クレマチスの花の特徴
クレマチスは大きな花と豊かなカラーバリエーション、豊富な形状が特徴です。人々を魅了してやまないクレマチス。その特徴をまとめてみました。
キンポウゲ科の花
クレマチスはキンポウゲ科に属する花です。漢字では「金鳳花」と書き、黄金色の花を中国の鳳凰に見立ててこの名がつけられたと言われています。その名の通り、美しいことが多いキンポウゲ科の花。彩り豊かで個性的なキンポウゲ科の花が好きという人はとても多いですよ。
しかし、アルカロイドという有毒成分を含む植物も多いので、注意が必要です。とても美しい反面、毒があるというミステリアスな雰囲気に惹かれる人が多いのかもしれませんね。
原産国は日本や中国など
クレマチスの原産国は日本や中国などです。北半球の温帯地域に広く自生している植物で、アメリカやヨーロッパにも存在しています。各地の種を交配させて新しい品種を数多く作り出しているのです。
そのため育て方や剪定の方法も様々です。育てる時は注意しましょう。美しくバリエーション豊かなことも、クレマチスの人気の理由と言えますね。
花の魅力は大きさ
クレマチスの魅力は何と言ってもその大きな花。クレマチスは大振りで豪華な花を咲かせるので、ガーデニングにぴったりなのです。ガーデニングが盛んなイギリスでは、バラを「キング」、クレマチスを「クイーン」と呼ぶほど。バラとクレマチスの組み合わせがとっても人気です。
しかし、実は花びらに見える部分はがくと言う葉が進化したものです。がくに色が付いているなんて珍しいですね。
花の色味はピンク・白・青
クレマチスの花の色は、ピンク・白・青などバリエーション豊かです。他にも紫や赤、黄色、白みがかった黄緑などもあります。優しい雰囲気のピンクや白からシックで落ち着いた紫や青まで揃っているので、自分好みのカラーを見つけることができますよ。これもクレマチスがたくさんの人に好かれる理由と言えるでしょう。
つる植物として人気
つる植物として人気のクレマチス。ベランダや鉢植え、プランターなどの狭い場所でも育ちます。手軽に楽しむことができるのも人気のポイントですね。細くて繊細に見えるツルは実はとっても丈夫。「つる植物の女王」と呼ばれるほど人気なんです。
誕生花
5/3、5/9、7/1、7/2、9/12はクレマチスが誕生花として設定されています。誕生花とは生まれた月日にちなんだ花のことで、365日すべてに花があてはめられています。誕生花のほとんどは開花の時期に合わせて決められていますが、誰がどのように決めたのかは諸説あり、正確なことはわかっていません。最も美しい説として、ギリシア・ローマ人は「花には神秘的な千力が宿っており、神様からのメッセージを宿している。ある月日に咲くということは何らかの意味が込められている」と考えたというもの。自分や家族の誕生花を知りたくなりますね。
クレマチスの名前の起源と世界での呼ばれ方
クレマチスの名前の起源はつる植物らしく「つる」にあります。また、クレマチスは世界各国で様々な呼び名で呼ばれています。それぞれに興味深い名前の由来があるので、代表的なものをご紹介しましょう。
名前の起源はギリシャ語で「つる」という意味
クレマチスという名前の起源はギリシャ語で「Klema(つる)」から派生し、ラテン語の「clematis(つる性植物)」になったと言われています。つる性植物の女王として、世界中で愛されています。
イギリスでは旅人の楽しみ
クレマチスはイギリスでは「旅人の楽しみ」という別名で呼ばれています。聖母マリアがイエスを抱いてエジプトに渡った時に、クレマチスの茂みの木陰で休息を取ったという逸話が残されています。そのことから、ヨーロッパでは旅人が快適に過ごせるように、宿の玄関にクレマチスを植えて旅人を迎え入れていたという習慣があるのです。
フランスでは乞食草
フランスではクレマチスは「乞食草」という別名があります。美しい花を咲かせるクレマチスの別名としてはあまりふさわしくないように感じられますね。この乞食草という別名には、クレマチスの持つ有毒成分が関係しています。クレマチスの葉には毒があり、皮膚につけるとただれてしまいます。
昔、フランスの乞食が通行人の同情を引くために、わざとクレマチスの葉をすりつぶして肌に付けただれさせていたことにちなんでいます。
イタリアではごま塩ひげ
クレマチスはイタリアで「ごま塩ひげ」と呼ばれることも。英名の一つとして「Old Man’s Beard」があり、直訳すると「おじいさんのあごひげ」です。クレマチスの中には果実に白い毛があり種類があり、これをひげに例えたのです。花の形状がさまざまなクレマチスだからこそ、世界各国でいろいろな呼び名があるのですね。
クレマチスの花言葉
クレマチスの花言葉には「精神の美」「創意工夫」といったポジティブなものがある一方、「策略」というちょっとドキッとしてしまうような言葉も。美しい花を咲かせながらも、毒を持つクレマチスにピッタリの花言葉です。
精神の美
クレマチスは細く繊細な見た目ですが丈夫で強いため、「精神の美」という花言葉が付けられています。クレマチスは細いツルの先に大輪の花を咲かせます。そのツルは見た目は細いですが、丈夫でしっかりしています。たとえツルが折れてしまったとしてもその先は枯れません。
それに加えて、大きな花をたくさん咲かせることから、生命力が高い植物というイメージが持たれています。そのことから「精神の美」を連想しているのですね。
創意工夫
クレマチスには「創意工夫」という花言葉があります。19世紀末のイギリスでは、クレマチスを誰が一番美しく咲かせることができるかを競っていたと言います。クレマチスは庭のアーチやフェンス、壁などに自在に巻き付けることができるため、この「創意工夫」という花言葉が名付けられたと言われています。どんな形にも自由自在にツルを変えることができるツル性植物のクレマチスにピッタリの言葉ですね。
策略
クレマチスには「策略」という一見するとダークな花言葉もあります。これは、クレマチスの毒に由来するものです。前述の通り、クレマチスには「乞食草」という別名があります。かつて乞食がクレマチスの毒を利用して通行人の同情を引こうとしたことから、乞食草という別名が付けられました。これに関連して「策略」という花言葉があるのです。
また、毒ではなく、クレマチスの丈夫なツルで自分を傷つけて気を引こうとしたという説もあります。
クレマチスの種類
クレマチスには多くの種類があり、原種だけでも300種類以上と言われています。中でも有名な品種が「テッセン」と「カザグルマ」です。どちらも花びらが多く美しいので大変人気があります。その特徴をご紹介します。
原種は300種以上ある
クレマチスの原種は世界中に300種類以上存在しています。原種とは、人の手が加えられず、品種改良などがされていない野生種のこと。原種だけでも300種以上、品種改良をしたものを含めるとさらに多くの種類があります。日本国内でも約20種の原種があるのです。日本で有名な原種が、「テッセン」や「カザグルマ」です。
日本でメジャーな品種1:テッセン
日本で有名なクレマチスと言えば「テッセン」です。漢字では「鉄線」と書きます。ツルが鉄線のように細くて丈夫であることが名前の由来です。貴重な品種なので、「幻のクレンチス」と言われるほど。
花びらは通常6枚で、次々と花を咲かせるという嬉しい特徴があります。花の色は白や紫がかった白が多く、葉は細かい切れ込みが入っています。美しい大輪の花がたくさん咲く人気の品種です。
日本でメジャーな品種2:カザグルマ
日本で有名なクレマチスの品種、2つ目はカザグルマです。花が風車のように見えることからその名が付けられました。花の直径は10㎝前後と大きく、上に向かって咲きます。
花びらは8枚で白やうす紫が多いです。美しく大きな花を咲かせるカザグルマは昔から人気ですが、原種は絶滅危惧種となっています。
まとめ
大輪の花を咲かせることで人気のクレマチス。優雅な花とは裏腹に毒を持っていることも特徴のひとつです。花言葉は「精神の美」「創意工夫」そして「策略」。たくさんの種類があり花の色や形状が豊富なので、育てる楽しみが倍増しますね。また、プレゼントとしてもおすすめです。そんなクレマチスの魅力や花言葉を詳しくご紹介しました。クレマチスはあなたの庭を美しく彩ってくれることでしょう。