さとり世代ってどんな人?さとり世代の特徴と上手な付き合い方

時代の変化に伴い、若者の性格傾向にもさまざまな種類が登場しています。少し以前であれば、ゆとり世代という言葉がよく取り上げられていました。ゆとり教育を受けた世代であり、それまでの日本人と比べ学力や意欲に欠けており、甘えた雰囲気を感じさせるようなタイプです。そしてそんなゆとり世代の次に登場したのが、今回注目したさとり世代です。ゆとり世代という言葉に似ていることからも窺える通り、性格に偏りがあり、さとり世代でない人からすれば、付き合い方に少々苦労させられます。

今回は、

  • さとり世代とはどのような人を指すのか
  • さとり世代の特徴
  • 円滑な関係が築ける付き合い方

などをご紹介します。

さとり世代とは?


さとり世代という言葉は、決して珍しくないかもしれません。少し以前よりテレビや雑誌などでもたびたび取り上げられています。主には、現代の若者の性格傾向を指す言葉です。具体的には、どのような特徴があるのでしょうか。

1987年から2004年生まれの世代の男女を指す言葉

さとり世代の定義は、そこまで明確でもありません。主に1990年代前半に誕生した若者を指します。どの年代に生まれたかというよりも、どういった性格であるかに着目して使われることが多いです。

一方で定義が明確なのは、ゆとり世代です。ゆとり教育のおこなわれた期間である、1987年から2004年に生まれた世代の男女を表す言葉です。ゆとり世代が誕生した時期の後半に登場した世代であるため、さとり世代はゆとり世代の進化系などともいわれています。

どちらも少々冷めた印象ではありますが、見た目にはそこまで違いを感じることができないでしょう。話をしたり、一緒に行動したりすることで、どちらであるかが確かめられます。

欲がなく悟りを開いている


さとり世代の人は、その名の通り悟りを開いているような印象です。もちろん宗教的な意味での悟りというわけではありませんが、自分の中に偏った定義を持っており、そうそうその定義を曲げることがあまりありません。もちろんそれが経験に培われた正しい定義であればいいのですが、若者の持つそれは多くの場合未熟さや甘えの感じられる幼いものです。だからこそ、周囲の大人は扱いづらく感じるのです。

特に扱いづらいのが、叱ったり注意したり、物事を教えたりするときでしょう。どれだけ情熱を傾けても、自分の中で開いた悟りを譲らないため、なかなか思いが伝わりません。中には、それが社会の常識や組織のルールであったとしても、悪びれることなく抵抗する人もいるほどです。

悟っているということは、その考えが究極であり、それ以上はないと捉えているともいいかえられます。そのため、現状を上回るような目標や夢を持たず、欲のない生き方をします。これもまた、冷めた印象につながっているでしょう。生活の充実や金銭的な意欲、恋愛においても妥協しがちです。

原田曜平のさとり世代の本で一般的となる

ゆとり世代という言葉は、国の政策であったゆとり教育からきています。ですがさとり世代については、明確な政策などが影響しているわけでもありません。原田曜平という作家が書いた「さとり世代 盗んだバイクで走り出さない若者たち」という一冊の本が由来になっています。この作品は大きな反響を呼び、それこそさとり世代という言葉を流行語にまでしたほどです。

さとり世代が生まれた背景


さとり世代は、自然発生的に生まれたわけでもありません。いくつかのきっかけに伴い、誕生しました。主には、以下のような背景が関係しています。

バブルの崩壊

前述で紹介している通り、さとり世代が生まれた時期は1990年代です。これは、バブル崩壊のタイミングともかぶります。好景気であった日本経済が後退し始めた1990年代初頭に、時代や現実、先行きを悲観した、興味のないことには意欲を持てない冷めた印象のさとり世代が生まれました。

上のゆとり世代の失敗を目の当たりにしている

国が政策としておこななったゆとり教育でしたが、残念ながら失敗に終わったといわれています。それまでの教育方針であった詰め込み教育を緩和し、ゆとりある学びを提唱しましたが、学力や意欲を低下させる結果となってしまったためです。

ゆとり教育が始まった数年先に誕生したさとり世代は、そうしたゆとり方針の失敗を目の当たりにしています。それもまた、現状を冷めた目で見る悟った性格の若者を生み出したことに影響しています。

長引く不況に希望を持つことができない


バブル崩壊以降も、日本では不況が長引いています。近年になり少し上向き傾向になりつつあるとも考えられ始めていますが、まだまだ好景気とはいえません。そんな現状に希望を持てないことが、さとり世代発生に関わっています。

ネット社会により情報が豊富すぎる

さとり世代を生み出している理由の中でも、特に強力なのがネット社会の充実です。悟ったような考えであるというのは、世の中のあらゆる物事に対し新鮮な驚きや感動を味わえないためといえるでしょう。ネット社会によって、行動を起こすことなくあらゆる情報が手に入れられるため、物事に関心を抱けなくなっているのです。

さとり世代の特徴


さとり世代には、いくつかの特徴が見られます。物事全体に対して冷めた印象であるのも事実ですが、以下のような具体例もさとり世代ならではです。

恋愛への興味が低い

恋愛に関心が低いというのは、さとり世代の大きな特徴でしょう。振られるかもしれない、付き合ったら付き合ったで疲れる、プライベートが制限される、そんなリスクを悟りきっているため、意欲的に恋愛をしようとしないのです。事実、若者世代においては恋人がいる人が減ってきていたり、初体験のタイミングが遅くなってきていたりするそうです。

旅行など出かけることが少ない


さとり世代は、行動的でありません。そのため、わざわざエネルギーやお金を費やしてまで旅行などの遠出を楽しもうとしないのです。家でゴロゴロしたり、身近な楽しみで済ませたり、休みの日でも一日中インターネットを見ているような若者が増えています。

車や高級時計など物欲が少ない

物欲のなさもまた、さとり世代の特徴です。さとり世代、ゆとり世代以前の若者は、車や高級時計といった高価な物を手に入れるため意欲的にお金稼ぎをしていました。ですがそうした高級なものに価値を見出せないさとり世代は、それらに対してもあまり関心がありません

仕事の優先順位が低い

金銭的な欲求が希薄ということは、仕事に対しても意欲的でないといえます。生活全体における仕事の優先順位が低く、仕事よりもプライベートを優先しがちです。残業の依頼や上司からの飲みの誘い、ステップアップのチャンスがあっても、興味があまりないため断る若者が増えています。

自分や他人に期待をしない傾向がある


さとり世代が悟っているのは、世の中の物事だけでもありません。自分の能力や可能性についても、ある程度把握しきっています。そのため、自分にあまり期待をしようとしません。勉強や努力をして成長しよう、さらなる能力を引き出そう、そういった意欲をあまり持たない傾向にあります

それと同様で、他人に対しても期待を持たない傾向にあります。裏切られてしまったときの落胆を考えると、期待するという作業が非効率に感じられるためです。

能力は決して低くない

意欲や物欲、上昇志向が低いとはいえ、能力については比較的高い傾向にあります。インターネットで豊富な情報を仕入れていたり、効率的な思考展開に長けていたりするためです。 意欲的でないながらもなんとなく人生がうまくいく、そんな状況の手伝って悟った性格につながっているのでしょう。

さとり世代の性格や考え方


上記のような特徴には、さとり世代特有の性格や考え方が関係しています。以下の5点は、特に代表的でしょう。さとり世代が決して悪い面ばかりでなく、良い面も備えていることが分かります。さとり世代を理解する上で、重要なポイントとなるでしょう。

無駄をとにかく嫌う合理的な性格

さとり世代が無欲なのは、何も考えていないからというわけでもありません。とにかく、合理的な性格であるためです。無駄を省き、目標のために最短距離で進むため、意欲が希薄に見えるとはいえやることはやります

結婚に否定的な考えを持っている

結婚に否定的であるのも、合理的であるからこそ。結婚することによって失うものと、得られるものを冷静に比較して、デメリット面に不合理を感じているためです。主には、自由が損なわれる、金銭的な負担が大きくなるといったことが挙げられるでしょう。それよりも、独身で自由を謳歌した方が楽しいというのがさとり世代の考え方です。

ボランティアへの興味は高い


行動を起こしても対価の得られないボランティアですが、これに関してさとり世代は非効率だと感じません。むしろ興味が高く、率先して参加する人も多いです。無償の尽力をおこなうことで、お金には代えられない価値のあるものが得られるという面に、魅力を感じているのです。金銭的価値があるものに魅力を見出せない分、お金で買えない価値に特別感を覚えるのでしょう。

目立つことは嫌い

目立っても目立たなくても結果は変わらない。そんな状況において、さとり世代は目立つことに対し効率の悪さを覚えます。そのため、目立つことを嫌う性格である人が多いです。

大きな夢ではなく堅実な目標をもつ

大きな欲を持たないさとり世代は、夢に関しても積極的ではありません。堅実な目標を設定して、リスクを背負うことなく安定を手に入れる、そんな生き方を良しとするのです。ここにもまた、合理的な性格が影響しています。

さとり世代の仕事への関わり方


さとり世代の特徴が特に現れがちなのが、仕事の面においてです。仕事をおこなうにおいては、意欲という名のエネルギーが欠かせません。にもかかわらず意欲を持たないさとり世代には、特徴的な傾向がみられるのです。

残業をしない

仕事への優先順位が低いさとり世代は、残業が非効率に感じます。定時以上に働いて、自分の時間を割いてまで収入を増やしたいとは思わないのです。残業代の発生しないサービス残業となれば、なおのこと断りがちです。

出世を望まない代わりに仕事への情熱はない

合理主義のさとり世代には、出世欲がありません。エネルギー消費やリスクが発生するので、社会的成功や金銭的成功に夢を見ようとは思わないのです。これらの成功を手にしたところで、コンパクトな生活を好むさとり世代であるため喜びを見出せないでしょう。それと同時に、仕事そのものへの情熱もあまりありません。

プライベートを尊重する


残業をしないのは、プライベートを尊重しているからこそともいえます。自分のプライベートの時間を割いてまで、会社に貢献しようなどとは思いません。それにより、会社や組織に迷惑がかかる場合であってもなお、プライベートを尊重します。

ストレスに弱い

若い頃から、努力をしたり自分に不利な環境で過ごしたりしてこなかったさとり世代は、ストレスに弱いです。ストレスのかかることを避けて生きてきているので、社会に出ていざ問題に対面したとき、気持ちをコントロールできないのです。

些細な理由で簡単に会社を辞める

これもまた、ストレスに弱いという性格傾向が影響しているでしょう。社内でいることにストレスを感じると、それが例え些細な理由であったとしても簡単に会社を辞めます。努力をしよう、状況を改善しようという意欲がない、仕事への優先順位が低い、またインターネット全盛の時代だけに、収入を得る方法は会社で働くことだけでなくなってきているといった理由が関係しています。

職場のさとり世代の人との上手な付き合い方


この特集を読んでいる人の多くは、さとり世代の扱いに困っているのではないでしょうか。さとり世代でない人は、接し方に悩まされがちです。上手な付き合い方を、覚えておきましょう。

仕事を教える場合にはマニュアルを用意する

上司が熱を込めて仕事を教えたとしても、さとり世代はそれをなかなか聞き入れることができません。そのためさとり世代に合わせて、合理的な教え方をしましょう。やるべきことだけがピンポイントに書いてあるマニュアルを用意すると、意欲的に取り込ませやすいです。

仕事の説明は最初から最後まで一通り教える


さとり世代は、仕事において自分で考えて行動を起こそうとしません。それこそ、非効率であると捉えるためです。そのため、仕事を中途半端に教えて自発的な行動を促すのではなく、最初から最後まで一通り教えるようにしましょう。

上から目線で仕事を押し付けない

上司や年上を敬うという考えが希薄なのも、さとり世代の特徴です。そもそも仕事への敬意を持たないことから、会社や上司に対しても真摯に向かい合わない傾向にあるためです。仕事を頼むときは上から目線ではなく、目線を下げて協力してもらうようなニュアンスで任せるべきでしょう

コミュニケーションを取りやすいように配慮する


上司と部下の間に壁を感じるような関係は、さとり世代に適していないでしょう。それこそ、上司に上から目線で見られているような感覚になるためです。立場の違いをはっきりさせつつも、コミュニケーションが取りやすいよう配慮しましょう。

さとり世代のプライベートを尊重する

前述の通り、さとり世代は仕事の優先順位が低く、プライベートを尊重する傾向にあります。そのため、残業を断ったり有給を使いたがったりしたときは、できる限り希望に応えてやるべきです。それが会社に負担になる場合であっても、本人の意欲を維持させることを考えればその方が理想的であるためです。

まとめ

確かに、さとり世代は扱いにくい存在です。ですが、1990年代以降に生まれた多くの若者は、事実こうした性格傾向に該当します。さとり世代が苦手な年配の人間にとっても、目を逸らすことのできない現状であるというわけです。今回紹介したさとり世代の特徴や働き方扱い方を活かして、円滑な関係性を作ってあげられるよう工夫してみてください。