回避依存症とは何?
回避依存症はまだ広く知られていません。そのため、はじめに回避依存症の一般的な特徴と、恋愛においてどのような影響があるのか見ていきましょう。
回避依存症は他者との親密な関係を避ける
回避依存症とは、他者と深く親密な関係になるのを避けることに依存している状態のこと。主に男性に起こる傾向がありますが、女性にも回避依存症の人は存在します。
会社などの組織での人間関係はうまく築けるのに、人との親密な関係を築くのが苦手という人は注意が必要です。
回避依存症は恋愛や結婚の障害となる
回避依存症の人は、自分と相手との心の距離が近くなってくると、自ら関係を切って距離を空ける行動に出ます。そのため恋愛がうまくいかず、結婚から遠ざかる人も。
親密になりかけると、なぜか相手との関係が億劫になってしまう人は注意が必要です。
恋愛依存症の人とカップルになることもある
回避依存症の人が、恋愛依存症の人と交際するケースもあります。しかし、だからといって通常の恋愛と違ってお付き合いがうまくいくというわけではなく、しんどい恋愛になってしまうのは間違いないといえるでしょう。
回避依存症の男性の3つの特徴
回避依存症の男性に多い3つの特徴を説明します。交際相手に当てはまるかチェックしてみてください。
付き合いにおいて自然消滅が多い
1つ目は、マメな性格ではないため連絡不精になり、自然消滅になりがちという特徴があります。
また、このタイプの男性は、「自分は愛される存在ではない」と思っているため、たとえ付き合っていたとしても相手の女性を信頼していない。そして、恋人に依存することもなく、「もう無理だな」と感じたら自分からバッサリと関係を断ってしまうのです。
セックスレスになりやすい
2つ目は、長い付き合いになった場合、セックスレスになりやすいという特徴があります。
そもそも、回避依存症の人が一人の人と長く付き合うことは珍しいのですが、自分にとって都合の良い状態でいられる場合に限り、関係が続くこともあります。通常のカップルなら長く付き合えば付き合うほど距離が縮まり絆が深くなるものですが、回避依存症の人は、交際相手との距離が縮まることがほぼありません。
そのため、長い付き合いになるとセックスレスになりやすいのです。目安としては2年程度でセックスレスになることが多いといわれています。
打算的な結婚観を持ち、結婚後は無責任
3つ目は、結婚して家庭を持っても無責任になるという特徴があります。
回避症候群の人は、深い人間関係になることを避けて生きているため結婚すること自体がまれ。しかし、相手の女性が恋愛依存症などで自分に尽くしてくれたりと、なにかメリットを感じたとき結婚することもあるのです。
しかし、元々自分以外の他者に対して無関心なため、家庭を持っても夫や父親としての責任感はありません。家庭内別居状態夫婦は、どちらかが回避依存症のケースが多いともいわれています。
回避依存症の女性の3つの特徴
次に、回避依存症の女性に多い3つの特徴を説明します。自分自身に当てはまる点がないかチェックしてみてください。
回避依存症の男性に惹かれやすい
1つ目は、回避依存症の女性は自分と同じ、回避依存症タイプの男性に惹かれやすいという特徴があります。
女性の場合も基本的にマメではなく、他者に無関心な傾向はあるものの、交際がはじまると男性とは違い恋人に依存していく傾向が。そのため、回避依存症の女性が同じタイプの男性と付き合うと、恋人から連絡がこない状況に女性のほうが我慢できなくなり、相手に振り回されてしまう苦しい恋愛となりがちです。
束縛や干渉を嫌う
2つ目は、恋人から束縛や干渉されることを極度に嫌うという特徴があります。
一緒に暮らしていたら、連絡なく帰宅が遅かったら心配するもの。しかし、このタイプの女性は男性から、「大丈夫?」とか、「まだ帰らないの?」と連絡がきただけで過干渉と感じて嫌な気分になってしまいます。
優柔不断な男性から好かれやすい
3つ目は、気が弱く優柔不断な男性がまわりに寄ってくるという特徴があります。
回避依存症の女性は物事をハッキリという性格なので、気の弱い男性に好かれやすいです。しかし、本人が好きになるのは、決断力があって頼りがいのある男性なのです。
回避依存症を判断する3つのポイント
回避依存症に多い3つの行動パターンをご紹介します。恋人や自分に当てはまる点がないかチェックしてみてください。
自分からアプローチしたのに、相手が好意を示すと突然態度が豹変
1つ目は、自分のほうからアプローチしたのに、相手が好意を持った途端に突然態度が冷たくなることがあります。
なぜこのような行動になるのか?誰かとお付き合いするということは、同時に別れのリスクも背負うことになります。そのため、回避依存症の人は、別れて傷つくことが怖いので深い交際を避ける傾向があるのです。
こまめな連絡、長時間のデートが億劫
2つ目は、毎日連絡を取り合ったり頻繁に会ったりすることを、面倒だと思っていたり億劫に感じたりしています。
回避依存症の人は、会ってカフェでお茶をしたりショッピングしたりと、短時間のデートは苦に感じません。しかし、どこかにドライブに出かけたり旅行に行ったりなど、長時間のデートを面倒くさいと感じます。そのため、気乗りがしないとデートをドタキャンする人もいるのです。
交際相手を部屋に入れない
3つ目は、交際をはじめてから何ヶ月か経っても、一度も恋人を部屋に入れなかったり、イチャイチャするなど密着することを嫌がったりします。
回避依存症の人はパーソナルスペースが一般の人より極端に広いため、自分のプライベートスペースに他人を入れたがりません。また、「誰も信用なんてできない」とか、「永遠なんて言葉はない」、「結婚なんて無意味だ」といったネガティブな発言が多いというのも特徴のひとつです。
回避依存症をなおす方法はある?
ここまでで、恋人や自分に回避依存症の疑いがあると感じている方もいるでしょう。その場合に気になるのは回避依存症を克服する方法についてですが、果たしてあるのでしょうか。
治療法はない
回避依存症をなおす方法ですが、病気ではないため病院へ行ったとしても治療法が存在しません。それでは一体どうしたら良いのかといいますと、まずどうして回避依存症になったのかという根本原因にアプローチするのが良いといわれています。
カウンセリングが効果的
回避依存症となる多くの原因は、幼少期の親との関係にあります。
幼少期に親から「無条件の愛」を受け取れなかった人は、「いい子でいなければ愛してもらえない」や、「いつ見捨てられるかわからない」といった不安と不信感を抱えています。そのため、大人になっても他者に対して不信感を持ってしまうのです。
カウンセリングを受けて、カウンセラーと一緒に過去の心の傷と向き合って癒していくことで、他者は自分を傷つける敵ばかりではないことを知り、少しずつ人を信頼できるようになるでしょう。
回避依存症の相手の付き合い方
次に、交際相手が回避依存症の可能性がある場合、どのように付き合っていけば良いのでしょうか。良好な関係を築くポイントをご紹介します。
相手を否定しない
1つ目は、相手のことを絶対に否定したり責めたりしないことです。
これまでに述べたとおり、回避依存症になったのは本人の責任ではありません。あくまで幼少期の親との関係が原因の人間不信状態なので、絶対に追い詰めるようなことはしないように気をつけましょう。
良い距離を保つ
2つ目は、相手のほどよい距離感を探り、相手にとって心地よくいられる距離感を保つことです。
パーソナルスペースは人それぞれ違うように、回避依存症の人もとてつもなく広い人と少し広い人といろいろなので、すべての人に共通するアドバイスはできません。しかし、必ず誰にでも人と付き合うときの心地よい距離感は存在しているので、根気良く時間をかけて見つけていきましょう。
時間をかけて関係を築く
回避依存症の人と打ち解けて信頼してもらうまで、通常の人よりも何倍も時間がかかります。他者と深く親密な関係になるのを避けるとはいっても、誰もが本心では安心して人と関わっていきたいと思っています。そのため、相手のことを肯定してあげながら少しずつ少しずつ、距離を縮めてみてください。
まとめ
あなたや恋人は回避依存症の特徴に当てはまりましたか?
該当する場合、幼少期の親との関係に原因があると考えられるため、カウンセリングを受け根気よくなおすのが確実な方法といわれています。検討してみてはいかがでしょうか。
また、自分が回避依存症である場合、それを自覚した上で、自分の言動を客観的に見ることが大切。相手が回避依存症である場合は、そのことを理解した上で、時間をかけて良い距離感を築くことが大切です。そうして良好な関係を続けてくださいね。