イタリア流エスプレッソの飲み方!おすすめのアレンジレシピも紹介

シアトル系コーヒーチェーンの影響で、エスプレッソを使ったアレンジコーヒーがぐんと身近になっているものの、肝心のエスプレッソはよく知らないという人も多いのでは。イタリア人のほとんどが毎日何度も嗜むというエスプレッソ。

ここでは、

  • 抑えておきたいエスプレッソの基礎知識
  • イタリア流エスプレッソの飲み方
  • エスプレッソのおすすめアレンジメニュー6選

についてまとめてみました。

押さえておきたいエスプレッソの基礎知識

気になるけどよくわからないから敬遠しがちなエスプレッソ。あるいはイメージだけで誤解していませんか。まずはエスプレッソの基礎知識をご紹介します。知れば知るほど、奥深いエスプレッソを試してみたくなりますよ。

イタリアやフランスで最もポピュラーな飲み方

日本ではまだなじみの薄いエスプレッソですが、イタリアやフランスでコーヒーといえば、エスプレッソのこと。ヨーロッパではエスプレッソのほうが日常的に飲まれている国も多いようです。

エスプレッソの歴史は古く、1806年にヨーロッパ大陸を制覇したナポレオンがイギリスに経済制裁を加えるべく大陸封鎖令発した時まで遡ります。

コーヒー豆に困窮したローマ最古のカフェ「カフェ・グレコ」で、コーヒー量を2/3に減らすことで価格を下げるために考案されました。以来、エスプレッソはイギリス全土、そしてヨーロッパへと広がることとなったのです。

エスプレッソマシンによって世界に広まった

20世紀に入るとエスプレッソマシンが登場し、世界中で広く飲まれるようになりました。それまでは、熟練のバリスタだけが抽出できたエスプレッソでしたが、1960年代に入ると全自動エスプレッソマシンが登場。

蒸気で高圧力をかけることにより、短時間でコーヒーを抽出できるので、雑味やカフェインが少なく、コーヒー豆本来のおいしさを凝縮した飲み方ができるようになりました。

さらにシアトル系コーヒーチェーンの台頭により、エスプレッソの新しい飲み方が世界中へと広まっていきました。

クレマ・ボディ・ハートの3要素で成り立つ

コーヒー本来の味を存分にたのしめる理想のエスプレッソはクレマ、ボディ、ハートの3層がきれいに分かれています。ただし、この3要素がきれいに保たれるのは淹れてからたったの数十秒程度。コーヒー豆の鮮度やバリスタの手腕がこの完璧なエスプレッソを生み出します。

クレマとはエスプレッソ最上層にできる金色のきめ細かい泡のこと。その下のボディはエスプレッソ抽出後の数十秒間だけ現れるブラウン色の層で、最下層に沈む濃い部分はハートと呼ばれています。

量が少ないからコーヒー豆の美味しさだけを楽しめる

エスプレッソの特徴は、圧力をかけて短時間で少量を抽出すること。そのことにより、雑味やカフェインは少なく、コーヒー豆本来のうまみ、甘み、苦み、酸味などおいしいところをぎゅっと凝縮し、濃厚な風味を味わうことが可能になりました。

量が少ないからこそ、渋みやエグ味、雑味のないコーヒー豆の美味しさと濃厚な後味が楽しめるというわけです。クレマ、ボディ、ハートの3層に分かれた完璧なエスプレッソをそのバランスを崩さずに味わい尽くすことができるのも、この量の少なさゆえといえるでしょう。

エスプレッソは中深煎り豆がおすすめ

エスプレッソに使うコーヒー豆は、8段階のロースト方法の中では5~6番目にあたる中深煎り豆を使うのがおすすめ。焙煎により酸味は甘みへと変化するため、中深煎りの豆を使うことでコーヒーの苦みやコク、まろやかな味わいをぎゅっと凝縮してたのしむことができます。

エスプレッソはその味わいが濃厚な分、カフェインも多めと誤解されがちですが、熱を加えることで揮発するため、深煎りするほどカフェイン量は少なめといえます。

イタリア流!エスプレッソの飲み方

エスプレッソの飲み方は人それぞれ好みによって正解というものは存在しませんが、イタリアではエスプレッソの嗜みは社会人マナーに匹敵するほどの一般常識。まずは本場イタリアの正しい飲み方というのを試してみましょう。

スプーンで砂糖を山盛り1杯とり優しく入れる

日本ではエスプレッソをストレートで飲む人もいますが、それは無粋。本場イタリアでは、エスプレッソは砂糖を入れてはじめて完成する飲み物だと考えられており、世界でもストレートで飲むのは日本人くらいといわれています。

スプーンで山盛り1杯たっぷりの砂糖を、ヘーゼルナッツ色の泡をつぶさないように、さらさらと優しく静かにクレマの上に落とします。

砂糖を落としたとき、クレマの上にしばし留まって、ゆっくりと沈んでいくのがよいエスプレッソの証。イタリアではスプーンで4杯、5杯と必ずたっぷりの砂糖を入れます。

クレマを壊さないようにする

砂糖をたっぷり入れたら、クレマを消してしまわないようにそっと混ぜます。あまり混ぜる必要はありません。

このクレマと呼ばれる泡は、コーヒー豆のなかにある二酸化炭素が抽出の際に出てきたもの。クリーミーできめ細かく、ほどよい弾力と厚みがあるのがおいしいエスプレッソの特徴。

エスプレッソ特有の華やかなアロマを閉じ込める働きがあるため、混ぜすぎると香りが飛んでしまいます

熱いうちに2.3口で飲みきる

砂糖が沈んだら、2、3口でくいっと飲み干すのが、エスプレッソの魅力をもっともたのしめる飲み方。クレマの寿命は長くて1分程度といわれています。

コーヒー豆の香りがぎゅっと凝縮された抽出直後の一番おいしい状態を味わう、それはまるで一瞬の芸術。コーヒー豆の凝縮された豊潤で複雑なアロマを感じてください。

エスプレッソは量が少ない分、冷めるのも早いです。すっかり冷めて香りも飛んだエスプレッソにはエスプレッソの魅力の欠片も残っていません。おいしい瞬間を逃さずにどうぞ。

底に残った砂糖も楽しみの一つ

鼻孔に残ったアロマの余韻を十分に味わったあとのお楽しみは、デミタスカップの底に残った砂糖。砂糖の甘さにエスプレッソの鮮明な酸味やどっしりとした苦みが加わり、まるで上質なドルチェのようです。スプーンですくっていただきましょう。

じつは、このカップの底にたまった砂糖をたのしみにしているイタリア人も多いのだとか。入れる砂糖が多めなのも頷けますね。

一緒にデザートを食べる

本場イタリアにはエスプレッソを利用したデザートもたくさんあります。

エスプレッソの聖地と呼ばれるナポリにおいて、バリスタがそれぞれ秘密のレシピをもっているといわれるナポリ伝統のクレマ・デッラ・ノンナ。

エスプレッソに大量の砂糖を入れて混ぜ続けていると徐々にクリーム状になり重さが出てきます。このコーヒーペーストをババというスイーツやジェラート、ブリオッシュにかけると本場ナポリのドルチェの出来上がり。

日本でもポピュラーなものとしては、バニラアイスにエスプレッソをかけたアフォガートがあります。「アフォガート(affogato)」はイタリア語で「溺れる」の意。味わいが濃厚なエスプレッソならではのカップリングですね。

エスプレッソのおすすめアレンジメニュー6選

エスプレッソはそのまま飲むほか、ミルクを加えるなどのアレンジをしてたのしむこともできます。シアトル系コーヒーチェーンの台頭で、日本でもおなじみのアレンジも多数。エスプレッソを意識しながら味わうことで、新たな発見もあるかもしれません。

水の量で味が変わる♡ルンゴ・リストレット

コーヒー豆に含まれる成分によって水に溶けだす速度が異なるため、エスプレッソは抽出される工程や時間によって濃さが変わります。苦みは比較的ゆっくりと抽出されるため、この特性を利用したのが、ルンゴとリストレットです。

通常のエスプレッソ、ソロに対し、同量の豆を使って水の量を2倍にしたのがルンゴ。水の量が2倍になった分、抽出時間が長くなり、しっかりと苦みを抽出することができます。

一方、水の量をソロの半分にしたのが、リストレット。抽出時間が短いため、苦みや酸味は抑えられますが、コーヒー豆の味わいがより凝縮した飲みごたえのある一杯に仕上がります。

苦みとコクがアップする♡カフェコンレチェ

エスプレッソに温めたミルクを1:1の比率で混ぜたのが、スペインのコーヒー飲料、カフェコンレチェです。エスプレッソの苦みやコクはしっかりと残しつつ、ミルクのコクが加わって、深い味わいをたのしむことができます。

スペインでもバルでエスプレッソが習慣的に飲まれていますが、エスプレッソそのままのソロを頼む人よりも、ミルクの入ったカフェコンレチェを好んで飲む人が多いそう。

エスプレッソはハードルが高いという人や、ゆっくり味わいたいというときはこちらからチャレンジしてみるのもいいかもしれません。

定番のアレンジ!カフェラテ

ラテ(Latte)はイタリア語で牛乳のこと。エスプレッソに温めたミルクを2:8の割合で加えたのが、おなじみカフェラテです。カフェオレはドリップコーヒーにミルクを1:1で加えたものに対して、エスプレッソで作るのがカフェラテの特徴。よりコーヒーの凝縮された味わいをたのしむことができます。

カフェコンレチェよりはマイルドになるものの、エスプレッソの苦みやコクの奥に香ばしい甘みを感じることができるエスプレッソ入門にもおすすめしたいアレンジです。

泡立てたミルクを載せる!カプチーノ

カフェコンレチェやカフェラテ同様、エスプレッソにミルクを加えたアレンジですが、ミルクの質と量が違うカプチーノ。エスプレッソ、温めたミルク、そして蒸気で泡立てたフォームミルクを1:1:1の割合で作ります。割合はお店や個人の好みに応じて変わることがありますが、フォームミルクがポイント。滑らかな口当たりになり、ミルクの甘みをより強く感じることができます。

カプチーノという名前の由来は、カトリック教会カプチン会の修道士が着るフードのついた修道服カップッチョによるという説があります。ちなみに、イタリアではカプチーノが飲まれるのはほぼ朝食時に限られるそうです。

甘くほろ苦い味わい♡カフェモカ

エスプレッソにミルク、さらにチョコレートシロップを加えたのがアメリカ生まれのコーヒー飲料、カフェモカ。ミルクとチョコレートシロップの代わりにココアを使うこともあります。チョコレートの甘みとビター感が加わることで、甘くほろ苦い味わいをたのしめます。

このカフェモカは日本のコーヒーチェーンでも目にすることが多くなりました。ホイップクリームやココアパウダーが添えられていることもあり、コーヒーの苦みが苦手な人でもデザートのように気軽にたのしむことができます。

炭酸と混ぜるだけ!エスプレッソトニック

エスプレッソにトニックウォーターを加えたエスプレッソトニック。ちょっと意外な組み合わせですが、エスプレッソの苦みに炭酸の爽快感が加わり、よく合います。すっきりとした甘みと後味は暑い時期にもぴったり。

比較的新しい飲み方で、北ヨーロッパのカフェで誕生したといわれています。エスプレッソをごくごく飲みたいときにはぜひ試してみてください。

まとめ

エスプレッソの基礎知識から本場イタリア流の飲み方、そしてアレンジレシピまでご紹介しました。ちょっと難しそうでとっつきにくい印象のあるエスプレッソですが、まずは砂糖をたっぷり入れてくいっと飲み干すことから始めましょう。

きっとその小さな一杯が、エスプレッソの奥深い世界の扉を開くきっかけになるはずですよ。