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レディーファーストの起源
歴史の長いレディーファースト文化ですが、多くの日本人が考える意味とは異なる意味で使われていた時代もあるようです。少し勉強しておきましょう。
今と違う意味での「ファースト」
レディーファーストの習慣が生まれたのは、中世のヨーロッパ。この頃は騎士道の時代で、男性が中心であり女性は立場が低い世の中でした。
そのため、今では女性を敬うような作法で捉えられているレディーファーストですが、この頃は男性の身を守るための盾の役割として行われていました。
男性よりも女性が先を歩いたり、食事を先に食べる行為は、この頃に横行していた毒殺や暗殺を防ぐための防御策だったということです。
女性へのご奉仕をするため
もう一説は、今のレディーファーストの考えと近いものです。レディーファーストが生まれた中世ヨーロッパでは、長男は跡取り息子として家族から女性からも大事にされていました。しかし、次男や三男である長男以外の男性には、なかなか女性が寄ってきませんでした。
そのため、自分から女性を大切に仕えることで、女性を手にいれようとしていたのが起源という説もあります。長男という立場ではないからこそ、ほかの良い部分を見せるための方法だったのです。
レディーファーストをする男性の特徴
男性の言動には、「自分がどう見られたいか」ということが関係している場合も。また、当たり前のようにレディーファーストが植えつけられている男性もいます。
かっこ良く見せたいという意識が高い
レディーファーストができる男性はスマートであり、相手の女性から見ても、傍から見てもかっこ良く、余裕があるようにも見えて魅力的ですよね。
そのため、そう思って欲しいという気持ちから行う男性もいます。レディーファーストは、大事な相手や好きな相手のみに行うだけのものではありませんので、まわりや女性に対して、「自分を良く見せたい」とか、「かっこ良く見られたい」という気持ちが強い傾向があります。
親の影響を受けている
男性は父親の背中を見て育つといいます。身近な存在である父親が、母親に対してレディーファーストをしている場面を子どもの頃から見ていたら、その行動は自然に染みついていきます。
そして、当たり前にレディーファーストを行うようになっている場合もあるのです。また、父親が女性に対してのマナーなどを教えている家庭もあります。
女性が受けて嬉しいと感じるレディーファーストとは
レディーファーストと一口に言っても、やり方はさまざまです。今回は、以下の3つの代表的なレディーファーストをご紹介します。
- 先にドアを開けてくれる
- 飲食店で良い席への誘導
- 料理を取り分けてくれる
では、詳しく見ていきましょう。
先にドアを開けてくれる
外に出かけていれば、さまざまな場所にドアがありますが、そんなときにスムーズにリードをして自然にドアを開けてくれる行動は、女性が喜ぶレディーファーストです。
高級なホテルに行けば、必ずドアマンがドアを開けてくれますが、男性にこのようにしてもらうことで女性は、「大事にされている」や「大切に扱われている」と、お姫様のような気分になれるのです。
飲食店で良い席への誘導
レストランや居酒屋に行けば、奥だけソファー席になっているお店も多く見受けられます。そんな場合にさらっとソファ席に案内してくれると、女性は、「良いほうを自分に差し出してくれた」と嬉しい気持ちになります。
料理を取り分けてくれる
食事をしているとき、男性が料理の取り分けを率先してやってくれると女性は喜びます。日本ではとくに、料理の取り分けは女性が行うような風習がありますが、レディーファーストの風習が強いヨーロッパでは、料理の取り分けは男性が行う場合が多いのです。
Annalieseさんの実体験談

また、私がお手洗いに行っている最中に料理が運ばれてきたときには、私が戻るまで料理に手をつけていませんでした。
女性が受けて困惑してしまうレディーファースト
良かれと思って行ったレディーファーストが、裏目に出てしまうことがある点に気をつけなければいけません。デート前の男性はチェックが必要ですね。以下に女性が困る、迷惑するレディーファーストを2つ記載しました。
意味を履き違えている
起源などではさまざまな意味もありますが、現代行われているレディーファーストは、女性への気遣いや親切心が大事です。しかし、中には意味を違う形で捉えている男性もいます。
たとえば、何か答える際に自分ではなく女性からいわせるようにしたり、先に何かをさせたりといった「ファースト」です。これはレディーファーストではなくなります。タイミングや女性の気持ちを考えないと、間違ってしまうこともあるので気をつけましょう。
レディーファーストをして欲しいと思わない女性も
「レディーファーストって素敵!」と考える女性は多いですが、中にはそれを望んでいない女性もいることを理解しておきましょう。中でも、プライドが高い女性はレディーファーストをしてほしいと考えていない人も多いです。
一人でなんでもできるという考えが強いため、「自分でできるんだけど……」とか、「自分でドアも開けられないと思ってるの?」などと思われてしまい、裏目に出る場合もあります。
レディーファーストを受けた際の対応やマナーとは
レディーファーストを受けたときの態度によっては、男性に嫌な印象を持たれてしまう場合もあります。女性側からも男性を立てられるように意識しましょう。
男性の動きに合わせる
レディーファーストというと男性が行うものであり、女性はただ受けるだけのように感じますが、受け方も重要です。たとえば、レストランでソファ席を譲ってもらったときなどに、謙遜のつもりで、「いえ、私は椅子のほうで大丈夫」と男性のオファーを断ってしまう女性も中にはいます。
しかしこれはマナーが良くありません。せっかくのレディーファーストに対して失礼にあたりますし、男性のプライドも傷つけてしまうため、してくれたことに対しては断らないようにしましょう。
お礼は忘れずに伝える
大事なのは、男性からの気遣いひとつひとつに対して必ず、「ありがとう」と伝えることです。ドアを開けてくれたり、良い席に案内してくれたり、料理を取り分けてくれたりという男性の行動は、相手が喜ぶために努力してくれている証拠です。その行動に対して、お礼を伝えるようにしましょう。
Annalieseさんの実体験談

レディーファーストは決して立場が上というわけではありませんので、男性を立てるためにも必ず感謝を言葉で伝えています。
まとめ
昔は世界的に男性が立場が上という風習がありましたが、今では女性も同等に扱われる世の中になってきています。日本でもレディーファーストの文化は浸透しつつありますが、もともと身近でそういった行動を見る機会がなかった男性にとって、はじめはなかなか難しいことです。
しかし、ちょっとした気遣いをするだけで、女性は大事にされているという気持ちが強くなり、嬉しく思うものです。そして、女性にお礼をいわれるだけで、「やって良かった」と男性も嬉しく感じるでしょう。男性も女性もお互いを尊重できるよう、あらためてレディーファーストのやり方や受け方を考えてみてはいかがでしょうか。