世界の紅茶の種類19選!飲み方別おすすめの紅茶

シルクロードや大航海時代の東方貿易を通じて、世界中に広まった紅茶。今や、さまざまな産地ごとに数多くの茶葉が栽培され、その味わいも多種多様です。

ひとくくりに考えがちな紅茶ですが、じつは産地や収穫時期によって香りや風味が全く違うのです。

ここでは、

  • 世界三大紅茶の生産国の特徴
  • 世界の中でも高い人気を誇る紅茶8選
  • 地方で親しまれる紅茶の特徴
  • 飲み方別の選ぶ時のポイント

についてまとめてみました。

世界三大紅茶の生産国の特徴

古くから世界三大紅茶として数えられるインドのダージリン、スリランカのウバ、中国のキーマン。どれも一度は耳にしたことがあるという人も多いのではないでしょうか。まずは世界三大紅茶の生産国とその特徴について、迫ってみました。

インド:世界最大の茶葉生産国

年間約100万トンを超える茶葉を生産している世界最大の茶葉産出国のインド。インド北東地方の生産が最も多く、アッサム、ダージリンといった生産地の地名がそのまま紅茶の名前になっています。

生産だけでなく国内消費も非常に多く、輸出量はケニア、スリランカに続く第三位。輸出されるのはなかでも高級な部類に入るものが中心で、インド国内では基本的に安価な紅茶をチャイとして日常的に愛飲されています。

スリランカ:セイロン紅茶と呼ばれ日本人好みの味わい

イギリス独立前の名残から、セイロン紅茶と呼ばれているスリランカの紅茶。生産量はインド、ケニアに次いで世界第三位ですが、輸出は第二位です。

主な産地は、気候や貿易風、偏西風の影響により、中央の山岳地帯を挟んで、南東側のウバ地区、西側のディンブラ地区、ヌワラエリア地区に分かれています。

セイロン紅茶は、水色、味、香りのバランスがよく、インド紅茶に比べるとマイルドな風味であることが一般的な特徴とされています。

中国:希少価値の高い紅茶

お茶の総生産量は世界第一位であるものの、紅茶に関しては生産量、消費量ともに少なめの中国。世界三大紅茶のひとつ、キーマンは安徽省で生産され、その独特な風味がヨーロッパで珍重されてきました。

ラプサンスーチョンに代表される小種紅茶は、16世紀に武夷山で生産、製造され中国紅茶の原型といわれています。18世紀に小種紅茶を輸出向けに発展させたのが工夫紅茶。

キーマンがこの工夫紅茶の代表格で、時間や労力を惜しまず、手間暇かけて生産されています。比較的新しい紅砕茶は20世紀にインドより伝わった製法で、収穫した茶葉を細かく破砕することで、発酵や抽出を早めているため、大量生産が可能です。

世界の中でも高い人気を誇る紅茶8選

 

世界30か国以上の国々で生産されている紅茶。各地域の気候や土壌、加工方法によって、特色豊かな茶葉が数多く生産されています。そのなかでも、とくに高い人気を誇る紅茶の基礎知識や特徴をまとめました。紅茶選びのヒントにしてみてくださいね。

ダージリン:お茶好きな方にピッタリ

水色は薄いながらも格別な香味をもっているため「紅茶のシャンパン」とも称されるダージリン。東ヒマラヤ山麓に位置するダージリン地方の標高約2,000mの高地から急峻な谷底に至る斜面にその茶樹は植えられています。

すっきりとしたさわやかな香りでストレートティー向きのダージリン。春摘みのファーストフラッシュ、夏摘みのセカンドフラッシュ、そして秋摘みのオータムナルと、年三回の収穫期によってそれぞれに特徴があります。

アッサム:濃厚な味わいが特徴的

その濃厚な味わいが特徴的で、もっともミルクティーに適した紅茶といわれるアッサム。1823年頃、自生している茶樹が発見されたことにより、インドで最初に紅茶が栽培されたアッサム平原は、北東インドのブラマプトラ河の両岸に広がります。世界有数の雨量が多い土地で、世界最大の紅茶産地でありインド全体の紅茶生産量の約半数を占めています。

季節風によるたっぷりの雨が育んだ深いコクとモルティーさがあり、濃い赤褐色の水色と濃厚な味わいが特徴。アッサムの90%はCTC(Cut Tear Curl)製法で加工され、茶葉を細かく切り刻んであるため、成分が抽出しやすく、濃い味の紅茶になります。

ニルギリ:クセのないあっさりとした紅茶

他のインド産紅茶と異なり、クセのないマイルドな風味で気軽に楽しめるニルギリはスリランカ産紅茶に近い味わいがあります。

インド南側の丘陵地帯、標高約1,200m~2,000mのニルギリ高原で生産され、「ニルギリ」は現地の言葉で「青い山」を意味することから、紅茶のブルーマウンテンとも呼ばれています。

ニルギリの爽やかな香りはアイスティーにも最適。生産量が多く、比較的安価であるため、クセのない味わいを活かしてフレーバーティーのベース紅茶としても多く使用されています。

セイロン:親しみのある味わい

北海道くらいの大きさで紅茶の生産国として有名なスリランカで生産された紅茶をかつての国名「セイロン」にちなみ、セイロンティーと呼んでいます。

生産量は世界の紅茶の約10%を占め、日本に輸入される紅茶の約60%がセイロンティーといわれています。日本にはなじみ深い紅茶といえます。

セイロンティーの産地としては、ヌワラエリア、ウバ、ディンブラ、キャンディ、ルフナが有名で比較的入手しやすい茶葉といえます。

ウバ:ミントのような爽快感

世界三大紅茶のひとつであるウバは、クオリティシーズンのウバフレーバーと呼ばれる刺激的な爽快感をもつメンソール香と爽やかな渋みが特徴

スリランカ南東部にあるウバの高地は、日中の高温と夜間の冷気のため霧が発生しやすく、甘い刺激的なバラやスズランの花香が作り出されます。乾季には、茶樹が水分の少ない土壌からミネラル分を含むわずかな水分を引き上げるため、ウバ独特のメントール香となるのです。

水色が美しく、カップの内側にできるゴールデンリングは必見。奥行きのある豊かな味わいと独特の香りをたのしめるストレートティーがおすすめですが、ミルクを入れて爽やかなミルクティーとしてもおいしく飲めます。

キーマン:マイルドな中国の高級紅茶

世界三大紅茶のひとつ、キーマン。上海の西に位置する安徽省祁門県で生産される古典的な紅茶です。生産時期が6~9月と短く、ごく少量しか採集されないため、高値で取引されます。

蘭やバラに似た香りに加え、独特のスモーキーなフレーバーはエキゾチック。渋みが少なく、まろやかな口当たりはヨーロッパでは「中国茶のブルゴーニュ酒」と称されるほどです。中国ではストレート、イギリスではミルクティーにするのが人気。

フレーバーティー:香りから楽しめる

茶葉に天然香料や人工香料を吹き付けたり混ぜたりして、香りづけをしたのがフレーバーティーです。フルーツや花々、スパイスなどさまざまな香りを纏い、茶葉そのものというより香りをたのしむための紅茶です。

ベルガモットという柑橘系の香りをつけたアールグレイやリンゴの香りをつけたアップルティーが有名ですが、キャラメルやシナモンの香りをつけたものもあります。

ブレンドティー:自分のオリジナルの組合せで楽しむ

紅茶も季節や気候などによって品質の大きく異なる農作物のひとつであるため、味や香りのバランスを整えるために、ブレンドの技術は欠かせません。

またたとえば同じ産地や茶園の茶葉でも、販売される国によって、ブレンドは変えてあります。同じ紅茶でも軟水と硬水では味わいがまったく変わってくるからです。

ブレンドティーの代表的なものとしては、ロイヤルブレンド、イングリッシュ・ブレックファスト、アフタヌーンティーなどが挙げられます。

他にも様々!地方で親しまれる紅茶の種類

紅茶産国を代表するよく名の知られた紅茶以外にも、地方ごとに特色のある紅茶はたくさんあります。同じ国でも、産地や収穫時期によってもその味わいは大きく違うのが、面白いところ。そんな個性豊かな産地別の茶葉をご紹介します。

ヌワラエリア:ダージリンに似ている繊細な味わい

スリランカを代表する産地であるウバとは反対側に位置するヌワラエリアで生産される銘茶。さっぱりしていて上品な渋みとほのかな甘みがあり、セイロン紅茶のシャンパンとも呼ばれます。

生産地は約1,800m~2,000mとスリランカでは最も標高が高く、昼夜の寒暖差が大きいため、独特の渋みと高貴な香りを生み出しているのです。さらに自生するユーカリやミントが紅茶の樹に風味を加え、清涼感のある若々しい味が特徴。

水色は淡いオレンジ色で、緑茶に似た適度な渋みと優雅でデリケートな花香がします。ストレートティーとしてたのしむのがおすすめ。

キャンディ:風味のやわらかいセイロンティー

クセや渋みがなくすっきりしていて飲みやすいキャンディ。キャンディ地区は、街全体が世界遺産に登録されている観光地で、標高約600m~1,200mというミディアムグロウンの紅茶です。セイロン紅茶の父と呼ばれるジェームズ・テイラー氏の茶園があることでも有名。

渋みやクセのない飲みやすさから、ブレンドに使用されることも多く、バリエーションに富んだ飲み方ができる紅茶です。ストレートやアイスティーのほか、アレンジメントティーとしてもたのしめます。

ディンブラ:セイロンティーの王様

セイロンティー正統派の華麗な王様ディンブラ。色、香り、味すべてにバランスがとれており、ストレートティー、ミルクティー、アイスティーいずれにおいても、しっかりとした香りと渋みが味わえます。

標高約1,400m~1,700mに位置するディンブラ地区は、スリランカの紅茶栽培面積が最大。標高1,200m以上の高地栽培ハイグロウンティーのなかでも最も生産量が多く、紅茶らしいオーソドックスな味わいがたのしめる紅茶です。

本当においしいディンブラの味を覚えることが、紅茶の道の第一歩ともいわれるほど。

ルフナ:独特のコクと甘さが魅力

しっかりと濃い赤茶色の水色と濃厚な味わいが特徴のルフナは、標高600m以下のローグロウンティー。アッサム系のようなほどよい甘みがあり、渋みがほどんとありません。

ルフナは「南」を意味しており、キャラメルのような麦芽香と舌に転がる黒糖のような甘み、そしてセイロンティーならではのすっきりした後味が特徴。その独特のコクと甘み、クリアな後味はミルクティーによく合います。

サバラガムワ:深みがあるのにライトな味わい

コクがありながらライトな味わいのサバラガムワは、数年前までは「ルフナ」とされていた産地。約200m~700mという標高や気候の違いによって差別化され、新たな産地として加えられました。

ルフナ特有のキャラメルのような甘い香りとコクに、若葉のような香りを感じるのが特徴的。CTC製法にすることで、コクや深みが増すものの、インド茶よりもライトですっきりした味わいがたのしめます。

チャイ用としてアラブ諸国で人気があり、近年ではディンブラやキャンディより高値で取引されることもあります。

ラプサンスーチョン:香りが強く渋みが少ない

もともとは福建省の険しい岩山に自生していた野生種で「世界で初めて作られた紅茶」として知られる中国原産の紅茶、ラプサンスーチョン。松の燻煙による強い独特な香りと、さっぱりした味が印象的な紅茶です。

古くからイギリスをはじめ、欧米の多くのファンを虜にするのは、スモーキーな香りがスコッチウイスキーや葉巻を吸う人々に好まれるから。ストレートのほか、ミルクティーやアクセントとして他の茶葉にひとつまみ加える飲み方もおすすめです。

雲南(滇紅):アッサムよりもライトな味わい

プーアル茶で有名な中国雲南省の紅茶で、アッサムと似た味わいながら、アッサムよりもあっさりとしてのどごしのよい口当たりが特徴。高地で育った茶葉特有の透明感と清香があります。

アッサム系の雲南大葉種の茶葉から作られることが多く、ゴールデンチップと呼ばれる金毫を豊富に含むため、香気高く、滋味濃厚。

水色は澄んだ紅色で、ほのかな甘みと繊細なスパイシーな香りがあるため、ストレートやミルクティーとして飲むのがおすすめです。

ジャワ:まろやかなインドネシアの紅茶

赤道直下にあるインドネシアは、年間を通して紅茶の生産がおこなわれる生産量、輸出量ともに世界第四位の主要生産国。

なかでもジャワ島はインドネシアを代表する産地として知られ、標高約1,500mの高原に茶園が広がっています。スリランカの地形とよく似ているため、紅茶の味わいもマイルドでセイロンティーに近いものがあります。

水色は鮮やかな赤で渋みが少なく、味、香りともに軽いので、合わせるものを選びません。食事のお供にするもよし、紅茶をメインのティータイムにしても、ブレンド用としてもたのしめます。

べにほまれ:日本初の紅茶

緑茶の生産が有名な日本では、明治政府が紅茶の輸出を目的に生産をはじめましたが、昭和初期をピークにほとんど消えてしまいました。

平成になってべにほまれ復活プロジェクトが結成され、国産紅茶として脚光を浴びるように。日本初の紅茶品種といわれるべにほまれは、現在、三重県亀山市で生産されています。

水色は濃紅色、香気は落ち着いた重厚感があり、滋味は渋みがやや強くうまみとコクがあります。なかでも樹齢50年以上の古樹から手摘みした新芽で作られた紅茶には「Kiseki」というロゴマークがつけられ、希少価値が高く、最高品質であることを示しています。

狭山コングーブラックティー:緑茶の品種から作られた紅茶

緑茶の産地として知られる埼玉県西部の狭山で生まれた緑茶品種やぶきたから作られたのが狭山コングーブラックティーです。

イギリスの名誉ある国際食品コンテストで食のオスカーとも呼ばれるグレート・テイスト・アワードで3年連続ツースター金賞を受賞し、世界でもその名が知られるように。

芳香な香りが立ち、口に含むと上品な甘さが広がり、渋みが少なくすっきりとした後味。ストレートでもミルクティーでも薫り高くたのしめます。

ケニア:適度な渋みとマイルドな味わい

紅茶の歴史は浅いものの国全体の標高が高いケニアは、茶園も標高約1,500m~2,700mの高地にあって、理想的な条件を備えています。

ケニア紅茶開発局(KTDA)が製茶や輸出を管理しているため、生産力が安定しており、世界でもトップクラスの産地。輸出量は世界第一位、生産量は世界第二位を誇ります。

CTC製法の均一かつ安定した品質が特徴で、主にティーバッグ用のお茶として飲用されています。マイルドな味わいで、適度な渋みがあるので、ストレートのほかイギリス人好みの色の濃いミルクティーにもよく合います。

飲み方別!選ぶときのポイント

一言で紅茶といってもこれだけ個性豊かな茶葉があると、いざ飲むときにどれを選べばいいのか迷ってしまいますね。飲み方別に茶葉を選ぶ際のポイントをまとめてみました。自分好みの飲み方にぴったり合った紅茶を選んでみてください。

ストレートは香り・色・風味を重視

ストレートでいただくときは、やはり香り、色、風味を五感をフルに使って味わうのが醍醐味です。おすすめはその独特の風味と豊かな香りで「紅茶のシャンパン」と称されるダージリン

また優雅でデリケートな花香と緑茶に似た爽快な渋みをもつスリランカのヌワラエリアも、ストレートで味わいたい茶葉です。繊細で明るい水色をたのしみながら飲みたいですね。

同じくスリランカのディンブラもなじみ深い紅茶の風味がたのしめるストレート向きの茶葉です。

レモンティーは紅茶液の色の濃さを重視

レモンティーにするなら、水色の濃い茶葉を選ぶのがポイント。レモンには植物酸が含まれているため、紅茶にレモンを入れた際、水色が薄くなってしまいます。またタンニンが多く含まれている茶葉は、レモンを入れることで渋みが出るという特徴も。

水色や香りがしっかりしたスリランカのディンブラは、レモンティーとして飲むのにぴったり。南インドのニルギリもクセがなく、タンニンも少なめなのでまろやかな味わいをたのしめます。

ミルクティーはミルクに負けないコクを重視

ミルクティーにする茶葉は、なんといってもミルクに負けないコクが大切です。そして濃いめの水色がミルクティーをよりおいしく見せてくれます。

北東インドが産地のアッサムには、ミルクに負けないコクがあり、ミルクティーにしたときもしっかりと紅茶の味を感じられます。水色も濃く出るので、おいしそうなキャラメル色のミルクティーになりますよ。スリランカのウバやディンブラも上品な雰囲気のミルクティーに仕上がります。

ウバは、夏のミルクティーにしても爽快な味わい。東アフリカのケニアを使ったミルクティーも格別です。しっかりとした味わいはチョコレートのような濃厚なお菓子にも負けません。

まとめ

身近にありながら意外に知らない紅茶、奥が深いですね。一口に紅茶といっても、産地、環境、収穫時期、製造工程によって、見た目をはじめ、味や香りはまったく異なります。

いろいろな茶葉を試してみたり、自分の好みがわかってきたらひとつの茶葉を収穫時期別に飲み比べてみたりとさまざまなたのしみ方で味わってみるのもおすすめです。