。いわゆる男性脳、女性脳というやつですね。では、どうして女の子のほうが早くしゃべれるようになるのかですが、これは言語機能を司る脳がより早く発達するからと言われています。
また、女性脳はマルチタスクが得意と言われています。ほかのことに意識を向けていても、耳でしっかり周りの音や声を聴くことができるため、男の子より早くしゃべれるようです。
コミュニケーションが取れていればOK
言葉はコミュニケーションをとるためのツールにすぎません。そのため、赤ちゃんがなかなかしゃべってくれない、という場合でも、きちんとコミュニケーションさえとれていれば問題ないのです。早くしゃべってくれたほうがコミュニケーションをとりやすくなるのは事実ですが、言葉がなくてもコミュニケーションはとれます。
どうしても気になるときは保健師さんに相談を
赤ちゃんには個人差があるため、しゃべるまでの時期が長くてもあまり気にする必要はありません。しかし、どうしても気になる、もしかすると病気かも、と不安なら一度保健師さんに相談してみましょう。保健師さんは保健指導に従事する専門職で、赤ちゃんの成長に関する相談にも乗ってくれます。保健師さんは病院や健診センターなどにいます。
まとめ
赤ちゃんがしゃべり始める時期や、スムーズに話し始めるようになるポイントなどについてお伝えしてきました。もっとも大切なことは、個人差があるため成長のスピードにも違いがあるということです。あまり気にしすぎるとママもストレスになってしまうため、神経質になりすぎないようにしてくださいね。参考になれば幸いです。