糖質制限ダイエットとは
ダイエット法は数多くありますが、糖質制限ダイエットは一大ブームを巻き起こしたこともあり、注目している人は多いでしょう。まずは、糖質制限ダイエットを正しく理解するために、どのような方法なのかを解説します。
糖質の多い食品を控えるダイエット法
糖質制限ダイエットは、糖質が多く含まれている次のような食品を、普段の食事よりも控えるダイエット法です。
- 主食になるもの:ご飯やパン、麺など
- 果物:バナナ、イチゴ、ミカンなど
- イモ類:ジャガイモ、サツマイモ、サトイモなど
- 根菜類:ゴボウ、人参など
- 糖質の多い野菜:カボチャ、トウモロコシなど
- その他:はるさめ、砂糖、ハチミツ、小麦粉、片栗粉など
糖質を摂りすぎると体脂肪として体にたまり、生活習慣が原因となるさまざまな健康上の問題につながります。
糖質は血糖値を上げて肥満の原因に
食事を摂ると、必ず血糖値が上がりますが、血糖値を上げる主な栄養素は糖質です。血糖値が上がると、結果的に肥満につながりますが、その仕組みは次の通りです。
血糖値が上がると、膵臓から「インスリン」というホルモンが出る
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血管の中の血糖値を正常に保つために、余分な糖質は肝臓に運ばれ、脂肪組織に中性脂肪としてたまる
※ご飯を抜くなどして“飢餓状態”になると、血管の中の血糖値が下がります。すると、脂肪組織から糖質を取り出してきて血管に運び、血管の中の血糖値を正常に保とうとします。
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糖質を適量摂ることで、血糖下降作用のある「インスリン」と、血糖上昇作用のある「グルカゴン」のバランスがとれて、血糖値を一定の範囲にコントロールできる
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糖質を必要以上に摂りすぎてしまうと、血糖値が上がりすぎてしまい、インスリンを多量に出す必要がある
※すると、必要以上に脂肪組織に脂肪がたまり、肥満の原因になってしまいます。
糖質制限ダイエットで痩せない原因は?
糖質制限に挑戦中で、「なかなか思うように体重が減らない」という人の声も聞かれます。しかし、その理由は糖質制限自体が悪いわけではないことも。以下に主な原因を記載しました。
糖質制限食をよく理解していない
「糖質制限ダイエット」と聞いて、「ごはんやパンなどの主食を制限すればいい」と思い込む人も多いです。しかし、糖質はごはんやパンなどの炭水化物以外に、根菜類・イモ類、調味料、お酒などにも多く含まれていることをご存じでしょうか。
こういった知識がないまま、「野菜なら大丈夫」とか、「少しの調味料はセーフ」など、自身の判断で適当に実践しまうケースが見られます。すると、「ご飯を減らしているのに、なかなか痩せない」ということになってしまうのです。
極端に糖質制限をしている
”糖質制限”と名のつくダイエット法なので、とにかく糖質を制限するべきというイメージを持つ人は多いかもしれませんね。しかし糖質は、当然摂りすぎると良くないのですが、実は控えすぎても良くないのです。
なぜなら、糖質は体を動かすエネルギー源となるため、少なすぎると体に必要なエネルギーが得られないためです。体は筋肉を分解してエネルギーをつくりますが、筋肉が分解されると筋肉そのものが減り、基礎代謝が落ちてしまいます。
筋肉が多いほど基礎代謝量も多くなりますが、その筋肉が減ってしまうと基礎代謝が落ちて、ダイエットの効率を下げてしまいます。したがって、筋肉を減らさないようにするためにも、糖質は適量摂るようにしましょう。
糖質制限ダイエットを成功させる4つのポイント
糖質制限をしてダイエットしようと決意したら、正しく理解して実践することが大切です。そこで、成功させるポイントを4つご紹介しましょう。
野菜類・たんぱく質・炭水化物を毎食摂る
糖質制限ダイエットでは、毎食ごとに野菜類、たんぱく質、炭水化物を適量摂ることが大切です。量のポイントは、以下を参考にしてみてください。
- 野菜類(野菜、キノコ類、海藻類):両手一杯分(火を通した場合は片手一杯分)
- たんぱく質:片手のひら(指の付け根まで)で手の厚みの大きさ分
- 炭水化物:片手のひら半分の大きさ分(ご飯茶碗3分の1程度、パンは8枚切り1枚程度)
このバランスを守ることで、お腹が空きにくくなります。
食べる順番に注意する
糖質制限ダイエットを成功させるためには、食べる順番を意識することも重要です。まずは、血糖値の上昇を緩やかにしてくれる野菜から食べて、次に肉や魚を食べるようにしましょう。そして、炭水化物は一番あとに食べます。
糖質が多い炭水化物から食べてしまうと、血糖値が急激に上昇し、体に体脂肪がつきやすくなってしまうので要注意。最後に血糖値を上げやすくする炭水化物を摂ることで、血糖値の上昇が緩やかになるので、体に脂肪がつきにくくなります。
飲み物は無糖で
糖質制限中には、飲み物にも気をつけましょう。飲み物に砂糖を入れてしまうと糖質が多くなってしまうので、できれば麦茶やお茶を選ぶことがベストといえます。ただし、無糖であればコーヒーや紅茶でもOKです。コーヒーの苦みが苦手な人は、無脂肪牛乳や豆乳を入れて飲むと良いでしょう。
間食にたんぱく質を摂る
ダイエット中だからといって、間食を我慢するとストレスがたまり、思うように続けられなくなってしまいます。ただし、糖質制限ダイエット中は甘いものはNGなので、間食する際は豆乳やチーズ、魚肉ソーセージなどのたんぱく質を摂りましょう。たんぱく質はお腹が空きにくくしてくれることで知られているので、そういう意味でもおすすめです。
糖質制限ダイエットをするうえで注意したいこと
糖質制限ダイエットを成功させるためには、覚えておきたいことがあります。ここでは、4つの注意点を見ていきましょう。
どんぶりものは避ける
糖質制限ダイエット中は、外食時などにどんぶりものは避けるようにしましょう。どんぶりものはご飯の量がとても多く、ご飯茶碗でいうと1杯強~2杯近くの量が盛られています。また、量が多いだけでなく、食べる順番を守りにくいことも、避けたい理由のひとつです。
そのため、できればおかずとご飯が別になっている「定食」を選ぶようにしましょう。定食を選ぶことで、ご飯の量を調整しやすくなり、さらに野菜、肉・魚、ご飯と食べる順番も守れます。
甘い味つけを控える
食事でご飯の量を制限しても、卵焼きや煮物などの味つけを甘くしてしまうと、無意味になってしまいます。たとえば、卵焼きは出汁巻き卵にする、煮物は砂糖やみりんの量を控えめにするなどして、工夫することが大切です。もし、おかずの味つけを甘くしたら、ご飯の量を減らすなどの対策をしましょう。
果物の摂り方に気をつける
果物は、ビタミンやカリウムが多く含まれる体に良い食材で、1日に200g摂ることが推奨されています。1日200gというと、みかんでいえば3個程度です。
朝、果物を食べることで、1日を活動的に過ごせるでしょう。ただし、エネルギーの消費が少ない夜に食べると、中性脂肪として体にたまってしまうので注意が必要です。
揚げ物を控える
揚げ物の衣には、小麦粉やパン粉など糖質の多いものが使用されています。また揚げ物の油は、血糖値を長い時間上昇させて、体脂肪をためやすくする特徴も。
そのため、糖質制限中には「揚げ物は大敵」といえます。もし食べてしまうと、ダイエットする意味がなくなってしまうので、控えるようにしましょう。
まとめ
ダイエットは私たちにとって”永遠のテーマ”ともいえ、TVや雑誌などでもさまざまなダイエット法が取り上げられています。糖質制限ダイエットも話題のダイエット法のひとつですが、話題性があるからといって必ずしもうまくいくとは限りません。
「糖質制限ダイエットを実践中だけど効果がいまいち」という場合には、なにかやり方に問題があるのではないかと疑ってみましょう。そうして原因を発見し、正すことができれば現状を打破できるでしょう。